△ 不等辺ワークショップ第34回 (2005/12/23)


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写真  リーダーの私が言うのもナンですが、それはもうウットリするほど楽しい時間をすごせました。どうぞ写真をご覧ください。みなさん、いい顔でしょ? 私のつたない文章を読んでいただくよりも、写真を見れば一目瞭然という気がします。2005年は一年間で11回のワークショップをやりました。松陰コモンズの大広間を4回もお借りしています。東京芸術劇場のリハーサル室や北沢タウンホールにも行きました。世田谷区役所の後援も得ました。秋には名古屋でもワークショップをやりました。あちこちに出向いてさまざまな経験をした一年のさいご、ホームグラウンドの八幡山で、これほどに楽しい時間をすごせて。一年の締めくくりにふさわしい一日になりました。ご参加くださったみなさん。ありがとうございました。お疲れさまでした。2006年もどうぞよろしくお願いします。

写真  ゲームをざっと振り返ります。『ウォーキング』では、さまざまなルールを加えながら部屋を歩きます。アイ・コンタクトをとりながら、その回数をカウントする。これは初めてのルールでした。みなさんびっくりなさるだろうと思うが、あれアドリブでした。その場の思いつきで試してみた。やってみると、おもしろかったですよね。私が20カウントする間に、26カウントもした方がいた。すごいなぁ。つねに立っているのは4人だけ、という制約で立ったり座ったりするの。あれも初めてのルール。簡単なようで、むずかしいんですよね。

写真  『ウォーキング』にすべてが入っていますよね。と。参加者の方からあとで指摘を受けました。そう。まさしくその通りです。きょろきょろと目を動かして、周囲を観察することに始まり。アイ・コンタクトをとる。声をかける。全身を動かす。リスクをとる。全員でひとつの目的に向かう。自分の役割りを考える。などなど。とっても重要なことが、この『ウォーキング』には詰まっています。今後も、さらにさまざまなルールをここに織り交ぜていこうと思っています。お楽しみに。

 いつものように『ジャグリング』ではニックネームを決めます。今回は「思い入れのあるマチ」がテーマです。好きなマチをひとつ挙げて、そのマチに対する思い入れをさらっと語る。ひじょうに私好みのアイデアだ。マチの名前をその人のニックネームにします。範囲は首都圏に限定しました。行ったことのあるマチの名前が挙がれば親しみが湧くだろうし、行ったことはなくても「ああ、あの辺りね」みたいなイメージは湧きやすいかなと期待してのこと。

写真  そうして挙がったのが「成増(ナリマス)」(←私だ!)。「根津(ネヅ)」。「練馬(ネリマ)」。「六本木(ロッポンギ)」。「椎名町(シイナマチ)」。「桜新町(サクラシンマチ)」。「浜町(ハマチョウ)」。「新宿(シンジュク)」。「銀座(ギンザ)」。「鎌倉(カマクラ)」。「幕張(マクハリ)」。「高円寺(コウエンジ)」。「沼袋(ヌマブクロ)」。「仙川(センガワ)」。「八王子(ハチオウジ)」。だれでも知っている名前もあれば、地元チックな名前もある。東京は広い。首都圏は広い。いろいろなマチがあり、いろいろな思い入れがあるのだ。すべてのマチにつき、写真を1枚ずつ添えてご紹介したいところです。私はかなり都内を歩き回っているほうだけど、浜町は知りませんでした。不覚だ。「ハマチョウ」という響きがいいですね。まるで魚屋や八百屋の屋号のようだ。 

写真  ひとりのヒトがもちろんいくつものマチについてそれぞれの思い入れをもっているでしょうし。もちろんひとつのマチについて多くのヒトがそれぞれの思い入れをもっていることでしょう。それぞれの思い入れをひとつのマチに持ち寄って、そうしてマチの(複雑だったり単純だったりする)イメージができるのでしょうし。おなじことがひとりのヒトについても言えるのでしょう。多くのヒトがほんの4時間だけ集まったこのワークショップでも、そうしてひとりひとりのヒトについてそれぞれの思い入れ(とか印象とか)が持ち寄られるんだなぁ、と思うとおもしろいし、また当事者としてはなんだか怖いなぁという気もします。

写真  『ネーム・バレー』はボールを使わないバレーボール。レシーブをしたりスパイクを打ったりしながら、だれかの名前を呼びます。呼ばれた人のところへボールは飛んでいく。見えないはずのボールが、見えてくるのが不思議。これはみなさんがきちんと身体を使って、全身でバレーボールのアクションをしたからです。とってもいい。身体ごと取り組むというのは、とっても大切なことです。

 試合は予想もしなかったほどに白熱。「チーム六本木」対「チーム銀座」。スコアは5対1。点数テキには、「チーム六本木」が「チーム銀座」を圧倒しました。でも「チーム銀座」もがんばりましたね。ゲームが始まってすぐ0対4になってしまった。終始劣勢に立たされながら、それでも土壇場でよく粘りました。ここを落としたらゲームセットという局面で、なんどもサーブ権を奪い返した。1点を返したときは、審判をしながら私はぐっと来ましたよ。両者、ナイス・ゲーム、ナイス・チームでした。

 まるで中央快速のように、高円寺と新宿の間をボールが往復したり。味方に向かってスパイクを打ったアタッカーがいれば、ついには自分自身に向かってスパイクを打ってしまったアタッカーも出現。いやぁ、あれには敵も味方も手も足も出ないですよ。見どころ満載のバレーボールが終わったのが午後3時。ここまでがワークショップの前半です。

