#129 続々・困ったメールたち

2000/08/09

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 かなり前に同様のタイトルで2度程コメントを書いたことがあるが、今回またまた困ったメールの話を取り上げる。過去2回はまだしも知っている相手からのメールであるが、今回は身に憶えの無い人達からのメールの話である。

 Webページを開いている人の多くは、ページに対する意見や問合せを受付ける目的で、メールアドレスを公開しているのではないかと思う。ご多分に漏れず私もそうである。しかしWebページは何処の誰に見られているものかわからない。中にはこれらのアドレスを収集して無差別にメールを送りつけてくる不逞の輩も少なからずいるのが事実である。

 ちなみにこういった不特定多数に無差別に送りつけられるメールのことを「スパムメール」などと呼ぶ。もともと「スパム」というものはアメリカのとある会社が作る加熱食肉の缶詰のことなのだが、なぜこのようなメールがスパムと呼ばれるのかと言うことについては、70年代のイギリスのコメディ「モンティ・パイソン」の寸劇の中で出てきたフレーズに端を発するというものと、南カリフォルニア大のコンピュータ研究所で、迷惑なメールと加工食肉缶詰の品質に類似点があると言われたことからついたという説が有力である。

 それはともかく、私の所にも時々スパムメールが流れてくる。最初のうちはひどく驚いたりもしたが、今では珍しいことでもなくなったので「ああ、またね」みたいな感じで読み流している。私もたいして多く受け取るわけではないが、今まで受け取ったことのあるスパムメールを、いくつかのパターンに分けて紹介する。

 最もよくあるのが所謂エロ情報である。「すごくHなサイト」とか「極秘入手ビデオ販売」とかいうものをメールでご丁寧に案内してくれるものである。恐らく相手が男かどうかなど確認しないで流しているものであろう。しかしまあ、こういったエロ情報が現在のインターネットの爆発的な普及を支える一要因に挙げられるのも事実であり、引っ掛かる者がいるからこそ後を断たないのであろう。おそるべしエロ情報である。

 エロ関係でなくとも、通信販売の類いはいろいろある。商品もびわとかローラーシューズとかテレビ電話とか家具とかアクセサリとかブランド物のバッグとか様々ある。どれもこれも要らないものばかりだし、要るものだとしてもそんな胡散臭いところから買う気はしない。中には「メールアドレス30万件売ります」などという、それ自身スパムメールを助長するような不届きなものもあったりする。ちなみに30万件で75,000円だそうだ。高いんだか安いんだか。

 自分のWebページを無差別に宣伝したりするものもある。安易なアクセス向上が狙いなのだろう。試しにいくつか覗いてみたこともあったが、得てしてページの中身はどうしようもなくつまらないにも拘らず、作者の独善的な臭いがぷんぷんとして、ほとんど良い印象を持ったことがない。こんな宣伝は決していい印象を与えないので、かえって逆効果なのではないかと思われるのだが。

 滅多にもらうことはないが、所謂幸福の手紙・不幸の手紙パターンのものもある。この内容を何日以内に何人に送ると幸福になる、あるいは送らないと不幸になる、といった類いの手紙の電子メール版だ。通常の手紙だったら書くのが面倒でも、メールの場合は転送機能を使えば簡単に送ることが可能だ。簡単だからって送っていいと言うものではないが。ちなみにメール版の場合は期限が48時間以内だとか、極めて短い場合が多い。もしこの調子で本当に皆が送っていたら、ものの1ヵ月で日本中のネットワークはそのメールで溢れてしまうことになる。受け取ったものは是非自分の意志で止めてもらいたい。もっとも最近の「ラブレターワーム」のように、本人の意志を介さずに自動的に不特定多数に複製を送りつけるメールもあるから油断ならない。Outlookをお使いの方はご注意を。

 ネズミ講メールも未だにやってくる。先日もあまりにも典型的なものがやってきた。5人の口座に2000円ずつ送ればあなたの所にも200万円が、だそうだ。「在宅でできる仕事」「テレビでも取り上げられた」「合法」「ルールを守らなくては恨まれる」といった、典型的な惹句が散りばめられており、思わず笑ってしまった。自分が200万円得るためには、誰かが199万円払わなければならないわけで、そんなにうまくいくはずがないことからもネズミ講が破綻することは明らかなのに、引っ掛かる人がまだいるのだろうか。

 ちなみに昔はこの種のスパムメールは即削除していたのだが、最近では面白いので一応取っておくことにしている。そしてこんな機会に俎上に上げて楽しんでいたりするのである。


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