進行役を務めた林です。3月31日のワークショップをレポートします。最近レポートが長文化しているので、なるべくあっさりと書いてしまおう。会場の「あくろすホール」を利用するのは今回が初めてでした。きれいだなぁ。明るいなぁ。広いなぁ。いい部屋です。いつも以上に写真がきれいに撮れています。カメラはアシスタントの田中公子さんにすっかりお任せでした。その結果、公ちゃんの写っている写真が1枚もない…。やってしまった…。公ちゃん、申し訳ない。アシスタント、お疲れさまでした。来てくれたの、05年の12月以来でしたよね。久しぶりなのに、打ち合わせらしい打ち合わせを私はしなかった。それがいいか悪いかはさておき、私はとってもやりやすかったです。ありがとうございました。
前回もそうでしたが、今回も。始まりの挨拶をする前から、ゲームに入っちゃいます。どんどん行きましょう。輪になって1から30まで時計回りに数字をカウントする、というもの。それだけなら簡単ですよね。でもいきなり難易度が増す。3のつく数字と3の倍数。7のつく数字と7の倍数。これらは声に出さないでクラップを打つ。「1!」、「2!」、クラップ!、「4!」、「5!」、クラップ!、クラップ!、「8!」、という具合。それを30まで。さらに次の段階。いまクラップを打った代わりに、今度は各自が「自分の誕生月」を言います。例えば私は3月生まれです。私に回ってきたら「3月!」と言う。仮に私がひとりでやるなら、「1!」、「2!」、「3月!」、「4!」、「5!」、「3月!」、「3月!」、「8!」、という具合です。全員で回すので、当然「3月」以外の月が出てきます。すっごい混乱。いや、リズムを共有できれば達成できるはずなんです。でも難しかったですねー。私自身、ついて行けなかった。このゲーム、やるのは初めてでして、そういやゲームの名前も決めていないなぁ。
今回のワークショップは、大きく分けて前半は主に身体を動かすもの。後半は主に言葉を使ったコミュニケーション。これはねらっていたわけではなくて、たまたまなのですが、うまく色分けされていたなぁと思います。そうそう。あとで気づきましたが、今回は大きな声を出す機会があまりなかったですね。単純に大きな声を出すチャンス。次回はそれも意識します。
その次になにをやるかは、多数決で決めます。選択肢は3つ。『ごみ問題』『天使のウィンク』『アシスト王』のそれぞれについてゲーム内容をざっとご紹介。希望するものに手を挙げていただいた結果、『天使のウィンク』が選ばれました。得票は過半数でしたね。ちなみにこうやって、みなさんの希望を尋ねて段取りを決めたのも今回が初めてです。よく言えばメニューが柔軟。悪く言えば準備不足(?)。以前だったら入念にメニューを準備していました。事前にミーティングまでやって。当日はメニュー通りに進めるのが目標で、柔軟性はゼンゼンなかったです。私は成長したのかしら。それとも退廃したのかしら。
休憩中などのBGMは、カーペンターズの「Good by to Love」でした。いい曲でしょー? いいと思ったものはワークショップにすぐ取り入れる。3月27日から29日まで、高校演劇の春季全国大会が東京でありました。そこで耳にした曲なのです。甲府昭和高校の「靴下スケート」という作品の中で使われていました。「ああ、いい曲だなぁ!」と私は思って、曲名を教えていただいたのです。早速ワークショップで使わせていただきました。ありがとうございました。
この全国大会。私は高校演劇マニアですから、もちろん全上演作品を観ました。浜松町の四季自由劇場に通いました。とりわけ3日目の最後に上演された、青森中央高校の「最終試験場の9人」。この作品は素晴らしかったです。設定がちょっとワークショップみたいなのです。とある大学のコミュニケーション学科の推薦入試。受験した高校生たちが大学の一室に集められ、担当教授に「最終試験」を課されるんですね。それが「いまから40分間で私を感動させろ」というもの。全員で。教授を感動させたら全員合格、感動させられなかったら全員不合格です。あまりの難題。すごいなぁ。聞いただけでワクワクしませんか。高校生たちはみんな初対面です。途方に暮れるわけですよ。そこから「まずは、自己紹介とか?」みたいにコミュニケーションが始まる。そして「感動」について語り合うのです。