#003 ページ作り事始め

1998/08/01

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 前回で偉そうな口上は終わりにして、極めて個人的なことだが、私とWebPageとのかかわりについて書いていくことにする。

 私が初めてHTMLを使って、いわゆるページ作りを始めた最初の経験は、1995年の11月頃のことである。ちょうどそのころは、WWWが急速に普及してきた時期でもあり、特に官公庁や研究機関でも独自の紹介ページなどが出てきた頃でもあった。私の職場でもWWWを見る環境が徐々に整いつつあり、よく首相官邸のページやらホワイトハウスのページなどへ行ってみては、あたかもそこに実際に行ったつもりになって「うーんネットサーフィンってすばらしい」なんて心の中でちょっと得意気になっていたというような、他愛のない時代である。そんな頃でもあったので、総務部の方から「ウチもホームページを作るから、各部署は自分の部署のページをいついつまでに用意するように」なんてお達しが回ってきたのだ。

「用意するように」なんて言われても、今まで見る方だけで、実際にそれを書いてみたことなんか一度も無い。でもまあ、その普段面白がって見ていたものが、HTMLなる言語というか、規則によって書かれているものであるということは知っており、一通りこんなことをすれば、見出しができるとか、絵が入れられるとか、リンクを作ることができるとか程度の知識はあった。

 当時はまだHTMLエディタというものがなかったので、プレーンなテキストにしこしことタグを書き込んではHTMLソースを作り、それをブラウザで眺めては出来栄えを確認し、という極めて効率の悪い作り方をしていた。HTMLについての知識も乏しかったので、大したことはできなかったが、それでも見出しや線や画像やハイパーリンクを入れていくと、それなりにページらしく見えてくるのが、なかなか楽しかった。ちなみにその頃の記録を見てみると、自分も平気で「ホームページ作り」などと言っている。前回あれほど偉そうなことを言っておいてもこの程度である。情けない。

 そういう次第で、メンバーと、やっていることを書いただけの小さなページができあがった。言われて作ったものなのでまだその程度ではあったのだが、HTMLでソースを書くのはなかなかこれで面白いものだし、今後個人的なことなど、いろいろと内容を増やしていけたらなあと考えていた。

 ところがである。私の職場では今後そのページの管理は計算機部署が行い、更新は毎月こちらから申請して一ヶ月に一度だけ行うのだという。そして内容に関しては載せてもいいものかどうかのチェックが入り、個人のページを持つことは許してもらえなかった。

 WebPageというものは常に変化していかなければ急速にその魅力を失う。実際、一ヶ月に一回の更新というペースも決して遅いわけではないのであろうが、ページを作りはじめて一番楽しい時に一ヶ月に一回しか更新できず、しかも書きたいことが書けないということはとてもつらい。私は急速にページ作りの情熱が失せてしまった。

 そういう次第で、私の職場のサイトの、私の属する部署のページなどは、メンバーリストなど2年前から変わっていないというありさまである。わかっているなら直してやれよと自分でも思うが、その気力すら全く沸き上がらない。

 そんなわけでページ作りから長らく離れてしまった私であったが、今ではなぜか自分でページを作るようになってしまった。そのいきさつは、後の機会に


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