■トバイアス・グレグソン:Tobias Gregson
グレグソンは原作ホームズからそのままTobias Gregsonが使われている。
ホームズシリーズではレギュラーキャラのように思われがちだが、実際には原作の長編4作品、短編56作品のうち、以下の4作品にしか登場していない(厳密には長編「四つの署名」冒頭でも名前のみ出てくるが、それは除いた)
■夏目漱石:Soseki Natsume
日本語版の発音そのまま。
■アイリス・ワトソン:Iris Wilson
Watsonではなく、Wilsonに変更になった理由は、第2話解説で述べた通り。
彼女が書いている小説のタイトルは「The Adventures of Herlock Sholmes」になっている。
eat out of a person's hand:人に従順である、人の言いなりになる
Gregsonは「~ing」が「~in'」になり、ややコックニーな喋り方。
他には「madam」が「ma'am」になったりもする。
■倫敦警視庁:Scotland Yard
■留置所:Local Prison
これまでの英語版逆転裁判シリーズでは、留置所は「Detention Center」と訳されてきたが、本作では「Local Prison」。「Move(移動する)」の移動先には「Prison」と表示される。
「Local Prison」は実在するイギリスの司法制度関係の施設。
イギリスには「Her Majesty's Prison Service」(HMPS)というイギリス政府下の組織があり、イングランドとウェールズにあるほとんどの刑務所を管理している。その元にある各地の留置所が「Local Prison」と呼ばれる。
Local prison - Wikipedia
なお、漱石が入れられた「9号独房」は「Cell 9」。
英語版では漱石初登場時に「吾輩は猫である」ネタが登場。「ワガハイは‥‥ワガハイはまだ名前のない猫なのか!?」と言っている。
漱石の四字熟語シリーズは、英語版では頭文字で韻を踏む形に。
ここでは「Mo」で揃えて「最も 記念すべき 感動の 瞬間!」となっている。
「Esquire」は、ここではイギリスの弁護士に付く称号として使われている。以下参照。
Esquire - Wikipedia
英語版の会話は、
Soseki「ミスタ・ナルホドー弁護士殿!」
Ryunosuke「‥‥あの。成歩堂と呼んでください。それと、英語で話す時には、『ミスター』だけで充分です。」
「ミスター」に加えて称号まで付けなくてもいいですよ、あるいは称号は大げさなので要りません、という意味合い。
結局、Esquireを付けて呼ぶSoseki。
Locumは「代理」のこと。
■(巡査の)鉄兜:bobby's helmet
寿沙都の憧れのヘルメットは「bobby's helmet」。
bobbyで巡査の意味。
bobbyの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
>Bob は Robert の愛称でロンドン警察を設立した Robert Peel にちなむ
■ブライヤーロード:Brier Road
■メシャムロード:Meerschaum Street
■キャラバッシュロード:Calabash Road
StreetとRoadの違いは、
>架空の人物としてはシャーロック・ホームズがキャラバッシュのベント型パイプを咥えている図が有名だが、これは元々舞台俳優のウィリアム・ジレットや英国放送協会(BBC)制作のテレビドラマシリーズの影響によるもので、原作にはキャラバッシュ・パイプは登場しない。原作でのホームズは、「陶製のパイプ」(クレイ・パイプ)、「ブライヤー・パイプ」を愛用しつつ、紙巻き煙草も賞賛しながら「お替り」するなど、別にパイプに拘っている訳ではない描写も登場する。
英語版だと「ヤードの誰に聞いても、Herlock Sholmesの作品に出演するのは不運(misadventure)なのだ!」
「adventure(冒険)」と「misadventure(不運)」をひっかけたダジャレ。
■ホームズの部屋:Sholme's Suite
roomではなくsuite。ここでのsuiteは「一続きの部屋」の意味で、ゲームではホームズの仕事部屋・暖炉のある居間・アイリスの仕事部屋が一続きになっているため、suiteが使われている。
Sholmesの住まいは英語版でも「221B Baker Street」。
アイリスことIrisは、Herlock Sholmesのことを「Hurley」という愛称で呼んでいる。
日本語版の「ホームズくん」の雰囲気を、愛称で表現している模様。
Irisの愛称呼びは他キャラにも及ぶ。
龍ノ介→Runo(「りゅうのすけ」→「りゅーの」→「Runo」)
寿沙都→Susie(Susatoの綴りから思いついたか)
他には、
Gina→Ginny
Gregson→Gregsy
という愛称が使われている。
ホームズの部屋は「調べる」で調べると、原作ホームズネタが散りばめられているが、英語版でもそのまま。
ブラック・ピーターは短編集第5作「The Return of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの帰還)」に収録された「The Adventure of Black Peter(ブラック・ピーター)」から取られている。
■アイリスのカード:Iris's Postcard
カードの文章が日本語版と英語版で違う。
英語版:
Tell the gentleman in black whatever he wants to know.
I trust that won't be a problem?
Iris Wilson
意訳:黒服の紳士が知りたいことは、何でも話してあげてね。
問題ないよね?
アイリス・ウィルソン
日本語版:
So, you'll answer anything the guy in the dark jacket asks, right?
Iris Watson
意訳:黒っぽいジャケットを着た男の人の質問には何でも答えてくれるよね?
アイリス・ワトソン