#022 ネットワーク依存症

1998/09/28

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 Webというものは、中にはこのページのように何の役にも立たないものもたくさんあるが、上手に使うと非常に便利なものである。新聞各社は毎日のニュースをリアルタイムでWebPage上でも提供しているし、テレビ番組表などもリアルタイムで手に入るので、もはや私は紙の新聞は取っていない。また分からない言葉などは、たとえ流行語や特殊な用語など広辞苑に載っていないような言葉でも、検索エンジンに単語を入れて検索すれば何かしら関連したページが出てきて意味を調べることができる。有名人でもなんでもない知人の情報も検索したら出てくる場合もある。しかも情報はリアルタイムで勝手に更新されて行く。これはもうWeb全体が巨大な万能百科事典のようなものである。その他交通情報、経済情報、天気予報、地図、航空券やホテルの予約などなど、およそ自分が日常で必要なサービスはほとんどすべて受けることが出来る。

 メールの方は使いはじめて4年くらいたっており、仕事に必要な情報や連絡はもちろん、一部ではあるがメールを使って常時連絡の出来る友人知人ももたくさんいる。それらからの連絡をいち早く受けることができるし、こちらからの返信もすぐに発信できる。

 前にも話したとおり、私は現在、仕事場でも自宅でも、専用線によりWebもメールも常時無料利用可能と言う、大変にありがたい環境にいる。そういう環境に馴れ親しんでしまうと、例えば出先などで自由にネットワークに接続できない環境にいるときに、何とも言えず落ちつかない感覚に陥ってしまうのである。

 私の場合、週末は劇団の稽古のために東京方面へ出かけることが多い。その際には、先にも話した愛用の携帯端末を持って出かける。これをISDN公衆電話や通常のモジュラ接続の電話回線に繋ぎ、職場のWSやNIFTYのアクセスポイントに接続してしてメールの読み書きをする。これが現在、私が屋外で利用可能なネットワーク環境である。これらにしても、電話回線を使って接続するのだから、接続している間はお金がかかるわけで、そう頻繁に繋いでいるわけにもなかなかいかない。

 もっとも大抵の場合、週末にメールをチェックしたってすぐに見なくてはならないメールなど入っていないことが普通である。相手だって休日なわけだし、相手も大抵メールが使えない環境にいるのだから当然である。そもそもメールなどというのは相手がすぐに見てくれなくても支障のない連絡に使うべきであり、そんなによっぽど急な用事ならば電話でもかかってくるはずである。

 たまたま平日であるにもかかわらず、私が出張などで不在の場合には、相手は私がいるものだと思ってメールをよこす場合もあるので、その際には先の携帯端末の本領発揮である。接続できる電話がない場合でも、携帯電話と携帯電話用のカードモデムを取りだしアクセスすることも可能である。回線使用料が結構高いから、あんまり頻繁にはやりたくない技ではあるが。

 ところで私は来週からロシア国カムチャッカへ出張に行く。3週間ほどの滞在であり、その間はさすがに日本のネットワークに接続することは出来ない。そればかりか、期間中何日か滞在することになる山小屋には、電話やFAXはおろか、電気も発電機を使い一日数時間しか使えないと言う超僻地である。熊が出るから熊よけスプレーを携帯して出歩くという大変ワイルドな土地である。そんな土地にいてはネットワークもへったくれもあったもんじゃない。せいぜい無事に帰ってこれることを願うことの方が大事である。まあネットワーク社会にすっかり浸かってしまったこの私の頭をリフレッシュするにはいい体験かも知れない。

 というわけでネットワークが使えなくなってしまうわけであるので、この連載もしばらくの間更新をストップすることになる。まあこのところ結構なハイペースで更新してきたので、ここらで小休止としてもいいかも知れない。再開は私が無事帰国すれば10月半ば過ぎの予定である。それまでごきげんよう。電脳未開の地へ行くので帰ってきても電脳の新ネタはあまりないかも知れぬが。


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