#128 郵便番号検索ページ

2000/08/02

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 唐突ではあるが、標記のようなものを作ろうと思い立った。しかもi-modeなどの携帯電話端末に対応したものを、である。

 郵便番号が7桁化されてもう2年半が過ぎた。始めのうちは、7桁もある番号なんて面倒臭いなあなどと思いつつも、なんだかんだ言って馴染んできてしまい、今やほとんどの個人や企業が郵便物にちゃんと7桁の郵便番号を書いているようである。とは言え、見知らぬ住所に郵便物を出したい場合、住所から郵便番号を引くのは面倒臭い作業であることに変わりないし、だいたいあの分厚い郵便番号帳がいつも身近にあるとは限らない。ということで、i-modeなどの携帯電話端末から郵便番号を引けるようなページがあれば、便利に使ってもらえるのではないだろうか、などと思い「郵便番号検索ページ」を作ってみようと思った次第である。

 元になる郵便番号データは、YOU NETという郵政省のページからダウンロードすることができる。全国版をダウンロードしこれを展開すると、市区町村コードや都道府県市区町村字名と、5桁・7桁の郵便番号などがずらりと列挙されたCSVファイルができる。ちなみに大きさは11Mbyte以上あり、全部で12万件余りの全国の郵便番号が記述されている。

 当初の計画では、地方、都道府県、市区町村、字町別にそれぞれページを作り、上から順にしぼりこんでいくことで目的の住所の郵便番号に到達できるような、ディレクトリ型のページを考えていた。しかし、例えば市区町村別にページを分けようとしても一筋縄ではいかない。なぜなら、中に含まれている字町の数がまるでばらばらなのである。

 例えば小さい島などでは、島一円が一つの字町、つまり一つの郵便番号しか持たないことが珍しくない。その一方、京都市・岐阜市・富山市など、市区内に100以上の字町を持つところも多くある。一つの字町しかない村に一つのページを当てるのは不経済だし、逆に字町の多い市区などの場合は、一つのページの大きさが非常に大きくなってしまう。

 ちなみにi-modeの場合、一つのページの大きさは2kbyteに限られている。この分量では、字町の多い市などの場合は簡単にその制限を越えてしまう。またよしんば制限内の大きさであっても、ずらずらと並んだ字町名から目的のものを見つけるために何度もスクロールするのも使い勝手が悪い。そこで、携帯電話端末の1画面に納まる程度毎にタグをつけ、上の階層のページからは、そのタグにジャンプできるようなリンク構造にした。上の階層のページでは、字町名のタグを五十音順に並べ、読みの並びで最も近い名前のタグを指定すれば、目的の字町の近くにジャンプできる。

 また高層ビルの場合は階層ごとに郵便番号がつけられているものも多いのだが、それらをいちいち列挙するのも冗長である。このような高層ビルの場合は、郵便番号の下2桁が階層を表し、地階・階層不明の場合は下2桁が90になるという規則がある。よってそのように注釈をつけて表示を圧縮することにした。また、オリジナルの郵便番号データでは、あまりにも記述の長い字名などは、フィールド長の制限からか、複数行に分けて書かれている例がある。例えば、

京都市上京区北町(上の下立売通天神道西入上る、上の下立売通御前西入、上
の下立売通御前西入上る、上の下立売通御前西入2丁目、上の下立売通御前西入
2筋目、下長者町通御前西入、天神道上の下立売上る、天神道仁和寺街道下る、
天神道下立売上る、天神道妙心寺道上る、天神道妙心寺道上る西入、仁和寺街
道天神道西入下る、仁和寺街道天神道東入下る、御前通上の下立売上る、御前通
上の下立売上る西入、御前通下立売上る、御前通下長者町上る西入、御前通仁
和寺街道下る西入、御前通妙心寺道上る西入、御前通西裏上の下立売上る、御前
通西裏下立売上る)

 などという具合であるが、これらもちゃんと接続した。ちなみに既存の郵便番号検索ページの多くは、これらの処理を施していないものがほとんどである。

 このようにして、郵便番号データを上から順にスキャンしながら、2kbyte以内のHTMLファイルに分割しつつ、ディレクトリ型のページを構成するPerlのスクリプトを3日がかりで完成させた。こういったスクリプトを一度作ってしまえば、あとはデータを流すだけで、ものの数分で自動的にページが構成される。元データが更新されても作り直しは非常に楽である。

 こうして、総ページ数約3300に及ぶ携帯電話端末用の郵便番号検索サイトが完成した。使い方は、トップページから順に、地方→都道府県→市区町村インデクス→市区町村→字町名インデクス→字町/郵便番号というように辿って目的の郵便番号を検索する。日本全国どこの住所でも5回以内のジャンプで検索することが可能である。地方と都道府県まではテンキーによるダイレクトアクセスが可能である。一方、市区町村以下のページは前後のページをリンクさせてあり、7,9のキーで前後のページに移動できる他、0でHomeに戻るようになっている。すべてのページは2kbyteを越えないので、分量オーバーでアクセスできないページはないはずである。もちろんパソコンなどからも閲覧可能である。

 使ってみての感想やバグなど報告いただけたら幸いである。(後記:現在は、類似のサイトがいくらでもあるので、公開を中止しました。)


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