#095 年賀状作りはお手軽に

1999/12/14

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 そもそも年賀状というものは、毎年毎年その時期がきても、面倒臭がってなかなか取り掛からずに、暮れも押し詰まって尻に火がついてから大慌てで書くものであると相場が決まっているもののようである。少なくとも私の周囲で、年賀状を書くのが楽しみで楽しみで仕方が無くて、毎年年賀状の発売日に一番に郵便局に並んで年賀状を購入し、11月中には早々に年賀状を書きあげて、年賀状の受付開始と同時に一番に郵便局に投函すると言うような、殊勝な心掛けの人間はいない。

 まあそれは極端だとしても、なぜ年賀状を書くのは面倒なことなのかと言えば、当たり前のことであるが、かなり高範囲の知人に挨拶を書くと言う作業そのものが非常に膨大な労力を費やすということに他ならない。もっと分かりやすく言えば、賀詞や自分の住所などという、似たようなものを何枚も何枚も書くと言う作業が苦痛な単純作業に陥りがちであるということである。ただでさえ何かと気ぜわしい年末には、ついついこういう単純な作業は後回しにされがちなわけである。

 年賀状の作成でもう一つ頭を痛めるのは、いかに個性的な年賀状を作るかということである。綺麗な絵だとかそういうもので勝負しようとしても、最近はいくらでも気の利いたデザインの年賀状が当たり前のように出回っているので、生半可なものではかえって没個性的な年賀状になって、受け取った人の印象に残らない恐れがある。なるべくならそういう方面からではなく、自分の近況を書いたり近影を添えたりした方がお手軽かつ個性的な年賀状になる。

 ところで前にも長々と書いた通り、私は今年ようやくインクジェットカラープリンタを購入した。そしてつい先日、結婚し転居した報告の葉書をこのプリンタで作成した。親族が撮影してくれた結婚式のスナップの一つをスキャナで取り込み、画像処理ソフトでカラーバランスの補正や若干の効果を加え、最後にレイアウトソフトで写真と文字を配置して、印刷しただけのものである。アイデアは数日間いろいろ考えていたが、具体的にデザインに費やしたのはわずか2〜3時間である。そして印刷そのものは1枚あたり1分程度。プリンタは30枚連続印刷が可能なので、葉書をセットして一度印刷命令を出せばあとは勝手にやってくれる。音は静かだし、都合120枚程印刷したが紙づまりなどの失敗は1枚もなかった。改めてH社のプリンタの性能の良さに感心した。

 これにすっかり気を良くして、年賀状の方も当然ながらパソコンとプリンタを使って作った。近影を使うという常套手段を踏襲し、やはり結婚式の時の別のスナップを使って、賀詞を添えてデザイン。2バージョン作って合計120枚印刷した。やはり紙づまりなどの失敗作は1枚も出ない。また、挨拶状の時からずっと同じインクを使っているが未だにインク切れにならずに使い続けている。ランニングコストも非常に良いようである。

 宛て名書きももちろんパソコンでやってしまう。自分の住所はもちろん、宛て名の方も住所録を用意すれば、プリンタが自動的に印刷してくれる。字だってもちろん私が書くよりはるかに綺麗だし、書き間違いの心配もない。私は住所録は適当なCSVファイルを作って管理しているのであるが、殆どの宛て名書きソフトはCSVファイルを読み込み可能にしている。CSVファイルから氏名、連名、郵便番号、住所などを抽出してコンバート。できた住所録で、住所の切れ目などをチェックしてから印刷。こちらの方はモノクロの印刷なので、裏面の5分の1くらいの時間で終わってしまう。実に楽である。

 郵政省によると、年賀状は12月15日から受付を開始し、12月24日くらいまでに出してもらいたいとのことである。また年賀状は、通常は作業の簡素化のため消印は押印されないのであるが、今年は2000年記念ということで、早目に出した年賀状には2000年1月1日の消印を押印するサービスを行うとのことである。ということは、年賀状を早目に出したマメな人か、あるいはぎりぎりに出したややルーズな人なのかが一目瞭然になってしまうということである。ということで、例年も元旦に届くように出してはいるが、今年は更に早目に出して、その消印付きの年賀状をお届けできるようにしたいものである。


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