△ 不等辺ワークショップ第58回 (2008/05/24)


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写真  進行役を務めた林です。2ヶ月ぶりのワークショップ。初めて横浜に進出しました。会場は、元は関東財務局の建物だった「ZAIM(ザイム)」。土曜の午後の「ZAIM」はとっても賑やかです。同じ建物の別の階では、ジャンベのワークショップあり。同じ階で、インド舞踊のライブあり。美術の個展もあり。部屋ごとにアート系のさまざまな催し物があって、さまざまな人が出入りしています。なんだか大学時代の学生会館(サークル棟)のような雰囲気。大学の学園祭のようでもある。こういう環境、いいですね〜。大学の演劇サークルの部室のように、こんな部屋をアトリエとして持ちたいものです。入り浸るだろうなぁ。稽古もできるし、ワークショップもできるアトリエ。きっといつか。どこかに。

写真  ワークショップの開始はジャスト午後1時。の予定だったんですが、それより早く銀一を始めちゃいます。これはワークショップ仲間の大倉マヤさんに教わったゲーム。ゲームクリエイターの米光一成さんのブログに紹介されています。マヤさんは米光さんに教わり、米光さんは小説家の長嶋有さんに教わったものであるらしい。自分にしか思いつけない「独自性」。多くの者の心を掴む「普遍性」。この2つを兼ね備えたアイデアを競うゲームです。これは本当にアタマを使いますねー。何日か前に多摩市でワークショップがあり、そのときもこのゲームを試しています。「つらいもので『つ』」という出題のときの、「つきあい始め」という答えが私の胸に刺さりました。そうかぁ。つきあい始めかぁ。こんな具合にワークショップの開始時刻より前にゲームを始めてしまうというのがなかなか気に入りました。次回もひょっとしたらそうするかも。

写真  「ZAIM」の別館404号室は、以前は「審尋室」だったそうです(ちなみに隣の部屋は「債権者集会室」)。審尋室? それってなにをする部屋なんだ? この部屋でどんな人たちがどんな時間をすごしたんだ? いまは壁に白いペンキを塗って、かつての歴史をべったり塗りつぶしてあります。会場を観察しながら、この部屋の歴史にまで思いを馳せられたら素敵ですねー。目に見えるものだけじゃなく、目には見えないものまで。ウォーキングではいつも以上にじっくりと会場を観察しています。なにか見えてきました? 写真 目に入ったモノを指さしてその名前を言うゲーム。呼び名のはっきりしないモノは、その場で全員で呼び名を決めました(なんだっけ? 火災報知機っぽいモノの名前を「もどき」に決めたり)。些細なことだけど、こういうの大事だなぁとやりながら思いました。この日のこの場の私たちだけに通用する特別な言葉を作っちゃうこと。2001年にこのワークショップを始めた当初は、開始時刻から1時間以内にはその場だけの新しい「流行語」が生まれることを、実は目標にしていました。進行役の私はこっそり腐心していたんですよ。そんなことを思い出したなぁ。殺人鬼でお互いの名前をクン付けで呼び合う際、どなたかがクンじゃなくてキュンと言ってしまったのを拾って、お互いにキュン付けで呼び合うことにしました。「林キュン」。「田澤キュン」。ワークショップとしては、こういうのが大事なんだなー。考えてみると「さん」が「ちゃん」になるんだから、「クン」が「キュン」になったっていいわけだ。広まらないかしら。キュン。

写真 写真  アシスタントの田澤恭平くんに進行をお任せした田澤くんコーナー。前半のあのダンス的なエクササイズはおもしろいね! やりながら体温が上がった気がする。後半はすっかり田澤くんに座持ちをお任せして、私は頭のなかでぎゅるぎゅる考える。残りの1時間でなにをやるか。少しでも横浜らしい、というかせっかく「ZAIM」のこの部屋を会場として使うのだから、この会場ならではのことをしたい。本来なら予めアイデアを練っておくべきところ、特別な準備をなにもしていない。脚本読みを選んだのは、この部屋だからこそ感じる気分が演技に反映されるかなぁと期待してのことでした。グリングの「海賊」の1シーン。以前「不等辺演劇倶楽部」でよくテキストとして使っていたものです。どうだったかしら。やりながら、この部屋が美容院に見えたかしら。

写真  ご参加くださったみなさん、お疲れさまでした。ありがとうございました。ぜひまた遊びにいらしてください。田澤くん、いつもありがとう。今後もよろしくお願いします。振り返ってみると、やっぱり「ZAIM」ならではのワークショップを企画するべきだったなぁ。写真 ユニークで素敵な会場なんだし、ちょっと外に出れば中華街も近いし。おもしろい遊び方がきっとありそう。もしまた「ZAIM」を使う機会があれば、今度こそ「これぞ横浜!」というワークショップを企画します。松陰コモンズで『こめくらぶ』『まめくらぶ』をやったみたいにね。最近おかげさまで色々と仕事が増え、エネルギー配分だの気持ちの切り換えだのの必要性を痛感します。そうしないと仕事が回せない。残念なことに、以前ほどには、この「俳優を目指さない演劇ワークショップ」に全身全霊を賭けて臨めません。でもそんなんでいいんだろうか。プロフェッショナルってなんだろう。アマチュアってなんだろう。仕事をいただけることの光栄さをありがたく思いつつ、同時に損なわれていくものを最小限に留めつつ。私にやれる、なにより私ならではの、私らしいワークショップを、この場では企画し続けていきたいと思います。次回は7月6日(日曜)です。会場はいつもの八幡山。いつものように1時〜5時。いつもの「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。多くの方とお会いできることを楽しみにしています。私に会いに来てください。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 写真 いつもの八幡山を飛び出して、ぼくらは横浜ZAIMへとやってきた。
使い古された建物、汚れた部屋、ペンキ臭。寝転びたいとはおもわない床の掃除をしながら、心が荒んでいるのが分かった。しかし同時に高ぶりをも感じていた。
ZAIMの雰囲気が良いのだろう。建物そのものが持つ老練さとそこを活用している人たちの熱気が、落ちてくる雨を遮っていた。

参加者や僕らが熱気を持てたかは分からない。
雨降る中、僕らが参加してくれた人を何も考えずに晴れさせることが出来たかも分からない。
ただ、ぼくは楽しかった。
これからもぼくが楽しめるように、そして、何よりも来てくれる人が笑顔になれるようにやっていきたい。(田澤恭平)


★アンケートより

写真 写真 ○とても楽しい雰囲気で、緊張せずに参加できたのでうれしかったです。
○一番最初の連想ゲームみたいなやつが意外とむずかしく、頭を柔らかくしないとダメだなと思った。
○動き回る握手とか前のものの名前を言うゲームは、いつも使わない頭を使うのでおもしろかったです。
○宇宙人のゲームは全く犯人がわからず難しかったですが、とても楽しかったです。
○そういえば音楽がなかったので、全体的に静かな感じがしました。
○田澤さんの踊り、多分もっと人数がいればいろんなバリエーションが楽しめたのではと思うのですが…。

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