#393 ふるさと納税2016申告終了

2017/03/16

<前目次次>


 税控除の上限額が大幅にあがったことや、認知度があがってきたこともあって、2016年のふるさと納税額は前年を大幅に上回った様子である。かく言う私も昨年からようやく始めたばかりであるから、その中に含まれているわけである。

 とは言え、いくら実質2000円の負担で返礼品があれもこれも手に入るからと言って、必要のないものや贅沢品をもらおうとするのはなるべく避けたいところである。ふるさと納税を巡っては、限られた税収を奪い合うという負の側面も指摘されてきているところであり、いつ何時制度の見直しがあるかわからない。そんな時に贅沢品をもらうことが「あたりまえ」になってしまうと、それが「あたりまえ」でなくなった時にもとには戻れないものである。

 そんなわけで、昨年私が返礼品としてひたすらもらっていたものは、米とかお酒とか、自分のお金でも買うようなものばかりである。強いて言えば、自分のお金だったら発泡酒とか第3のビールにしてしまうところを、純正のビールにしたことくらいが、贅沢といえば贅沢と言ったところか。書いていて我ながら貧乏くさい。

 そんなわけで、ふるさと納税デビューの年でもあるし、上限額ぎりぎりまで攻めるということもなく、昨年のふるさと納税を心静かに終えたところである。世の中には、大晦日ぎりぎりまで寄付に挑戦しようとしたはいいが、仲介サイトのシステムの不具合で年内に処理できなかったこともあったそうだが、昨年は1年366日もあったのだから、そんな間際になる前に余裕をもってやっておけばいいものをとも思う。

 ところで、ふるさと納税は寄付して返礼品をもらって満足しているだけでは全然お得にならない。当たり前だが返礼は寄付した金額の一部を使ってされるものなので、このままだと割高な買い物と変わらない。ちゃんと「これだけ寄付しましたよ」ということを税務署に申告した上で、寄付した金額を所得税なり住民税なりで控除されなければ、お得にはならないわけである。

 寄付額の申告のためには、通常税務署での確定申告が必要であるが、そのためには前年の所得税の納税状況などを記した源泉徴収票が必要で、だいたい1月下旬ごろに職場を通じてもらえることになっている。私の場合、今年はなんだか出てくるのが遅くて気をもんだが、2月頭になってようやくもらうことができた。

 年末調整をしていれば、生命保険や火災保険などの保険料控除、住宅ローン減税の分などが反映された上で所得税が支払われているわけであるが、通常はふるさと納税などの寄付金控除については反映されていない。これを確定申告することで、きちんと控除を受け、収めすぎた所得税をまず還付してもらうことになる。

 2月中旬から3月中旬にかけての確定申告の時期は自営業の方をはじめとして多くの方が申告をするので込み合うのだが、税金が戻ってくる還付申告の場合は、その前から税務署で受け付けてくれる。私も源泉徴収票をもらうや否や、国税庁のサイトで必要な金額を打ち込んで申告書を作成し、ふるさと納税した自治体から送られてきた寄付金の証明書の束(これがないと寄付したことを証明できないので、絶対になくさないように)と一緒に翌日には税務署に申告に行った。通常は税務署では、書類を受け付けて判子を押して控えをくれるだけなので、書類の不備がなければ受付はものの1分で終わる。

 ところで、年末調整にしろ確定申告にしろ、納税にあたっては昨年分(つまり今回の申告)からマイナンバーが必要になっている。マイナンバー。みなさんちゃんと通知カードをなくしていないでしょうか。役所の手続きなどでは昨年あたりからぼつぼつ使われていたようであるが、マイナンバーカードを申し込んだのにいつまでも出来上がってこないとか、マイナンバーカードを使ったばっかりに手続きがかえって面倒になったとか、そもそも通知カードがまだ届いていないところもあるとか聞くにつれ、本当に必要なものなのだろうかという思いが去来したところである。

 しかし、ついに納税の場においては、今年からマイナンバーなしにすませることはできないようである。もともとマイナンバーは、国民の持つお金の流れを把握して脱税を防ぐことも目的の一つなので、納税の場面から使われることはある意味当たり前ではある。だが使う側からすれば、住所や氏名などの個人情報を書いた上でさらにマイナンバーも必要ですカードのコピーもください、というのは、手間がかかるだけでちっともメリットがないのであるが。

 ともあれ、無事2月頭に申告を終わらせたら、2週間もしないうちに所得税の還付の通知が来た。なかなか仕事が早い。もっとも、所得税における寄付金控除は税率控除なので、還付されるのは寄付した金額に所得税の税率をかけた分だけである。残りの分については、今年の6月ごろ、住民税の決定通知において控除が通知されることになっている。寄付したお金がそのまま戻ってくるわけではないので、あんまり得した感じがしないのであるが、正しく上限額を見極めたうえで寄付をして申告していれば、大丈夫ちゃんと2000円を除いた分が控除されているはずである。


<前目次次>