#256 職場PCの更新(その2)

2006/03/19

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 ところで、いまどきWindowsパソコンを買えば、たいていWindowsXPである。よく考えてみれば、WindowsXP機を使うのは初めてであった。

 WindowsXPはスタートメニューの構成もそれまでのシリーズと大きく変わっている。窓枠なども、Macを中途半端にまねしたようななんだかふわふわした感じのものになっている。これについては、画面のプロパティからからデザインを選び、「クラシックスタートメニュー」というのを選ぶと、慣れ親しんだWindows2000以前のデザインにして使うことができる。

 NT系列になってあまりシステムリソースなどを気にする必要はなくなったとはいえ、メニューがフェイドインしたりするような画面効果はなんだかかったるいしCPUパワーを無駄遣いしているみたいで嫌いなので、こうした効果は、同じく「画面のプロパティ」−「デザイン」−「効果...」で、すべてOFFにしてしまう。背景も黒。壁紙には以前紹介した「日本をゲットだぜ!」で、ひまわりの赤外画像を表示させている。

 その他設定を変えるところと言えば、コントロールパネルやプリンタの内容は展開して、スタートメニューから辿れるようにしたり、Ctrl+Alt+英字キーで、よく使うアプリケーションのショートカットキーを登録したり、各種リムーバブルディスクへのバックアップを取るためのバッチファイルを作ったり、時計やカレンダーなどのデスクトップアクセサリをスタートアップに登録したり、あれこれいじっているうちに、だいぶ使いやすいものになってきた。おそらく他の人が見たら、WindowsXPには見えないデスクトップであるが、性能のいいCPUに相応しいきびきびした動作で使いやすくなった。

 XPになったためか、インターネット関係でのセキュリティはデフォルトではかなり厳しいものになったようだ。デフォルトではActiveXはNGになっているし、場合によってはファイルのダウンロードなどもうまくいかないことがある。それはそれでセキュリティ的には正しい方向なのかも知れないけれど、もともと便利だという理由でセキュリティが脆弱な技術をあれこれ作っておいて、やっぱり危ないからということで、あとからそれらを使えなくしてしまうというのは、あぶない梯子をかけてユーザーを屋根の上にあがらせてから、やっぱり危ないからと梯子をはずしてしまうようなものではないだろうか。

 そんなこんなで、とりあえず新しいPCもなんとか動きだしたのだが、作業はこれで終わりではなく、インストール並みに面倒なのが、古いPCの処分である。特にもとのPCが支店に払い下げ対象になる場合は、それまで使っていたデータを消去したあとで、出荷時の設定に戻さなくてはならない。PCの内容を出荷時の状態に戻すリカバリーCDはあるものの、Windowsなどはすでに相当な数のパッチが当てられているので、これらをすべて当てて最新の状態にしないといけない。この作業がまた手間で、パッチを当てては再起動といった動作を何度もやる必要がある。

 払い下げされず処分されるPCも、データの漏洩が心配なので、痕跡を残さないようにHDDの内容を消去しておいた方がいい。Windowsの場合、ゴミ箱に入れるだけではもちろん、ゴミ箱を空にしてもそのファイルの存在の痕跡を完全に消したことにはならない。これについては、フロッピーでブートしHDDの内容をランダムデータで上書きして消去するツールで消してしまった。

 そしてこれまた大変なのが、1000台の新しいPCが入っていた箱や緩衝材などの物理的なゴミの量である。毎日毎日半端でない量のゴミが出てきて、それを階下のゴミ置き場にとりあえず持っていく。処分するのも一苦労である。

 こうして自分や周囲のPCが更新されたのだが、なんとなく以前に比べて、部屋の温度が上がった気がする。3.8GHzのCPUが何台もブンブンと動いているために、実は相当の熱がPCから排出されているのではないだろうか。今は春先だからいいけど、これが夏になったらどうなることだろうと今から心配である。


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