#274 PASMOはどうしたか(その2)

2007/07/18

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 ところでToMeCardを持っている場合、PASMOによる東京メトロの利用に際しポイントをつけてくれる「メトロポイント」という機能がある。メトロポイントが一定量たまると、これをPASMOのチャージに替えることができる。ちなみにこの機能の方は、駅売りのPASMOにも後から紐付けさせることが可能である。

 この紐付けには、有人の定期券売り場にあるポイントチャージ機による手続きが必要とのことなので、PASMOとToMeCardを入手して、早速手続きしようとしたのだが、やってみたら確認番号が必要だといわれた。恐らくクレジットカードの暗証番号かと思って入力してみたら、番号が違うと言う。

 定期券売り場の職員に聞こうにも、定期券売り場はPASMOを求める人で長蛇の列ができているため、なかなか聞くことができない。というわけで、手続きが果たせずにいたのだが、2週間ほどして再びポイントチャージ機に行って見たら「確認番号の初期値は生年月日の月日(4桁)です」と説明のテープが貼ってあった。何だよそれならそうと最初から言ってくれよ。おかげで4回ほどポイントをもらう機会を逃してしまったではないか。

 とは言え、このメトロポイント。年会費無料のカードの場合は1回の乗車で2ポイントしかつかないし、定期券の区間の乗車の場合は対象外である。メトロポイントは1000ポイント集めて初めてPASMOへのチャージにすることが可能ということなのだが、そのためには定期券区間外の利用が500回に達する必要がある。ポイントは2年たてば失効してしまうので、年間で250回の利用が必要という計算になる。私のように定期券での利用が主である利用者にはなかなか高いハードルである。

 それに、冷静に考えてみれば、2ポイントは2円相当ということになるから、初乗り料金160円の利用で2円の還元ということになり、還元率は1.25%程度である。(当然ながら、もっと長い区間乗った場合は、相対的に還元率は低くなる。)2年で500回も地下鉄の利用があるような人であれば、最低でも10%の還元がある回数券でも買った方がはるかに得である。東京メトロの回数券は金額だけで区間の指定がないし、乗り越しの場合も差額清算で済むから非常に使い勝手が良い。

 そのほかPASMOのオートチャージ等によるクレジットカードの利用でついたポイントも、メトロポイントに替えることができるのであるが、クレジットのポイントは1000円の利用で1ポイント。これは200ポイントで1000メトロポイントに変換できるので、還元率は0.5%程度ということになり、これもあまり魅力的ではない。もちろん現金でただ払うよりはましであるし、定期券の利用などがあれば結構なポイントにはなるが。私の場合、1000メトロポイントを貯めるための20万円の利用は、2年分の定期券といくらかのオートチャージがあってなんとか達成できるという計算である。こちらもなかなかハードルが高い。

 そういう意味では前にも紹介したSuicaの月々1000円チャージ+郵送明細停止によるボーナスポイントはかなり利回りが大きい。Suicaへの1000円チャージ分に相当する400ポイント到達には、最少で16000円(毎月1000円チャージを1年4ヶ月続けた場合)の利用しかかからない。ボーナスポイントを勘定に入れなくても、還元率は1.5%あり、オートチャージでの還元率はPASMOの3倍である。

 こうした細かいことをあれこれ計算しているうちは、お金持ちにはなれないかも知れないが、企業の言う「お得!」というのが自分にとって本当にお得なのかじっくり検証することは、決して無駄なことではないと思う。


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