2017/05/09
単身赴任を終えて、家族の住む自治体に転入届を出して印鑑登録も行った際、職場で必要と言われたこともあって、住民票の写しを請求したところ、印鑑登録証を使って自動交付機を使えば、印鑑登録証明書や戸籍の全部事項証明、住民税の課税証明書などとともに、100円安く、窓口時間外でも交付できますよと説明を受けたので、早速使ってみた。なるほど。簡単な操作ですぐに住民票の写しを発行してくれるので、便利ではある。
ただし、と窓口氏が説明するところによれば、この交付機は今年の6月いっぱいで廃止になり、以降はマイナンバーカード（個人番号カード）によるコンビニ発行に引き継がれるとのことである。なるほど、そうきたか。
確定申告の時にも少し話をしたが、いろいろと批判めいたことを言われているマイナンバーも、税務処理に必要な情報となるなど、政府も本気で普及浸透を図ろうとしているようである。一方で、通知カードはそれなりに各家庭に到達したものの、公的な身分証明書になる写真入りの個人番号カードの方は、各人で手続きしなければいけないという手間もあってか、未だに普及率が10%そこそこといった状況である。運転免許証などを持っていれば公的な身分証明書として使えるわけなので、手間をかけてまでカードを発行してもらうことに見合った利便性があるのかどうか、今一つよくわからないところが、普及率が伸び悩んでいる原因なのかも知れない。
そこで、私の住む自治体の場合、それまで行っていた印鑑登録証による自動交付機をわざわざ廃止して、個人番号カードによる各種証明書の発行サービスに全面移行し、個人番号カードの普及に貢献しようと、まあそれは穿った見方かも知れないが、事実としてはそういうことである。
釈然としない部分もあるが、折角便利に使えていた自動交付のサービスが使えなくなるのも癪なので、申し訳なさそうに窓口氏が渡してくれた個人番号カードの交付申請書に必要事項を書き、旅券の申請のために最近撮った証明写真を1枚使って、郵送で個人番号カードの申請を行った次第である。ちなみに、申請そのものは、デジカメで撮った写真を使ってWebでもできるそうである。
そうしてしばらく待っていたら、自治体の個人番号カード事務センターからの封書が届けられた。ようやく個人番号カードが届いたかと思ったらさにあらず、入っていたのはカードではなく、個人番号カード交付通知書と呼ばれるもので、指定された窓口に本人もしくは本人の委任を受けた代理人が行ってカードの交付を受けてくださいとのことらしい。いやはや手間がかかる。
そんなわけで、指定された窓口（自治体の最寄りの出張所）に個人番号カードを取りに行く。平日の役所の開いている時間は当然こちらも仕事をしているわけなので、なかなか行く機会がないが、土曜日も9時から16時まで受け付けてくれているらしい。そんなわけで土曜日に行って見たら、個人番号カード交付のための特別にコーナーが設けられていて、自治体の職員が対応していた。
説明をちゃんと読んでいない私も迂闊だったのだが、交付通知書と身分証明書さえ持っていけばいいと思っていたら、それまで持っていたマイナンバーの通知カードも回収するため必要なのだとのこと。まあそれを持ってきていないので交付しませんということではなかったけれども、通知カードは日を改めて最寄りの出張所に行って書類とともに返納をお願いしますと言われてしまった。ああ面倒くさい。
更には、カードの受け取りに際し、署名用電子証明書暗証番号、利用者証明用電子証明書暗証番号、住民基本台帳用暗証番号、券面事項入力補助用暗証番号と4つの暗証番号を決めて登録しなければならないとのことである。最初のものは6桁以上16桁以上の英数字（英大文字1つ以上、数字1つ以上を含み、英小文字は不可）で、残りの3つは4桁の数字だが3つとも共通でいいとのこと。4桁の数字3組を使い分ける自信がないので、数字の暗証番号は3つとも共通のものにしたものの、英数字の方は大文字しか使えないというのが、いまいちセンスないなあと思ってしまう。
そうやってようやく手に入れた個人番号カードは、臓器提供意思カードも兼ねているらしい。カードとともにもらったプラスチックの専用ケースは、表面の性別と臓器提供意思に関する記載、裏面の個人番号のところが隠れる仕様になっているが、住所は読める仕様になっており、これも意味があるのかないのか疑問なしとしない。
個人番号カードの交付を終えてから、後日別の出張所へ行ってマイナンバー通知カードを返納して、ようやく一連の手続きが終わったところである。苦労、というほどのことはないにせよ、それなりの手間をかけてようやく手に入れたカードなので、せいぜい利用して便利と思う機会が増えてくれればと思う。