#014 携帯電話データベース補完計画

1998/09/05

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 先日携帯電話を更新した話をしたが、あの時に買おうかどうかと言っていた携帯電話のメモリ編集ソフトを、結局買ってしまった

 新しい携帯電話では、それまでの電話番号とカナによる名前(読み)の他に、漢字による名前を入れることができる。古い携帯電話からデータを転送した状態では、漢字による名前の領域にも、読みと同じくカナで名前が入っているので、これらを漢字に直す作業があるのだが、なにしろ240件もあるデータをあの小さい携帯電話でキー入力で修正するのは膨大な作業量になりそうだと、20件くらい修正したところで悟った。

 携帯電話のメモリ編集ソフトとは、これら携帯電話に記録されたデータをパソコンに取り込み、パソコン上で編集して再び携帯電話に書込むことの出来るソフトである。このソフトによって、単にメモリ内容をパソコン上で容易に編集できるだけでなく、不慮の事故に備えてのデータのバックアップや、それまでの住所録との照合、更に平成11年に予定されている携帯電話の番号の11桁化や大阪市内局番の変更にも容易に対応できるということで、結局は必要になるだろうということで購入したのであった。

 パソコンへのデータ転送は、専用のシリアルケーブルを使う。私の新しい携帯電話は高速通信にも対応しているようで、ものの数分ですべてのデータをパソコンに吸い出すことが出来る。パソコン上でそのリストを見ると、よくまあここまでちまちまと入力したものだと我ながら感心してしまう。240件ということは2400桁くらいの数字が記録されているわけで、これはやっぱりちょっとしたデータベースである。

 さて、これらのデータをパソコン上で編集する。幸い編集ソフトの扱うファイルは理解しやすいテキスト形式で扱われているので、別のエディタやツールで簡単に編集できる。テキストであるというのはデータを扱う上で非常に重要なことであると考えているのだが、それはまた別の機会に話をする(そればっかり)。

 まず、カナで記録されている漢字名領域をちゃんと漢字に直す。しかし、いくらパソコンで編集できると言っても、240件も手作業で入力しなおすのはやはり大変だ。そこで、別にパソコンで記録してあるテキスト形式の住所録から、名前の読みと漢字名を抽出し、それらからPerlによる一括変換のスクリプトをちょこちょこと書いて、カナ名(読み)を一気に漢字名に変換する(Perlの話もそのうちに)。

 住所録に登録されていない名前はいくつかカナのまま残るが、これらは、まず「カナ」を「かな」に直して(これもPerlのスクリプトを作って一気にやる)、DOSの時代のワープロ「松」を立上げる。こいつは、画面上の未変換の「かな」の部分にカーソルを合わせて「変換」を押すと、漢字に再変換する機能を持っているので、あらためて読みを入力することなく容易に漢字変換することが出来る。幸い、普段使っている日本語FEP「松茸」も、知人の名前などはすでに学習されているので、ほとんど一発で正確に変換してくれる。

 最後に、自作のテキスト照合ツールで住所録のデータと編集した携帯電話のメモリデータを照合する。これにより、携帯電話の方に誤って入力されていた電話番号なども発見し訂正することができる。今後は住所録のデータと携帯電話のデータをお互いリンクさせて、常に双方に新しいデータを記録しておくことができる。こういうデータの一元管理こそが、パソコンを使うことの最大の利点であると思うのだが、その話もそのうちに(本当か)。

 照合のついでに、それまで携帯電話の方に入力されていなかったデータも住所録から新たに追加し、最後に携帯電話のメモリに書込み直す。おかげで携帯電話に登録されたデータは一気に340件にもなった(そんなに実際に使う機会があるのかどうかは別の話だが)。

 実際私の携帯電話は、この豊富なデータベースにより、実際に電話をかけるよりも、電話番号の検索ツールとして使われる方が多かったりするのだ。あとは主に受信と連絡程度の送信のみ。だって携帯電話ってまだまだ通話料が高いんだもの。


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