#267 マレーシア紀行雑感

2006/12/27

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 そんなわけで、マレーシア国に出張に行ってきた。

 何しろ久しぶりの海外だったので「ほほうこれがIC入りパスポートか、硬いな」とか「成田ではもう空港利用税を払わなくてよくなったのか(→航空券の代金に含まれているんだよ)」とか「エコノミークラスでも個人用テレビがあるのか。便利便利」と言いつつ行きの飛行機で本も読まずにオンデマンドで映画を3本も見てしまったとか、しょっぱなから全くもっておのぼりさんである。

 かつて、お隣のインドネシアに2回ほど出張に行ったこともあるが、その時も11月・12月と、日本では冬の時期であった。この時期に常夏の国に行くのは衣服の取り扱いが悩ましい。成田空港に着くまでの間は寒いから冬物を着ていくことになるが、こういう嵩張る衣服は旅行先では単なる荷物にしかならない。成田でコートを預かってくれるサービスもあるが、ある程度お金もかかるし、帰りが早朝到着便だと、受け取りに時間がかかることもある。

 そんなわけで、なるべく嵩張らないカーディガンなどインナー的な服を着て、上は夏物のスーツを着て行ったのだが、実のところ、スーツは冬物でもよかった。と言うのも、マレーシアでは外が暑い分、建物や車の中では親の敵のように冷房を効かせるのであった。ある機関を訪れた際など、建物の冷房があまりにも効きすぎていて、建物から野外に出たところ、急な温度変化のために上司のデジタルカメラが内部結露してしまったほどである。石油資源には不自由しない国なのかも知れないが、もう少し省エネルギーに気を遣ってもいいんじゃなかろうか。

 それはそれとして、マレーシア滞在中の大部分は、首都クアラルンプールにほど近い、ペタリンジャヤという都市のホテルに宿泊していた。今回は滞在中にいろいろ報告書を作る必要があることから、ノートパソコンを持参した。事前にホテルの情報を調べたところ、全館で無線LANが利用可能ということだったので、急遽USB接続の無線LANアダプタを買って持って行った次第。

 ホテルの無線LANサービスを利用するには、いくらかの利用料を払ってアカウントを買う。具体的には、値段に応じた分だけ利用可能なアカウントのIDとパスワードが書かれたカードを購入する。無線LANアダプタを挿してアクセスポイントとの接続が確認されたあとでブラウザを開くと、ログイン画面が表示されるので、購入したIDとパスワードを入れてログインし、インターネットに接続するという仕組みである。なかなかこのあたり複雑なのであるが、わからなかったりうまくいかなかったりした時は、ホテルのサービスセンターに聞けば丁寧にレクチャーしてくれる(もちろん英語だが)。

 利用料は最も安いもので2時間で40リンギット(約1300円)、100リンギット(約3300円)支払えば24時間利用可能になるが、結構いい値段だし、基本的には日本とのメールのやりとりくらいなので、一番安い2時間コースにした。毎日朝と晩にログインして、Webでメールのチェックをしてから一旦ログアウト、返事を書いてからまたログインして送信してまたログアウトする。ちょっと前の従量制のインターネット接続みたいで落ち着かないが、利用できないよりははるかに便利である。日本にいる妻に国際電話をかけるかわりに、メールをやりとりして、子供の様子などを知らせてもらう。

 マレーシアは多民族国家なので、料理のバリエーションもなかなかのものである。マレー料理、インド料理、和洋中となんでもござれで、しかもどれもうまい。ついつい食べ過ぎてしまう上に、移動は主として車なので、運動しない分どんどん肥えてしまう。ホテルにはプールやフィットネスセンターなどもあったのだが、毎日結構忙しくて、利用する暇があまりなかった。

 地方もいくらか見て回る機会があり、日本でもリゾート地として有名なペナン島やランカウイ島にも一日ずつ滞在することができた。やはり何かと忙しくて、ビーチやプールで泳ぐことができたのはトータル20分ほどであったが、美しいビーチと青い空を堪能することができて満足満足。

 次回は是非仕事抜きで訪れたい、そんな気にさせてくれる国であった。


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