意見はまとまらない。時間はどんどん経過してしまう。諦めそうにもなる。でも彼らは「合格したい」という思いを演劇で表現することに決めて、ぶっつけ本番で寸劇を上演するんですね。観ていて、これはたまらないですよ。感動とかコミュニケーションとかって、彼らの40分間がまさにそれだ。この作品は全編に小ネタのギャグがちりばめられ、クライマックスのシーンでは客席は爆笑の連続。感動もあいまって泣き笑いみたいな感じですね。そしてラスト。たった一言のおもしろ悲しいセリフが、まるで落語のオチのようにきれいに決まる。幕が下りてきて客席は万雷の拍手。私はすっかり感動して、ぽかーんと呆けてしまったほどです。
年度末であり学年末。もうすぐ4月を迎える3月29日にこの作品は上演されました。そのことによって、作品の魅力がさらに増したと私は思います。高校演劇の大会ですから、客席では多くの高校生がこの作品を観ている。彼らは4月から2年生になったり3年生になったり、あるいは卒業したりして、いままでとはちがうステージに進みます。不安もあるかもしれない。そういう彼らの背中をこの作品はそっと押してくれるものだと思うのです。前を向くこと。諦めないこと。踏み出すこと。自分を信じること等々。言葉にすると陳腐ですけどね。観るものの背中を押してくれる。励ましになる。少なくとも私にとってはそうでした。
そして私自身もそうありたいと思いました。今度は私がだれかの背中をそっと押す。このワークショップでね。自分にちょっと自信が持てたり、ちょっと元気が出たり、ちょっと明るい気持ちになったり。ささやかであっても参加者のみなさんの「励まし」になれたら本当にステキなことだ。アンケートの回答に「大人ってスゲーと思った」というものがありました。そういう気づきの機会を提供できただけでも進行役としての幸せを感じます。よかったよかった。青森中央高校の作品ほどの強い力は私にはないけれど、私も演劇の力で背中を押したいです。毎回ね。そうそう。今回の参加者のみなさんも、人数は「9人」でしたね。このワークショップは試験じゃないし、みなさんは受験生じゃないし、私は教授じゃないけど、でもみなさん、文句なしの「合格」でしたよ。本当に。豊かにコミュニケーションがとれていましたもの。私は感動しましたもの。
不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)
久々にワークショップに参加させていただきましたが、以前と比べて、色々な年代や
背景の方が来られていたことが面白かったです。
趣味の一つとして興味を持った、とか、劇団で公演をしている、とか。
夢の実現のためにお芝居を再開したい!と思っている方もいて、まさに、「俳優を目
指さない人のためのワークショップ」という名前がぴったりでした。
こういう集まりは他にはなかなか見ないので、これからもぜひ続けていって欲しいな
と思います。
林さん、頑張ってください。
田中公子
◇みんなの雰囲気が柔らかくて楽しかったです。
◇体が熱くなりました。
◇すぐに入り込むことができ、とてもよかった。
◇とてもリラックスして臨める雰囲気でした。
◇小心者のワタシには本当にやりやすい空気でした。ありがとうございます。
◇よかったと思います! あえていうなら4時間って短い!
◇運動するのが多かったと思います。前半。良い汗をかいた。
◇うまくできずにあわててしまうことが多かったです。後半。もっとおもしろいこと言えるのに〜と思いつつ、ダメな自分もアリだなと思いました。
◇四角を作ってペアで会話をしながら歩調を合わせるのがおもしろかったです。
◇楽しかったゲームは「天使のウィンク」。
◇「ごみ問題」は先生の説明ではあまりおもしろくなさそうと思いましたが、やったら難しくって奥が深くておどろきました!! あのゲームは感動だぁ。
◇年齢が違っても同じ人間だと思いました。
◇最後までテンションを保ってくださったので、飽きることなくできました。
◇お菓子、飲み物付きでゲームして、これは素晴らしいイベントですね。
◇休憩のタイミングとかお菓子とか音楽とか、配慮が行き届いていました。
◇毎回新しい人が来てばっかりだとなかなか次のステップに行きづらいですね。これからどんなふうになさるのかなと、いい意味で気になります。。