#175 電脳で麻雀

2001/07/22

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 最近新しく買ったパソコンには、Windows標準のゲームはもちろんのこと、おまけのゲームとして「AI将棋」「AI囲碁」「AI麻雀」というのがついてきている。通常なら相手の必要なこれらのゲームの相手を、コンピュータがやってくれることで、一人で遊べるようになっているわけである。

 このうち将棋と囲碁は、完全に実力勝負のゲームであるため、本当に強い人間が相手になったら、コンピュータは全く相手にならないくらい弱いものなのだろう。実際これらのゲームを適性にアルゴリズム化し、人間に勝てるようにするのは、コンピュータサイエンスの重要なテーマであり、将棋や囲碁に比べるとルールがまだ比較的単純なチェスについては、最近ようやく人間のチャンピオンと渡り合えるようになったみたいだが、将棋や囲碁についてはまだ人間のチャンピオンに勝てるプログラムは現われていないようだ。

 だが私の場合、将棋と囲碁に関しては、そもそもルールを知っているという程度なのでこんなパソコンのおまけにくっついてきているコンピュータゲームにすら勝てないというていたらくである。従って「AI将棋」「AI囲碁」は全くやらない。

 一方で麻雀というのは、自分以外に3人の相手が必要な上に、運のあるなしが勝敗をかなり左右するゲームである。最近では社会全体的に人づきあいが希薄になってきたせいか、サラリーマンが会社帰りに麻雀をするなんてことも減ってきたらしいが、そういう時代でも相手の心配をせずいつでも麻雀を楽しむことができる。しかも私のように実力がなくても、運がよければそこそこ勝負になる。

 というわけで、上に挙げた3つのゲームの中で、私がもっぱらやっているのは「AI麻雀」である。ちょっと息抜き、という乗りで、ちょっと半荘といった具合。

 コンピュータ相手だと、ほとんど間を置かずに牌を切ってくる。消費している時間の大半は人間である私の待ち時間である。人間相手だと早く切らないと文句を言われることもあるが、コンピュータならそんなことも言わない。トータルとして早いペースで進むので、半荘1回15分くらいで終わってしまう。

 ポンやチーの可能性があればちゃんと教えてくれるし、こっちが意思表示をするまで待っていてくれる。アガリの時も同様なので、アガリ忘れがないのも助かる。点数計算おまかせなので楽である。

 特に設定はいじっていないが、細かいルールもいろいろ設定できるらしい。調べてみるとデフォルトでは、持ち25000の30000返し(トップ賞20000)、ウマ10・20、西入なし、箱われ終了なし、全局親ノー聴輪荘、ラス親あがり止めあり、二翻しばりなし、先付あり、喰いタンあり、平和ツモあり、四家リーチ四カン四風子連打流れ、九種九牌倒牌あり、ダブロン頭ハネ、三家和流局、リーチ後暗カンあり、裏ドラカンドラカン裏あり、カンドラ即のり、さいころ一度振り、一発あり、二盃口3翻、混老頭2翻、七対子2翻50符、流し満貫あり、人和倍満貫、数え役満あり、発なし緑一色あり、役満はオール4倍満、ダブル役満なし、となっている。こうしてみると、ローカルルールというのは結構あるものだ。こういうところ、人間相手の場合はあらかじめ決めておかないとトラブルのもとになりかねない。

 フリー半荘ではそれぞれクセのある相手12人の中から3人を選んで対局することができる。12人はすべて、上野大地だの駒込翼だの大塚健太だの、山手線の駅名を名字に持つ相手だったりする。というわけで私も「渋谷悟」と名乗り、相手を変えながら対局している。

 で、肝腎の成績の方はというと、ちょうど100戦して、今のところは13人中トップの成績(平均+9.8)である。トップが39戦、ラスが23戦、1120局中流局が100局、あがったのが259局、振込んだのが179局、あがった役で多いのが順に翻牌、平和、タンヤオといったところ。こんな成績まで細かく記録してくれるのもパソコンならではである。

 なお、相手はすべて男なので、負けた相手が服を脱いだりするとかいうことはない。脱いでもらっても困るし。


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