2024/11/10
マイナンバーカードに健康保険証の機能を組み込ませる政策は、数年前にマイナポイントの第2弾として進められたところであり、私も家族の分も含めてその手続きをやってしっかり家族分のマイナポイントをいただいたところであるが、実際にそれを使っていたかと言えば、従前の健康保険証の方がなんとなく使い慣れていることもあり、そちらを使い続けてきたところである。
そうこうしているうちに、マイナ保険証への移行は更に強力に進められることになり、ついに今年の12月2日からは、従前の保険証は新規発行されなくなるということになったようである。
ともあれそういうことであれば、いずれ今の保険証が使えなくなるのであれば、そちらに切り替えて使い慣れておかないと後々困ったことになりそうなので、現在歯科に通院していることでもあり、先日からマイナ保険証を使ってみることにした。
現在使っている保険証の場合は、月に一度、最初の通院時に診察券とともに窓口に提出して確認してもらうという形になるが、マイナ保険証の場合は、来院のたびに確認が求められる。
マイナ保険証の場合、病院にもよると思うが、私の通院している歯科の場合は、マイナ受付というカードリーダが窓口に据え付けられている。来院のたびに、診察券を窓口に提出するとともに、マイナンバーカードを機械に挿入する。するとまず、本人確認のために顔認証か暗証番号の入力かを選択し、認証手続きを行う。少々煩わしいが、本人確認を厳格に行うというためのものなのであろう。
そのあと更に2つほど質問があり、一つは薬剤情報の提供への同意、もう一つは検診情報の提供への同意(40歳以上)の質問がある。これは受付の度に毎回聞かれる。一度聞けば十分ではないかという気がするものであり、これも少し煩わしく感じられるところである。
基本的にはここまでで受付終了となるが、高額療養費制度を利用する場合はさらに手続きをすることになるようだ(私は対象ではないのでやったことはない)。
本人確認や質問事項への回答が毎回必要なところが煩わしく感じられるとは言え、慣れてくればどうということはない。来院の度に手続きするのも、そういうものだと思ってしまえば、逆に保険証の提出がいるのかどうかを考える手間が省けるとポジティブに考えることもできる。
このほか厚生労働省のページでは、マイナ保険証のメリットとして、
とあり、特に高額療養費の限度額を超える支払いが免除というのは、利用者にとっては大きなメリットである気もする。
とはいえ、もともと任意取得とされていたマイナンバーカードなので、マイナ保険証を持たない人はどうすればいいのかというと、資格確認書なるものを発行してこれまでどおり保険証のかわりとして使えるようにするという、不思議な建付けになっている。
しかも、現行の健康保険証を廃止することについての不安を払拭するためか、最初は申請が必要で有効期限は1年とされていたこの資格確認書は、2023年8月には、マイナ保険証を持っていない人の申請は当面不要で有効期限も最長5年となり、2024年7月には、マイナンバーカードの電子証明書の期限が切れた人には3か月以内に自動交付され、9月にはマイナ保険証を持っている75歳以上の高齢者にも交付するなど、どんどんと交付対象が拡大している。こうなると、ほとんど現行の健康保険証を代替するような扱いになりつつあり、何のためのマイナ保険証移行なのかわからなくなってきている。
何度も言及しているように、マイナンバーカードがいまいち普及しないのは、カードを使うことによる利便性がイマイチ感じられないというところにも大きな理由があると考えられるので、政府としては、国民がよりメリットと利便性を感じられるような制度設計を希求していただきたいと思うところである。