#408 SuicaとPASMOのその後

2018/06/15

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 首都圏の鉄道網をほぼ網羅する非接触型のプリペイドカードであるSuicaとPASMOは、今やすっかり首都圏の鉄道利用者の間に定着した感がある。朝夕の通勤時には、多くの人がカードや財布やスマホをかざしながら、自動改札を通過する際の電子音がひっきりなしに聞こえてくる。昔は駅員がいちいち切符に入鋏していたことを考えると、その効率化たるや目覚ましいものがある。

 SuicaとPASMOについては、デビューしたての時にここにも苦言を含めながらあれこれ書いてきたが、なんだかんだで今でも私は両方のカードを使っている。通勤定期として使っているのがPASMOで、Suicaの方はクレジットカードの機能がついたビックカメラSuicaである。

 先にサービスを開始したのがSuicaの方で、ビックカメラSuicaのポイント還元率の高さに惹かれて持つようになった。サービス当初は、ピックポイントが等価でSuicaのチャージに交換できた(1000ビックポイント=Suica1000円相当チャージ)ので、ビックポイントをせっせとSuicaのチャージに交換して使っていたのだが、そのうちにビックポイントの交換率が悪くなってしまったので(1500ビックポイント=Suica1000円相当チャージ)、ビックポイントはビックカメラでの買い物の時に消費することにした。

 それでも、Suicaチャージの時のポイント還元率が1.5%相当、クレジットでの買い物でも還元率が1.0%相当というのは比較的還元率が良い方であるから、使える場面では一番よく利用しているカードである。現在Suicaは、JRをはじめとする鉄道運賃の支払いにとどまらず、交通系電子マネーとして利用できる場面が増えてきたので、電子マネーとして使える場面では積極的に現金がわりに使っている。現金で払っても何もポイントが付かないことを考えれば、Suicaのチャージで支払うことで1.5%相当の還元があるわけだし、小銭のやりとりがないという点でもスマートである。そのため、Suicaの方には比較的大きな買い物にも利用できるよう、Suicaチャージが1万円を切ったら5000円分オートチャージする設定にしている。2018年3月17日からは、オートチャージは入場時のみならず出場時にもチャージしてくれるようになり、残額不足の心配もほぼ解消されている。

 かたやPASMOの方は、通勤定期として使っているものの、電子マネーとしての役割はSuicaの方をメインにしており、オートチャージの設定は、2000円を切ったら1000円分チャージという程度である。以前はPASMOの方は、オートチャージの設定額も固定であったが、その後ある程度自由に設定できるようになった。しかし、チャージによるポイントの還元率は0.5%なので、Suicaに比べれば相変わらず見劣りする。

 PASMOの場合は、オートチャージで紐づけてあるToMeCARD(年会費無料カード)の方に、東京メトロの定期券区間外利用時にメトロポイントPlusというのがつくが、サービス当初は1乗車2ポイントで、PASMOチャージに交換する最低額に到達するのに500回も乗らないといかんのかと、このページでも苦言を呈していたが、その後、休日の利用については6ポイントが付与されるようになり、またPASMOチャージへの交換も500ポイントが最低ラインとなって、そこそこ使い勝手がよくなった

 更に2018年3月24日から、東京メトロは「メトロポイントクラブ(メトポ)」いうポイントサービスを始めた。最初のうちは、ToMeCARDのメトロポイントPlusのサービスがリニューアルしただけのものかと思っていたのだが、どうやら紐づけのクレジットカードを必要としない、PASMO単独で利用可能なポイントのようであり、メトロポイントとは別に、定期券区間外の平日の利用で3ポイント、休日の利用で7ポイントが付与されるサービスのようである。(それにしてもネーミングが紛らわしい。)東京メトロを利用する場合においては、Suicaよりも還元率が高くなっていると言える。

 ポイントというものは、家電量販店のものを除けば、ほとんどが高々還元率1%程度のものであるから、ポイントを貯めることを理由にして購買行動を決めるのは、売り手の思惑にまんまとはまった本末転倒なことであると思う。とは言え鉄道のように、ほかに選択肢がなく、黙っていても利用するものであれば、貰えるポイントは貰っておいて、最終的にはチャージに交換して再利用するのが得策であると考える。


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