#377 Webページのスマホ対応

2015/12/16

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 なんだかんだで、このようなオールドファッションなWebページを作り始めて、かれこれ17年以上もたっている。このページにせよ、私が属している劇団のWebページにせよ、20世紀からずっと作っているという点では、かなり昔から作っている部類に入るのだろう。

 私が作っているページは、作り始めた頃からあまりスタイルを変えていない。単にスタイルを変えるのが面倒だということもあるけれども、結局のところ、見てくれる人にとってはなるべく奇をてらわずにシンプルなデザインにした方がいいと思っているのが一番の理由である。

 なので、スタイルを変える必要がないから変えていないのであるが、それでも世の中の流行に従って、大幅なリニューアルや移植をしようかと思ったことが3回ある。

 一つ目はi-modeに代表される携帯電話向けサイトの興隆である。みんなが持ち歩く携帯電話でネットに接続しメールのやりとりもできるようになったというのが画期的だったが、当然ながら当時の携帯電話はディスプレイの大きさも解像度もパソコンほどはなく、帯域も小さいため、i-mode専用サイトというものがあちこちできていた時期である。

 パソコンよりも携帯電話の方が利用者数が多いのであれば、そういった人向けのページを別に作った方がいいのかとも考えたが、結局のところ二重管理となるのが面倒だったのでやらなかった。考えてみれば、私の作っているページは文字中心で、画像も帯域に負担をかけないよう極力小さくしているという意味では、そのままでもi-mode等の携帯電話で十分閲覧できたのである。そのうちにスマホの時代が来て、i-mode専用サイトというのも殊更にもてはやされなくなったのであるが。

 二つ目はblogの興隆で、実際現在でも、ページビューを基準にした順位づけをしているGoogleなどの検索サイトだと、blogの方が検索の上位に来たりしている。HTMLなどを知らなくてもそれなりに見栄えのよいページができてしまうし、検索やトラックバックなどの機能もあって双方向的だし、いっそのことコンテンツを全部blog仕様にしようかなどとも考えたこともあった。ただ、blogはあくまで「ログ」の記録には向いているが、様々なコンテンツ間を自由にリンクで繋いだり構造化したりということがやりづらいような気がしたので、結局blog化もしなかった。

 三つ目が現在で、所謂スマホサイトの興隆である。状況としては一つ目のi-modeの興隆と似ており、要するに現在は利用者の多いスマートフォンの小さい画面で見やすいサイトがもてはやされているので、そちらへの対応を迫られているというものである。実際、前にも書いたが、スマホからの検索数がPCからのそれを上回るようになったGoogleでは、検索結果にも「スマホ対応」なる文字を入れ、検索順位を上位に上げるということをしているようである。

 i-modeの時と違うのは、スマートフォンの場合、画面は小さくても解像度はパソコン並みにあるので、そのままパソコン向けのサイトを閲覧することはできても、文字や画像が小さくなりすぎるので、見づらく使いづらいものになってしまうということである。i-modeの時には横着して「兼用」ということができても、スマホの場合はそのままではそうもいかないということがある。

 さりとてスマホ向けサイトのために情報を減らしたりレイアウトを整えたものを作ったりするのはこれまた二重管理になるので、なるべく楽をしてPC用のサイトをスマホでも見ることができるようにしたい。私がいろいろ調べた結果、

という2点をPC用に作ったページに加えるだけで、スマホなどの小型デバイスでも、文字や画像が見やすい大きさに揃い「スマホ対応」したことになることがわかった。実際にそのような変更を施して、スマホを使って自分の作ったページをGoogleで検索すると、ちゃんと「スマホ対応」と謳われている。もちろん、画面幅に応じてコンテンツの幅や位置が可変となる「リキッドレイアウト」を基本としている。

 目下のところは、昔パソコン用に見栄えを意識してテーブルを使ってレイアウトした一部ページを、CSSを使ってなるべくデバイスや画面の大きさに依存しないリキッドレイアウトに変更するということをぼつぼつとやっている。なんだかんだ言って、そうやって自分の手でいろいろといじりまわせる自由度の高い「手書き」のHTMLを使ったWebページ作りそのものが楽しかったりするのである。


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