#422 11年ぶりのFAX更新

2019/08/17

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 以前にも同じようなタイトルで記事を書いた気がして、調べてみたら11年前のことであった。要するに自宅のFAXつき電話機が不調になって、また更新したという話である。

 通信手段として、携帯電話やメールやSNSでの連絡が主になってしまった今となっては、固定電話やFAXの出番は以前の更新時から更に減ってきているところではある。なので、そもそも今回FAX電話機の買い替えが必要なのか、いっそFAX機能のないものにしてしまうか、あるいはいっそ固定電話を解約してしまおうか、ということも考えたりもした。とはいえ、例えば息子の中学校の緊急連絡などは固定電話に回ってくるようになっているということもあり、個人はともかくやはり世帯として固定電話が無いというのもいかがなものかという部分もあるので、素直に買い替えることにした次第である。

 とは言え、それほど出番のないFAX電話機に対して望むことというのはそれほど多くない。上位機種だと、受信したFAXを印刷しなくても画面で内容を確認できる機能や、スマホと連携する機能があったりするようだが、特に必要な機能ではないし、そのために本体が大きくなったり値段が高くなってしまうよりは、なるべくコンパクトで廉価な方が良い。メーカーにも特にこだわりはなく、ともかく一番安い物ということでネットで検索して注文したら、翌日には届いてしまった。

 一番廉価なものであっても一通りの機能はついている。接続した回線を自動識別する機能もあるから挿せば繋がるようになるし、DECT機能と言う、無線LANと干渉しにくい1.9GHzの電波を使って、通話品質と消費電力を向上させるようにもなっている。

 FAXの印刷には、付属のインクフィルムを使用する。昔の機種は専用の感熱紙を内蔵していたので、結構嵩張っていたものであるが、今はデータはメモリに保存し、必要な時にA4普通紙に印刷するような形になっているから本体もコンパクトだし、インクフィルムそのものも、以前の機種に比べればよりコンパクトなものになっていて、細かいところながら10年経てばより洗練されたものになっている。

 そんなわけで、マニュアルの通りに必要な結線をすればそのまま使えるようになってしまった。あと設定するところと言えば、コール何回で留守電に切り替えるかというところと、呼び出し音と保留音くらいである。呼び出し音や保留音は、廉価な機種ということもあってそれほどバリエーションがあるわけではないが、その中から無難な音や音楽を選択してセットしておく。

 電話帳は子機と親機で共用するようになっており、電話帳登録そのものはすべて子機の側でやるようになっている。しかしながら、どこか登録する電話番号があるかと改めて考えてみると、親族を含め、ほとんどの通話を携帯電話やスマホで済ませてしまう今、敢えて固定電話でかける先というのはほとんど思いつかない。妻とともに1分ほど考え「ああ、あそこ登録しておけば?」ということで唯一登録したのは、夕飯を作るのが面倒な時に利用する近所の仕出し弁当のお店だけだった。

 親機の方にはワンタッチで電話をかけられるボタンが3つ並んでいるが、その横に「迷惑防止」という、困った顔で電話を受ける顔のアイコンがついたボタンがある。このボタンを3秒以上押すと、以降、同じ電話がかかってきても、電話機が自動的に電話を取って、通話を録音している旨の応答メッセージを相手に流した後、不在のふりをして呼び出し音と「呼び出したが近くにいません」という音声を6回流して電話を切るという仕組みのようである。なかなか凝った仕組みであるが、そんな機能が必要になるような迷惑電話がまだまだ跋扈しているということだろうか。

 迷惑電話というほどではないが、固定電話の方にはしばしばキャッチセールスの電話がかかってくる。キャッチセールスとまでは言わないまでも、ネットや電気代を安くしませんかという電話は後を絶たない。私はこういう電話は、そういう用向きだとわかった時点で「必要ありません」と言って問答無用で切ってしまう。必要だったらこちらから問い合わせるわい。


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