#437 廉価な機器でコロナ対策

2020/11/11

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 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、まだまだ各国で猖獗を極めていると言っていい状況である。感染者数が減少傾向にあると思って経済活動を再開すると、それに応じてまた感染者数が増えていくという具合で、なかなか厄介なものである。日本の場合は諸外国に比べて、幸いにして重症患者や死亡者数が相対的には少なく、医療崩壊なども起きてはいないようであるが、これから冬を迎えるにあたってどんな具合に推移していくのかはまだまだ予断を許さない状況である。社会全体の影響もさることながら、やはり一番肝心なのは自分自身が罹患しないことである。

 未だワクチンも特効薬も見つかっていない病気とは言え、そこはウィルス性疾患には変わりない。細菌とは違い、人間の細胞の中でしか増殖できないのだから、ともかく清潔を心掛けて体内に侵入させないことと、侵入されても増殖拡大させないための免疫力を維持することが、あらゆるウィルス性疾患に共通する予防策である。前者については、自分自身の防御(手洗い、うがい、マスクの着用)と、手に触れる可能性のある部分のこまめな消毒、そして後者については、普段からの十分な栄養と休息、これに勝る予防策はないと思う。実際に日本では、ある程度これらの対策が浸透しているおかげで、同じくウィルス性疾患であるところの季節性インフルエンザの患者も激減しているとのことである。

 それでも、相手は目に見えないウィルスであり、いくら上記の対策を十分にやっていたとしても、感染の確率をゼロにすることはできない。不幸にして感染してしまった場合は、自主隔離して他人への感染を極力防ぐ必要がある。感染したかどうかを判断するにはPCR検査が最も確度が高いと言われるが、今のところその資源が限られている中、検査を受けられない場合には自覚症状をもって罹患の有無を判断するしかない。

 とりあえず素人でもできる最も簡便な判断は「熱があるかどうか」というところである。必要条件の一つでしかないとは思うけれども、春先以降、至る所で体温を計測されたり、学校や職場に行くにあたっても、毎日体温を測定し記録せよなどと言われているところである。とは言え、たとえ短時間で測れる電子体温計であっても、脇の下に入れて測るタイプの体温測定は、なかなか手間に感じるものである。

 公共施設などでは、来客者の額や手首などに近づけて、赤外線により数秒で計測できる非接触型の体温計がよく使われていて、あれだと計測も非常に簡便である。接触型のもので計測した方が数値は正確なのかも知れないが、接触型も正しく挟み込んで計測しないと全く見当違いの数字が出たりするので油断ならない。

 電気街を歩いていた折、こうした非接触型の体温計が安く売っていたので、一つ買ってみた。接触型のもので測るよりも少し高い数値が出るような気もするが、同じ場所で何回か連続して計測しても数値にブレが生じないので、絶対精度はともかく相対精度は高いのではないかと思われる。

 もう一つ、COVID-19で生じる症状としては血中酸素濃度の低下がある。これを把握するには、パルスオキシメーターという、動脈血酸素飽和度(SpO2)を計測する器械が簡便である。具体的には、大型の洗濯バサミみたいなもので、指を挟むとものの数秒でSpO2の数字を出してくれる。10年ほど前に肺炎を患って入院した時に、毎日これを使って回復具合を診られていたので、その存在には馴染みがあった。

 原理そのものはそれほど複雑ではないため、ネットショップなどで見ると意外と廉価で売られていたりすることもあり、信頼性があるかどうかはともかく、これも一つ買ってみたところである。指に挟んで5秒ほど待つと、SpO2の数値のほか脈拍も計測してくれる。本当に正しい数字なのかはわからないものの、息を止めて30秒ほど待つと、確かにSpO2の数値が徐々に下がっていくのがわかるので、一応計測はしているようである。(良い子はマネしないように。)

 素人が廉価で購入できるものでもあり、どちらも「医療用ではありません」などと説明されているのであるが、まあ全くあてにならないものでもなかろうということで、手許に置いては手軽に計測をして、とりあえず異常がないことを毎日確かめている次第である。いずれにせよ、COVID-19に限らず、一人暮らしの身で病気になったり体調を崩したら目も当てられないので、毎日よく食べよく寝て、疲労とストレスを貯めない生活を心掛けているつもりである。


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