#069 HDDを買っちゃった(後編)

1999/06/22

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 前回のあらすじ。いよいよ容量の少なくなったHDDを新しいものに更新するべく、IDEのHDD(8.4Gbyte)を買ったのはいいものの、結局うまく認識してくれなかったので、買った早々に他の人に売って手放してしまった、という話。

 売買価格差という、わずかばかりの授業料を支払ってのち、今度はSCSIのHDDを購入することにした。IDEよりも割高であるが、接続そのものは簡単であるから、今度こそ繋がらないということはあるまい。学会の最終日に新宿のヨドバ○カメラやソ○マップなどを回って安そうなものを物色する。4.3Gbyte(19,800円)のものと8.3Gbyte(25,800円)のものと、どちらを買うか迷ったが、差額が6000円くらいなら、折角だから多い方を買ってしまおうという、ニラの法則(#043参照)に負けて、8.3Gbyteの方を購入した。

 今度こそ大丈夫と思って、自宅に戻ってから早速箱を開けて意気揚々と接続を試みる。外付けだからパソコンの筺体を開く必要もないし、今度は楽勝、と思ったら、なぜかケーブルがうまく繋がらない。不思議に思ってよく見たら、コネクタの規格が違っていた。すなわち、購入したドライブについていたSCSIケーブルはD-sub50pinのもので、一方私のPCに接続してあるインターフェイスボードのコネクタはアンフェノールハーフピッチ50pinのものだったのである。外見は変わらないのでてっきり同じであろうと思い込んでいたのが失敗だった。

 仕方がないので翌日に変換ケーブルを入手し、仕切り直し。SCSIの方はSCSI-IDが重複しないように設定すれば、大抵の場合きちんと認識はしてくれる。ケーブルを今度こそしっかり繋いで電源を入れると、今度は何事もなくOSが立ち上がった。DOS窓からFDISKを起動すると、ちゃんと新しいHDDを認識してくれているので、これを使って領域確保を行い、次いでフォーマットをする。このWindowsマシンは、95の初期のバージョンなので、ファイル管理にはまだFAT16を使用しており、1ドライブの大きさは最大2047Mbyteしか取れない。ということで、素直に4分割して、そのうち1つ目をシステム用、2つ目をデータ用に割り当てた。残りの2つはフォーマットはしておくものの、将来のための拡張用である。

 もともとのドライブに入っていたシステムやデータを含めた環境をそっくりそのまま新しいドライブに移行するには、どうやら「あらかじめシステムを転送しておき、そのあと隠し属性ファイルも含めた一切合財を、\windows\win386.swpを除いて、まるごとコピーする」するだけでいいらしい。システムの転送はsysコマンドを使い、ファイルのコピーには、エクスプローラで「すべてのファイルを表示」としておいてから、やおらドラッグ&ドロップでコピーしてもよいし、あるいはDOSプロンプトで「xcopy a:\ b:\ /c/e/f/h/i/k/r/s/y」と山の様なオプションをつけてコピーしてもよい。

 後者の方法で古いドライブのファイル群を新しいHDDのドライブにコピーしてやり、今度はもともと使っていたIDEのHDDを切り離して起動する。そうすると何の問題もなくもとの環境そのままにOSが起動してくれた。その他のソフトやデータも元の通り。意外なほど楽に移行は完了してしまった。以前の環境がそのまま移行されているので、一度インストールしたソフトを再びインストールする手間も省けて嬉しい。切り離した元のIDEのHDDは、普段は使用せずにシステムから切り離し、そのままバックアップ用として保存しておくことにした。何しろ今度は8.3Gbyteであるから、810Mbyteくらいあってもなくてもどうということはない。広い環境になった途端に鷹揚なものである。

 圧縮ドライブなどというみみっちい技も、もう使う必要がないので、新しいドライブに展開。それでも全体の使用量は1Gbyte以下であり(もともと810Mbyteだったのだから当然だが)、まだまだ海の様に広い空き容量が残っている。しかも残り2つのドライブは未使用のままだ。前も書いたことだが、一体何を入れておこうか。

 ともかく当分は空き容量を心配する必要がなくなったから、ソフトのインストールも何も考えずに「標準」インストールで大丈夫。テンプレートもフォントもたっぷり入れて構わない。しばらくはゆとりをもって使えそうである。しかし「冷蔵庫と本棚とHDDは、スペースが有れば有るだけモノが埋まってゆく」という格言があるように(本当か?)油断しているとまた一杯になる時がくるのかも知れない。


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