2002/12/14
パソコンの故障であれこれ部品を交換し、ようやく落ち着いて動くようになってきたので、物欲もある程度充たされ、当分もう買い物はいいやと思っていたのだが、近所のパソコンショップの広告を見ていたら、特売品の中にブロードバンドルータがあることが目に入った。
我が家では、私と妻がそれぞれデスクトップパソコンを所有している。私の方は独身時代から高速回線に馴れてしまっているため、東京へ来た折に速攻でADSL接続の使用を開始して現在に至るのだが、妻の方は独身時代からずっと電話回線で接続している。実際、妻のネット利用頻度はメールのチェックとたまにWebで調べものをする程度なので、プロバイダの時間決めのコースでも充分な程度である。しかしながら、接続するときには当然電話を使うので、妻がネット接続中の時は電話線がふさがるわけだし、当然電話代もかかる。市内なので大した金額ではないが、毎月のことなので積もればなかなか馬鹿にならない。
ブロードバンドルータ（以下ルータ）は、それ自身が外部のネットワークに接続するとともに、それに繋がる内部のネットワークとのデータのやりとりを適切に処理する役割を担う。そのため、外から見たら１台のコンピュータが接続しているように見えるが、内部では複数のコンピュータが接続し同時にネットワークを使用することができる。従ってルータを使えば、私のパソコンだけでなく妻のパソコンもADSL経由でネットに接続できるので、電話線接続による余分な出費を抑えることができるとともに、妻も高速回線の恩恵に浴することができる。
一度の出費で通信費削減と通信環境の改善が図れるのであれば、ルータなど安い買い物であろう、ということで、とある日曜日にほいほいと買いに出かけた次第である。
安売りされていたルータは、PCiのBRL-04FWという機種。さすが安いだけあって、スループットが6.6Mbpsといまいちではあるのだが、現在の8MbpsのADSLの環境で最大スループットが5Mbpsくらいなので、今すぐ光通信とかいうことでもない限り、限界性能で問題になることはないと思われる。
問題はケーブルである。私の部屋と妻の部屋は、玄関を隔てて別々に存在し、パソコンはともに部屋の入り口から離れたところにある。この間を延々ケーブルで結ばなくてはならない。ルータを玄関に置けば距離は短縮できそうだがさすがにそういうわけにもいかないので、ルータは私のパソコンの脇に置くことにして、そこからまた延々ケーブルを這わせることをしなければならない。フラットなイーサネットケーブルを別途購入して、部屋の柱や壁に沿ってケーブルを這わせる。余裕を持って15mのものを買ったつもりが、這わせてみたらぎりぎりの距離であった。無線LANにすればそんな手間から解放されるという意見もあるだろうが、どうせお互いデスクトップなので部屋のあちこちに動かすこともないため、無線にするメリットと投資額を考えたら、手間は一度きりだし、多少面倒でもケーブルを這わせた方が安上がりだ。
そんなわけでどうにかケーブル敷設を終了。ネットワークボードはなぜか妻のパソコンにも刺さっている（昔ADSLの調子が悪かった時に、ボードの不具合を疑って買い足していたのであった）ので、あとはケーブルを繋いで必要な設定を行うだけ。設定はWebページのフォームを使って行うようになっている。最初のうちはなぜかうまく繋がらなかったのだが、ルータやパソコンの再起動を繰り返すうち、今までと同様にADSLを経由してネットワークに繋がるようになった。更に妻のパソコンも、同時にADSL接続できるようになった。以前自分のパソコンが故障したときに妻のパソコンでADSL接続をしたことがあるが、その時よりもWebページなどの表示が早い気がする。恐らくCPUパワーが不足しがちなパソコンの場合は、必要なデータ処理の一部をルータが担うことで、ルータなしで直接接続する場合に比べると負荷が軽くなる結果、表示が早くなるのかも知れない。
ルータには、簡易ながらファイウォール機能もあるため、特定のポート以外による外部アクセスを防ぐことができ、セキュリティの上でも若干貢献している。繋がってしまえば存在を意識することもあまりないルータであるが、良いことずくめで、いい買い物だったと言える。
ただ、折角なので２台のパソコンでデータのやりとり（ファイルの共有）などができないかといろいろやってみたのだが、こちらの方はなぜかまだうまくいっていない。繋げようとしているのがWindows2000とWindows95なので、セキュリティ管理の違いなどもあってうまくいかないのかも知れないが、相手のパソコンのアイコンまではどうにか見えたものの、なぜかフォルダやファイルにアクセスしようとすると見つからないと言われてしまう状況である。これが実現できれば、デジカメの画像をやりとりしたりできるなど、もっと便利になるのだけどなあ。