写真  後半は『ペンキ屋』にじっくり取り組む。たっぷり2時間です。なんとぜんぶで9セットもやりました。まず車座で2セット。その後ペンキを7部屋に塗る。たくさん塗りましたね〜。そんなにやったのは初めてでした。今月は「演劇倶楽部」をお休みにしてしまったので、今日のワークショップではその分「演劇倶楽部」っぽいこともやろうかなぁと。演劇っぽいことにいつも以上に踏み込みたいなぁと思っていたのでした。

写真  いちばん最後の、イーグルスの「DESPERADO」をBGMとして使った部屋で。「あ」のセリフが始まる前に、早くも「仙川」がまず身体のアクションで物語を仕掛けましたね。曲のイメージを受けてね。セリフよりもアクションが先行した。あれは素晴らしかったです。演出家としての私のモットーは、じつは「アクション重視」なのです。セリフももちろん大切ですよ。でもセリフに気をとられると、身体がおろそかになってしまうことがあります。それはできれば避けたい。この『ペンキ屋』のゲームは、ことば遊びやセリフ遊びの色合いも濃いです。そんななか「仙川」のあの仕掛けは、ひじょうに劇的(ふたつの意味で)なものだったと思います。

写真  ほかにアクションでは、壁に雲の絵を描いた「練馬」。セリフでは、ことば選びが巧みでしかも言い方がきちんと演出されていた「幕張」。おふたりには「ほっほぉー」と感心しました。もちろんみなさん、それぞれの部屋のなかで、自分の役割りを見つけていた点、とってもよかったです。やっぱり『ペンキ屋』は、これぐらいきちんとやるべきなんですね。いつもは2部屋しか塗らない。それじゃ足りないんだな。

写真  ワークショップの本編はここまでです。この後はおまけ。エクストラ・メニューだ。特別に1時間ほど延長して、『算数の鬼』『シェイプ・アップ』をやっています。最後にもういちど思いっきり身体を使う。すっきりしますよね。普段だったら最後が『シェイプ・アップ』だなんてちょっと考えにくいけど、でもこういう終わり方もいいものだな。これは発見でした。

 アシスタントは田中公子さんにお願いしています。丸一日おつきあいいただいてありがとうございました。今年1月の第24回のときもアシスタントは田中さんでした。2005年は田中さんに始まり田中さんに終わる。来年もぜひアシスタント、お願いしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

写真  最近よく思うのは「励み」とか「励まし」とかについてです。月並みだけど、それって大事だなぁ。価値があるなぁと思います。打ち上げで「好きな劇団の芝居を見ると励みになる」というような話題になりました。このことばは、というかそういう観客の存在は、その劇団の方たちにとって大きな励みになるでしょう。このレポートを書いている今は12月27日です。ありがたいことに早くも次回1月のワークショップに参加の申し込みが届いています。私にとって、これは大きな励みです。そして私の目標は、参加してくださる方々にとってたとえわずかでも励みになるような、そんなワークショップを実施することです。励みと励みのやりとり。励みのプレゼント交換。演劇はヒトとヒトとが同じ場に立ち会いますから、そんなやりとりも可能です。クリスマス・イブの前日のワークショップで、私はプレゼントをみなさんからいただきました。私からはみなさんに、なんらかのプレゼントを贈ることができたのかなぁ。そうであればと祈りつつ。またお会いできる日を楽しみに。よいお年をお迎えください。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦


写真 アシスタントを務めさせて頂きました、田中です。今回は、写真を多く撮ることが密かな目標だったのですが、結局、予定以上に沢山、ゲームに参加してしまいました。「こりゃあ傍から見ているだけなのは惜しい!」と思うくらいの、盛りあがった空気だったので…。楽しかったです! ありがとうございました。


★アンケートより

☆雰囲気&内容について

写真 ○初心者の私でもすんなりととけこめて、夢中になれて楽しかった。4時間は本当にあっという間でした。
○部屋に入るまで緊張ぎみでしたが、はじまると一気に解放された感じで、とても楽しかったです。
○とても明るい雰囲気をみんなで作っていったような気がします。
○初対面の人たちとこんなにうちとけて、なにかに取り組めるなんておどろきでした。芝居にはこんな力もあるんですね。
写真 ○すっごくみな良い雰囲気で、楽しかったです。素敵な時間をすごせました!!
○私は人前で話すのがとっても苦手で最後まで参加を躊躇していたのですが、思い切って参加してみてとってもよかったと思います。
○真剣に演劇をされている方ばかりだったら浮いてしまうかもと不安もあったのですが、すんなり入ることができて楽しくすごせました。
○「ウォーキング」が充実していました。
○「ネーム・バレー」、燃えました。
○「ネーム・バレー」は自然とチームワークができてよかったです。
○いちばん気に入ったのは「ペンキ屋」です。一体感がとても好きです。
○楽しかったゲームはやっぱり「ペンキ屋」です! いつ入ろうかというドキドキ感と、どんな話になるねん!っていうドキドキ感がとてもいい緊張でよかったです。

☆リーダーについて

写真 ○リーダー、いろんなことを知っているなぁ。
○お茶やお菓子までご用意くださり、ありがとうございました。
○注意がひきつけられる話し方で、段取りもとてもよかったです。
○リーダーが主役じゃなくてみんなが主役っていう場を作ってくれました。
○丁寧にゆっくり話してくれるのでわかりやすい。
○人がよさそうで、もっと突っ込んでもらっても全然OKでした!
○頭の回転が良い方で、鋭い指摘がとてもためになったのと、たいへん明るい雰囲気を作ってくださってありがとうございました!!
○これからもこういう活動、ぜひぜひ続けてください!
○継続は力なりですね。これからもがんばってください。応援します

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