#394 単身赴任終了

2017/04/14

<前目次次>


 また異動の話があり、5年ぶりに家族の住む家に戻ることとなった。転居に伴う諸々の手続きは、あれこれ面倒なことではあるが、一つ一つ段階を踏んでクリアしていくのは、ゲームのようで面白い。

 まずは転居が決まったら、光熱水や通信等のサービスの終了手続きをしなければならない。今回は家族の住む家に戻ることになるので、新たな契約は必要なく純粋に契約を終了すればいい。ただインターネット回線の契約については、移転の手続きについてはWebで手続きできるのに、契約終了については電話のみの受付となっている。また変な時期に解約すると違約金が取られるようなので、それがかからないタイミングまで解約時期をずらした方がよかったりする。つかんだ契約を手放したくないという気持ちはわかるけれども、なんとなくイヤラシイ。

 今年の年始に年賀状が届かなくて大騒ぎした郵便についても、改めて家族の住む家への転送手続きをしておく。こちらは、ネットで申し込んだ時にもらった通知番号を、登録した携帯電話(PHSを含むがIP電話は除く)を通じて入力し、内容が一致すれば手続き完了というシステムになっているようである。

 役所で行う自分自身の転出届は、転出日の14日前からできることになっているので、年度末の忙しい時期に入り窓口が混雑する前になるべく早くすませるのが吉である。もし支所のようなところがあるのなら、本庁舎で行うよりは窓口が空いていることが多い。

 一方で、自分の荷物の梱包と搬送のための準備も進めないといけない。今後は家族と一緒に住むわけだから、一人暮らしでは必需品だった冷蔵庫とか洗濯機とかは運ぶ必要はない。幸い、私の後任で来る人は住む部屋も私の後に入ることになるようなので、事前に調整をして、こうした大型家電や家具の類は全部引き継いでもらえることになった。そんなわけで、運ばなければならない荷物は、自分の衣類とパソコン、雑貨類と言った程度である。

 3月末のハイシーズンになると、引っ越しの需要はとても多く、少しでも出遅れると、引き受けてくれる業者が見つからないか、あっても法外な見積もり金額を提示してくることになる。その点、運ぶ荷物を全部宅配便で運べるものに限ってしまえば、業者にお願いする必要もなく、自分の都合のいいタイミングで集荷をお願いできる。特に郵便局の「ゆうパック」の場合は、重い荷物でも比較的割安で、まとめて送ると値引きしてくれる上に、あらかじめ頼んでおけば伝票に依頼主と送り先の住所氏名を印刷して用意してくれるので、大変に便利である。

 宅配便で引っ越しする場合、運賃は箱の数に比例するから、運ぶ箱の数が少なければ少ないほど良い。30×40×50cm(120サイズ)の標準的なサイズの荷物が1500円で運べるとしよう。この場合つまり、60Lの容積のものが1500円で運べることになるので、1Lあたり25円ということになる。実際には梱包の際の隙間もあったりするのでもうちょっと歩留まりが悪くなるかも知れないが、まあ1Lあたり30〜40円を目安と思えばいい。

 こう考えると、1Lあたりの金額がこれより大きくなるような、安い割に嵩張るものは、いっそ処分して移転先で新たに買った方が安上がりということになる。例えばトイレットペーパーやティッシュペーパーの類、大型の台所用品や風呂用品、着古した衣類などは、引っ越しに際して他人に譲るか処分しても惜しくはないということになる。そんなわけで、荷出しの予定日から逆算して、可燃物や不燃物、ビンカンペットボトル、古紙衣類など、それぞれの最終のゴミ出し日をにらみながら、どんどんとゴミとして処分する。

 宅配便の場合、自分の移動に比べると若干時間がかかることもあるので、転居するぎりぎりまで必要なものと、転居してからすぐ必要になるものとは、タイミングをずらして送る。私の場合、生活に必要なものは転居先である家族の住む家にほとんど揃っているが、異動翌日から使うことになるスーツやYシャツはほとんど手元にあるので、これらについては必要な分について早めにまとめて送っておく。

 そんなわけで、段ボール計15箱にまとまった荷物は、郵便局の軽自動車に収められて、家族の住む家へと運ばれていった。引っ越し荷物の場合は、雑多なものが含まれるため、航空機で運べないライターなどが意図せず入り込んでいると輸送をお断りされる可能性があるため、原則「航空輸送禁止」とされるようだが、実際は陸路であっても空路であっても日数はさほど変わらず、丸2日あれば届くようである。

 たった一つ、この方法で運べなかったものが布団である。別に処分してもよかったのだが、一度だけ家族が単身赴任先に来て泊まった時に用意した布団がえらく気に入ったようで是非持って帰ってきてほしいとのこと。圧縮しても宅配便で運べるサイズを超過しているので、これについては、最後の帰省時と今回の転居時の二度に分けて、圧縮して簀巻きにしたものを飛行機の手荷物として運んだ。

 無事に自分自身と持ち物の移動が終わったら、速やかに転入先の役所に転入手続きに行く。転入日から2週間以内に行わないと罰せられることがあるので注意が必要である。

 運転免許証の住所変更も行わなければならない。たまたま私の場合は更新の時期も重なっていたので、一度に済ませることができた。これがないと新住所でのいろんな手続きで身分証明書が求められる時に難儀をしてしまう。

 あとは、引っ越しと相前後して、銀行と保険とかクレジットカードとか通販とか、そういったところに登録している諸々の住所変更手続きがある。リストアップしたら20か所くらいあったが、そのうち15か所くらいはWebで手続きすることができ、残りも葉書や電話やメールなどで変更をお願いした。まだ何か忘れているものがあるかも知れないが、その辺は郵便物が転送されてきた時に都度手続きすることにしよう。


<前目次次>