#199 ささやかに楽しむW杯

2002/06/11

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 5月31日に、2002FIFAワールドカップ[TM]KoreaJapan(以下W杯)が始まった。初のアジアでの大会、初の2ヵ国共催ということで、何かと注目されていた大会ではあるが、開会式が韓国だったことや、日本の初試合が6月4日と比較的遅かったこともあって、日本での盛り上がりはいささか遅かった感がある。

 私もこれまでは、サッカーに対しては特別関心を持っている方ではなかったのだが、世界中が注目しているという意味ではオリンピック以上と言われる大会が自国で行われているというのに、無関心なままでいるのも何だかもったいない気がして、俄かに興味を持ちつつ注目している次第である。

 衛星放送が発達した昨今では、遠隔地で行われている試合も当然のように生放送で見ることができる。競技場で生で見る迫力や雰囲気には遠く及ばないだろうが、テレビならではのアップの映像や様々な角度からの映像は、試合の状況をかなり詳細に伝えてくれる。ただし地上波では全試合を網羅すると言うわけにはいかないようで、日本ではSkyPerfecTVがのみがオフィシャルブロードキャストとして全試合を放映している。もっとも、俄ファンの私は衛星放送の設備を揃えて全試合を見たり録画したりするというまでの根性も時間も経済的余裕もない。

 テレビ以外の方法で、試合経過や結果を早く安く知るには、やはり今ではインターネットが最も便利である。というわけで、お勧めなのはやはりW杯の公式ページ。大会日程や試合結果、出場国や選手・審判の情報に至るまで、この大会に関する情報が分かりやすく、また早く伝えられている。各試合の途中経過なども、文字ベースながら、誰がシュートしたとかファウルを取られたとか、そういった情報が試合経過とともに逐次文字で伝えられているので、見ていて飽きない。もちろん文字だけの情報では試合の迫力などまではなかなか伝わらないが、試合全体の流れやデータを一覧できるのは、文字情報の強みである。

 出先でインターネットにつなげられない時も、テレビやラジオの放送があるときは、携帯ラジオで試合経過をチェックする。放送がなくても、例えばi-modeのスポニチサッカーのトップページなどで現在の試合のスコアは知ることができる。また、インフォシークのメールマガジンに登録すると、その日行われた試合の結果を終了30分後くらいの早さで知らせてくれる。一度興味を持ちはじめると、そして便利な道具がいろいろ手元にあると、リアルタイムで情報を知らないと気がすまなくなってしまい、最近は毎日午後15時過ぎになりどこかで試合が始まると、気がそぞろになるという、困った状況である。

 ここで今更ながら大会の進み方について。出場する32ヵ国は、4ヵ国ずつA〜Hまでの8つのグループに分けられ、6月14日まで、各チーム3試合づつの総当りの計48試合のリーグ戦が行われる。予選リーグの試合は延長なしの前後半90分で行われ、勝てば3点、負ければ0点、引き分ければ1点の勝点が各チームに与えられる。各グループで3試合の勝点の合計が多い上位2チームが決勝トーナメントに進出できる。6月15日以降は予選リーグを勝ち上がった16チームによるトーナメント戦が行われ、6月30日の決勝まで、3位決定戦を含む16試合が行われる。6月10日現在、予選リーグ48試合のうち32試合が終わり、各チームとも2試合ずつを消化したことになる。すでに2チームが決勝トーナメント進出を決めた一方、5チームの予選敗退が確定している。11日から14日までは、各チームとも生き残りをかけた予選リーグ最終試合が4試合づつ行われ、ますます目が離せない。

 で、日本代表はご存知の通り、ベルギー戦で引き分けて初の勝点を挙げ、次いで9日のロシア戦で初勝利を挙げ、2試合を終えた時点でHグループの首位に立っている。盛り上がるのがいまいち遅かった日本国民も日本代表の好成績を受けて俄かに盛り上がりを増してきた。共催国の韓国も2試合を終えた時点でDグループ首位に立っており、両国揃っての決勝トーナメント進出の可能性も大いに残されている。

 日本代表の活躍は悦ばしいニュースには違いないが、一方で大会運営に関する問題も浮上している。特に大量のチケットが直前になって売れ残っていることが発覚し、多くの試合で空席が出たり、追加販売の際にインターネットへのアクセスが集中したり、電話予約を始めたら1分間に200万件の通話が集中して携帯電話が繋がりにくくなったりなど、社会問題にまでなったりしている。ちなみに話によると、チケットの追加受付を行ったサイトが繋がりにくかったのは、サーバにMicrosoftのIISを使っていたからということで、ここでも同社製品の能力の低さが浮き彫りにされた形となっている。

 必ずしもすべてが順風万帆で動いているわけではない今回の大会ではあるが、折角世界中の人が注目している大会なのだから、ささやかでも興味を持ってそれぞれの方法で楽しみたいものである。


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