#245 カセットテープからMP3へ

2005/05/08

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 MP3プレーヤを更新したときに、カセットテープに録りためた音楽をMP3化したいという要求もあって、ダイレクトエンコーディングの可能なMP3プレーヤを選択したのだが、実際にはMP3プレーヤで直接エンコードすると、音がひずんだり音質がいまいちだったりして、ちょっと期待はずれだったことは前回話した。そこで、パソコンを使ってカセットテープ音源のMP3化を試みることにした。

 最近のWindowsパソコンであれば、裏側のどこかにミニジャックの口がいくつかあるはずである。3つ以上ついている場合は、Line入力端子(色分けされている場合は水色の場合が多い)があると思われるので、それと、音源の方の出力端子(Line出力もしくはPhone出力)を、ミニジャックケーブルで繋ぐだけで、録音準備は完了である。なお、Mic端子でもできないことはないが、Line端子とは入力レベルが違うので、抵抗入りのケーブルが必要になる場合がある。

 録音の前に、録音のレベルの調整をやっておく必要がある。録音レベルの調整は、右下のタスクトレイにあるボリュームコントロールをいじる。実は、ボリュームコントロールの初期画面で出てくるのは再生レベルであり、録音レベルの調整は別にある。録音レベルの調整は、オプション−プロパティを選択し、音量の調整で「録音」を選択し、Line Inのつまみで調整する。出力させる再生機器の端子がPhoneであれば、再生の音量を調整してもよい。

 さて、録音させるソフトが必要になるわけだが、一応Windowsにも標準でサウンドレコーダがあることはある。ただしこちらは1分までしか記録ができないため、音楽の録音には不向きである。録音ソフトとしては、このあとの編集でも効果を発揮するものとして、SoundEngineがお勧めである。SoundEngineで録音を開始してから、再生機器のスタートを押して、再生が終わるまでとりあえずほおっておく。ちゃんと再生できていれば、右側のレベルメータが上下しているはずである。最大でも0db以下になるように、再生・録音レベルを調節する。

 再生が終わったら録音を停止すると、記録された音楽が波形として表示される。ドラッグして選択して不要部分を削除し、とりあえず全体をWAVで保存する。CD1枚分であればCDの容量と同じくらいファイルができる。以後の作業の関係もあるので、十分に空き容量のあるディスクに保存する。

 いよいよ実際の編集作業である。アナログでの録音なので、多少なりとも無音部分にノイズが入ることが多い。これについては。あるレベル以下になった場合に高音部を抑える音質−ノイズサプレッサという機能を使うと、ノイズが目立たなくなる。

 録音された音源が複数の曲を含む場合は、曲ごとに分割して保存しておきたい。波形を適宜拡大して、分割すべきところにマークをつけてから、マークで分割保存を選択。適当な名前をつければ、それをベースに連番のファイル名で保存してくれる。

 曲ごとに分割して保存したら、曲ごとの編集に入る。まず曲の前と後ろの余計な無音部分を削除する。編集−無音ー両端無音削除を選べば、曲と前と後ろについて、必要な長さの無音部分を除き前後の無音部分を削除してくれる。

 ここからがSoundEngineの真骨頂。録音した音楽のレベルをそろえるのに便利なのが、音量−オートマキシマイズである。これは、ピークの音量にあわせてレベルを調整するのではなく、平均のレベルを調整することで音楽全体の音量を調整するものである。一応元の音の変質を伴うのであるが、たいていの場合は音質を損なうことなくメリハリの効いた音量にしてくれる。

 なお、私の場合は、このオートマキシマイズの前に、やや曇った音をクリアにする音質−ブースターを使うこともある。このほか、SoundEngineには音質を調整する豊富なフィルタがあるので、その気になれば全く違う音を作り出すことも可能である。これだけの機能を備えたソフトがフリーなのは大変ありがたい。

 WAVをMP3に変換する方法は、次回に。


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