#006 ページ作りはしたいけど

1998/08/10

<前目次次>


 そんなわけで、私はしばらくページ作りから離れていたのだが、私を再びページ作りに引きこむ出来ごとがここ最近身に降りかかって来た。降りかかってきたなどというと災難のような聞こえ方だが、ある意味では幸運であり、ある意味では災難への序曲なのかもしれない。

 そもそもページを作ろうとするからには、内容がなければ話にならない。まあ大多数の個人のページが行っているように、自己紹介や自分の家族や自分の趣味の紹介などをしてもいいのだが、生憎私自身は人様にお見せするようなそういうものは持ち合わせていないので、たとえば職場のページの一角にそういうスペースがあって好き勝手に作ることができるというのであればやってみるかなとも思うけど、わざわざプロバイダと契約してまで作ろうという気はしない。

 私の場合は内容は別の所にあった。私は学生時代から「不等辺さんかく劇団」という団体に属している。そしてその中で主に制作という仕事を行っている。制作の仕事というのは一言で言えば雑用的な仕事が多いのだが、その仕事の一つとして広報活動というものがある。たとえば次回公演が近づいたならば、公演の案内をダイレクトメールやらチラシやら口コミで宣伝するといった次第であるが、そういった宣伝媒体として、Webというものも無視できないものになってきた。

 Webの利点は何といっても、情報の速報性と受信者自身の選択性にある。新しい情報が入ったら、情報の送信者側はその内容を書き替えるだけでよい。一方、その情報を必要とする受信者は、選択的にそのサイトを訪れ、情報を収集して行く。企業などにとってみれば、少々の投資でWebサイトを立ち上げてさえおけば、あとはその情報を欲しがる顧客が勝手に情報を引き出してくれるというわけで、かなりコストパフォーマンスの高い宣伝効果が期待出来るのではないだろうか。もちろん、そのためにはサイト自身の存在を認知してもらうための宣伝活動も必要ではあるが。

 企業の場合はともかくとしても、たとえば劇団のような小さな団体であっても、そういう「広くお伝えしたい情報」を持ち、一方で「そのような情報を得たいと思っている人」があれば、Webでの宣伝活動というものもある程度有効に働くことが期待できそうである。だから劇団のWebPageを持つことはかなり前から検討してはいたのである。

 しかしHTMLはエディタでも書けるものとは言え、イメージ通りのソースを書くには初心者にはなかなか根性と時間がいる。もちろんエディタで書いたとしても、書いたあとにはそれが実際にブラウザなどでどのように見えるか確認する必要がある。やはり初心者が効率的にページ作成を行なうには、GUI環境でHTMLを作成・編集・表示の出来る開発環境が必要であろう。より具体的にはWindowsなりMacOSなりが動くパソコンと、その上で動くソフトが必要だと言える。もちろん劇団の紹介ページを作るのであれば、画像の一つも載せなければページとしては少しさびしい。だから画像処理ができるような周辺機器やソフトも必要になってくる。しかしその当時は私はそのいずれも持ってはいなかった。まあ職場にはご多分にもれずWindowsパソコンがあふれているから、それらを使って作ってもいいのだが、やはり自宅にパソコンがないと作成や更新にはなかなかつらいものがある。

 そんな次第で劇団のページ作りは、アイデアだけでちっとも具体化していなかったのだが、今年(1998年)の春ごろから、事情が急展開してきたのであった。(といいながら、結局何も語らず、まだこの話で引っ張っていく。)


<前目次次>