#020 電気食いの犯人は誰だ

1998/09/23

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 今年の夏、電気料金の請求書を見ると、なぜだかえらく電気代が高くなっていることに気がついた。

 一人暮らし故、それまではそれほど電気代はかかっていなかった。筑波で一人暮らしを始めてからのこの4年間の平均の電気代は一月あたり1912円。概して真夏と真冬に冷暖房費で電気代がかかることはあったが、それ以外は気に留めるほど高くはならなかったものである。それが今年になって、7月請求分が4154円、8月請求分は6554円、9月請求分は5048円と、昨年同時期に比べほぼ倍以上の請求である。

 電気料金は基本料だのが加わっているので、値段と電力使用量が比例しているわけではない。原油価格変動などによる電気料金の変化もあるかも知れない。そこで請求書にある電力使用量を見てみると、次のようであった。

1997年 1998年
7月分 91kWh 189kWh
8月分 129kWh 290kWh
9月分 105kWh 227kWh

 やはり確実に昨年の倍の電気を使用しているのである。どうしたことか。

 考えてみるに、今年の夏から使いはじめたものが電気製品が2つあった。除湿機とデスクトップ型のパソコン(以下PC)である。PCについては先に話したとおり、友人から一式5万円で今年7月に購入したものである。

 除湿機についても今年5月に思いきって購入した。話はそれるが、私の住む公務員宿舎の部屋は、10階建ての建物の1階にある。引っ越しの時に荷物の搬入搬出が楽なこと以外、集合住宅の1階というのはロクなことがない。夏場とて、窓からの侵入者を警戒してベランダの窓を解放しておけないし、外の雑音もよく入る。何より困るのは、自分の住む宿舎に特有なのかも知れないが、梅雨時などは湿気がすごいのである。「水取りぞうさん」などの商品名で知られる、いわゆる除湿剤という湿気を取って水にしてくれる使い捨ての容器数個では到底追い付かず、いつぞやひどい時は、革の黒いコートが黴のため緑色に変わっていたこともある。さすがにこれには懲りて、以来夏場は、これらの冬物衣類は実家に預けることにしているのだが、ともかくそのくらいひどいのである。そんなわけで、今年になってようやく除湿専用の機械を購入したのである。

 この除湿機を作動させて出勤すると、帰る頃には2リットル以上入るタンク一杯に水が溜まって、これ以上溜まらないので自動停止していたりする。部屋の中にこんなに湿気があるのか、これならば万一断水して電気だけが使えるような状態でも、こうして水を作って生き長らえることができるな、などとしょうもないことを思ってしまう。すぐ一杯になってしまいその度に水を捨てるのが手間なので、もう少しタンクの大きいものを買えばよかったかも知れない。そのため長期に不在にする時は、風呂場の脇に持って行き、ホースをつけて連続排水できるように仕込んで出かけている。洗濯機の話の時に話したあの技に類似している。もっともこちらの方は、構造上水がよそにぶちまけられることはないようであるが。

 話を戻して、どうやらこれらの機器がこの夏の電気使用量を跳ね上げているものと思われる。そこでどれだけ電気を食うのか調べてみた。それには製品の裏などに貼ってある説明書きの消費電力を参照すればいい。50Hz環境で以下の通りであった。

除湿機 180W
PC本体 55W(最大290W)
PCモニタ 85W

 新参者の機器を合計すると、320Wにもなっている。しかもこいつらは連続使用時間がすこぶる長い。消費電力で言えば電子レンジなどは940Wであるから群を抜いているが、電子レンジを8時間も連続して使うことはないからあんまり問題にはならない。ちなみにエアコンが575Wある。そのため15Aしかない私の部屋では、エアコンとPCの電気を入れたまま電子レンジを使用するとブレーカーが落ちる。PCが入ってからこれを4回ほどやった。Windowsは電源をいきなり切ってもいいようにはできていないので、その度にscandiskなどでマシンに不具合が起きていないかチェックしたりしている。アンペア数をあげればいきなりブレーカーが落ちることもないのだが、電気基本料金があがるのがいやなので、このままである。

 そういうわけで、皆さんも電気を大切に。でんこちゃんに叱られますよ。


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