#054 溢れる単3乾電池

1999/03/26

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 今私の部屋には、使用済みの単3乾電池が大量に溢れている

 どうしてこういうことになったのかと言うと、昨年(1998年)3月に携帯端末(HP200LX)を、5月にデジカメを買ったのであるが、この両者が単3乾電池をしこたま消費するのである。

 まずHP200LXの方は、単3乾電池を2つ必要とする。このHP200LXには、内部電池の電圧を計測し、使用時間とともにグラフにプロットしてくれる便利なフリーソフトがあるので、私もそれを使っているのだが、それによると、アルカリ電池の場合でも8〜12時間ほどで電圧が低くなったと言う警告が出る。特に通信などを行うと、大電流に弱いアルカリ電池はすぐに消耗してしまう。通常使っていればそれでも2週間くらいはもつのだが、使用頻度が多いと1週間程度で使いきってしまう。と言うことは、平均すると月に6個くらいは使用済みの乾電池が出てしまうのである。

 デジカメの方はもっと激しい。もともと買ったのがすでに型落ちしかけていた35万画素の第一世代と呼ばれる種類のデジカメで、スマートメディアも5V対応のものということなので、電池の消費が非常に早い。特にフラッシュ撮影を頻繁に行うと、大電流を取り出すために非常に消耗が早くなり、わずか1日で一度に4個の使用済み単3乾電池を生産してしまう。

 どちらも電子機器であるから、ほんのわずか電圧が落ちただけでももうこれらの用には使えなくなってしまう。しかし実際には、それほど電圧は下がっていないので、他の用途でなら充分使えるような、中途半端に使った乾電池が出てきてしまうのである。

 こんな具合に大量に一次電池(アルカリ乾電池などの、いわゆる充電できない使いきりタイプの電池)を消費していては、財布にも環境にもよろしくないので、程なくして両者とも充電池と充電器を購入した。どちらも一次電池に比べればそれなりに高額なので、一次電池を使い続ける場合とコストの差がどれだけ出るのかが疑問であるが、家庭の電気を充電して使い回す分には、少なくともゴミの問題は解決できる。

 と言うわけで今問題なのは、それまでに発生した中途半端に使った一次電池をどう使い切るかである。最近テスターを手に入れたので、これを使ってこれらの使用済み電池の電圧を端から調べていったのだが、これらの電池の電圧も結構まちまちで、本当に電圧が下がりきってしまった電池もあれば、まだ充分他の用途に使えるほど電圧が残っている電池もある。そのうち「電圧別」に分類して、整理棚か何かに入れて整理せねばなるまい。概して、4つ同時に使うデジカメに使っていた単3乾電池は、まだHP200LXでも充分使えるくらい電圧を残しているようである。そのため、これらについてはHP200LXの充電池の電圧が落ちた時のバックアップ用として携帯するようにしている。

 他に単3乾電池を使えるものとしてはMDプレーヤー、掛時計、目覚まし時計、携帯用シェーバー、懐中電灯、ヘッドランプなどがある。しかしMDプレーヤーについては、専用の充電池と充電器があるので、それらが手元にないときの予備用くらいにしか使わない。目覚まし時計あたりに中途半端な電池を使うと、いつ止まって目を覚まし損なうかわからないので、あまりそのようにはしたくない。というわけで、最終的には懐中電灯やヘッドランプなどの電灯類に使うことが多い。電圧が落ちてくれば暗くなるので本当に寿命がきたことが一目瞭然でわかるし、電灯の役にも立たなくなった乾電池は、いよいよ他に使い道がないので、心おきなくゴミとして処分できる。

 ところで先日、昨年火山観測の際にお世話になったカムチャッカの火山研究所の人が私の職場に1週間ほど滞在していた。帰りに子供にお土産を買いたいということで、秋葉原の免税店でラジコン自動車のおもちゃを買っていった。この手の機械も電池を大量に消耗しそうである。実はロシアは乾電池類がやたらと高く、私も昨年充電器を壊した際に、高い乾電池を買わされた記憶がある。秋葉原あたりならアルカリ電池が安く売っているので、ついでに予備用にいくらか買って持って行くことを勧めた。できれば私の家に大量に余っている単3乾電池をあげることができればよかったのだが、さすがに余りに多いと荷物になるか。

 ロシアへ渡ったあのラジコン自動車、今でもちゃんと動いているかなあ。


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