目を合わせると石になると言うメデューサ。
ギリシャ神話。ゴルゴン3姉妹の末っ子。余りにも美しいが為に海神ポセイドンに誘惑される。メデューサは、従わざるをえなかったのだろう、アテナ神殿で契りを結ぶ。これを知ったポセイドンの妻アンフィトリテと神殿の主アテナが怒り、メデューサに呪いを掛ける。これが、目を合わせると相手が石になるという呪い。ついでに髪の毛を蛇に…。つまり化け物にされてしまった。これでもアテナは、気持ちが収まらずペルセウスにメデューサを殺させる。
こんな馬鹿な話はない。ポセイドンの馬鹿野郎! アテナのオタンコナス!メデューサこそ悲劇のヒロイン。アテナは、一生処女だった。当たり前だッ!
そのメデューサが今も此処で、こんな風に…… アー、可哀想なメデューサ。
イスタンブールの地下宮殿。実は、イエバタン貯水池。4世紀に作られ、天井まで水が満たされていた。観光用の照明も暗く、ヒンヤリとした空気も手伝い異様な世界を演出している。一人っきりで、ここに居ることは、多分不可能。今にも、何かが出てきそうな場所である。観光客の話し声もほとんど聞こえない。天井から落ちる水滴の音が辺りを支配している。
余りにも有名なブルー・モスク。6つのミナレ(塔)が特長。
Photo by 三谷 弘 '95

モスクは、一種の空間。中には、何もない。外見と内部の
美しさで、その威容さを誇っている。
ブルー・モスクでは、現在もコーランが流れる。
ビザンティン建築のキリスト教聖堂がモスクに改修された。今は、美術館。
天井が高く、大きな空間を作っている。壁は、モザイク画などで埋め尽くされている。息を呑む。人間とは何なんだろう。しばし沈黙。同じ人間が作ったとは思えない異空間。
三谷 弘

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付記: 何故か、メデューサが気になります。彼女にヒントを貰った
    短編「メデューサ」をどうぞ。(別Windowです)