#160 また引っ越しだ

2001/03/24

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 そんな次第で、またも引っ越しである。前回の引っ越しは、結婚して広い部屋に移るためのものだったので、職場の引っ越しは伴わず、近距離の移動であったし、当時はまだ独身で荷物も少なかったから比較的楽だったのであるが、今度は職場も移るとともに、家財道具も箪笥や大型冷蔵庫などが増えたため、家の引っ越しも大変である。

 新しい部屋が決まったとともに、まずは引っ越し業者を決めなくてはならない。ご多分に漏れず年度末の移動であるから、もたもたしているとすぐに業者は予約でいっぱいになってしまう。

 最近は大手の引っ越し業者はWebでも見積の依頼ができるらしいので、早速2社ほどWebで見積依頼をしたのだが、これが間違い。返事のメールは自動的にすぐ来るものの、折り返し来ると言った電話がぜんぜんかかってこない。やはり相手の声を直接聞ける電話で見積の予約を入れなくてはだめだと思い直し、中小の業者に立て続けに連絡し、2日間で3社に見積をもらって、早々に業者を決めた。ちなみに、最初に予約を入れた大手2社にもこっちから電話を入れてみると、1社はすでに予約がいっぱいという返事で、もう1社は我々が業者を決めてから3日後に見積に来るという悠長さであった。こっちだってせっぱ詰っているのだから、もっと早く連絡を寄越してほしいもんだ。

 続いて電気ガス水道などライフライン関係の連絡。特に電話は各種手続きのために早速にも新しい電話番号が必要になるし、もたもたしていると開通が遅れてしばらく電話が使えなくなるので、まず最初に連絡する。ガスも開栓に立ち合いが必要になるので、日程が決ったら早目に押える必要がある。携帯電話に関しては逆に、住民票を移してからでないと手続きできないそうだ。

 銀行や電話会社も、新しいライフサイクルに合わせて、解約できるところは解約する。都内に移るなら長距離電話もあまりかけなくなるため、電話会社は2社解約することにした。ただそのうち1社は、こっちが名前と電話番号を告げたら、向こうの端末がトラブルを起こしたらしく、折り返し連絡を寄越すと言っておきながら、未だにかかってこない。大丈夫かいな。

 家の荷造りも引っ越しの2週間前くらいからぼちぼちと始める。荷造りのこつは、必要なものと不要なものを細かく選別しようとしないこと。ふと懐かしい本など見つけてしまったら最後、作業を放り出して読み耽けってしまい、気がつけば全然片付いていない、なんてことはありがちな失敗である。どれが必要でどれが不要かなどあまり気にせず、出る時はともかく詰込んで、不要なものは新居でゆっくり選別し廃棄すればいい。

 家の方は妻もいることだし、順調に荷造りが進むのだが、職場の荷造りは自分一人でやらざるを得ない。7年もいた職場なので、気がつけば資料だの雑誌だのが山ほど溜まっている。しかも今度の職場は自分の机以外に物を置けるスペースがほとんどないとのこと。従って家の引っ越しとは逆に、写真や自分の作った資料などのオリジナルのもの以外は、心を鬼にして片っ端から捨てて行く。覚悟を決めれば物を捨てるのはそれはそれで気持ちがよい。結果、職場の荷物は段ボール2箱にすべて納めることができた。

 物理的なものはそれでもまだ片付いていく様子が目に見えてわかるからいいのだが、あちこちのパソコンやワークステーションに散逸したデータのバックアップは、どのくらいあるのか見当がつかない。なにしろあちこちに散逸しているから、気がつけばどこに何があるのか本人も把握していない。まあどこにあるかわからなくなったようなものははじめからないと一緒だから不要なものだと看做してもいいのだが。

 長年使ってきた職場のメールアドレスも近々廃止されるであろう。職場のアドレスで登録しているメーリングリストに一つ一つ連絡してアドレスの変更もしくは削除を依頼する。そして最後に職場のアドレスに届くメールを職場以外の環境から参照できるように転送の経路を変更してやる。こういった作業もなんだかんだいって時間と手間がかかる。

 そんなこんなであと3日で家の引っ越しである。そんな時に未だにパソコン立上げてこんなもの書いてる私も物好きだなあと思うけど。


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