#260 ささやかに楽しむW杯再び

2006/06/12

<前目次次>


 やってきました2006FIFAワールドカップ[TM]ドイツ大会(以下W杯)、と言うほど待ちに待ったという感じでは無いのだが、前回同様、直前になって世間に煽られると、どれどれどんな具合だろうということで、今回もまた俄かに興味を持ちつつ注目しているところである。

 とは言え、前回は地元開催ということで、試合も午後から夜にかけてという、比較的リアルタイムで見やすい時間帯に試合をしてくれていたのだけれども、今回は日本と時差が7時間ある遠い異国ドイツでの開催。もちろん現地では15時・18時・21時という見やすい時間に試合が開始するのだが、日本時間ではそれぞれ22時・1時・4時という時刻になってしまう。辛うじて日本時間22時開始の試合はリアルタイムで見ることができても、その後までつきあうとなると寝る時間がなくなってしまう。予選第3試合からは早い試合でも日本時間23時開始、決勝トーナメントからは日本時間0時の開始になるので、夜更かしして見るには更に辛くなる。

 まして、早寝早起きを躾けている2歳の幼児を抱えた家庭では、帰宅もそこそこに20時には暗くして家族揃って床に入る。子供が寝付いてから再び起きて風呂に入ってテレビでも見るつもりが、子供より先に寝てしまうことも多く(こういう状態を「子供に寝かしつけられる」と言う)、気がつけば朝になっていてびっくり、ということも何度もある。

 それでもなんとか子供を寝かしつけることに成功したり、うっかり寝入ってしまっても運よく深夜に目が覚めた時など、いそいそとパソコンの電源を入れて、試合経過をチェックしていたりする。やはり情報が早くて盛りだくさんなのは、本家W杯公式ページ。大会日程や試合結果、出場国や選手審判のプロフィール、過去の大会の情報など、情報が盛り沢山で、やはり見ていて飽きない。

 加えて各試合の途中経過については、マッチキャストという、Flashを使ったページが作られ、選手の動きが逐一テキストで流れるのはもちろん、試合の時系列にシュートやゴールの時刻が表示されたり、チャットが楽しめたりと、前回に比べてより細かい情報を手にすることができる。また、リアルタイムではないが、試合のハイライト映像は後ほど動画でも配信されている。

 また、今や検索のみならず様々な分野で幅を利かせているGoogleも、W杯期間中は独自コンテンツを作っていたりする。「FIFA」「worldcup」「サッカー」「W杯」などのキーワードを入れて検索すると、直前の試合の結果と次の試合の情報がトップに出てくる。さすが芸の細かい検索サービスである。

 リアルタイムでテレビ中継をやっている試合なら、パソコンにはテレビチューナをつけているので、テレビ画面を片隅に表示させながら楽しむこともできる。子供が寝ているから居間のテレビで見ることはせず、音声もイヤホンでひそかに聞いている。つまり、相変わらずその程度で細々と楽しむという緩いスタンスである。何がなんでも生で大画面で中継を見るぞとか、ハイビジョンで全試合録画するのだという意気込みは無いので、世間が煽るように、衛星放送を契約したり、薄型大画面テレビや大容量HDDレコーダを買う、というようなことにはならない。まことにもって、国内消費拡大に貢献しない男である。

 もちろん、普通に健康に睡眠を取って生活していても、朝7時になれば前日の試合はすべて結果が出ており、朝のニュースなどでダイジェストをやってくれたりするので、ほおっておいても情報は入ってくる。前回の地元開催の時は15時ぐらいからの試合だと、仕事や他の用事があって試合の経過が気になってやきもきして、こそこそWebをチェックしたりメールで結果を知らせてくれるサービスを使ったりするというような感じであったが、今回は、試合をしているのは日本時間で夜中なので、たまたま起きていてリアルタイムで見ているか、健全に寝ているかのどちらかであり、いずれにせよ朝には結果だけは入ってくる。こうしてみると、私のような、そこそこの興味でもって見ている人間にとっては、ヨーロッパ開催というのも悪くないなと思う。

 ともあれ、日本国民の期待を一身に背負いながら、遠い異国で頑張る日本代表の活躍を、心より祈念する次第である。


<前目次次>