△ 不等辺ワークショップ第24回 (2005/01/30)


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写真 写真  リーダーを務めました林成彦(はやしなるひこ)です。アシスタントは田中公子さん。田中さんは不等辺さんかく劇団の公演にもいくつか出演をお願いしていますし、このワークショップの常連さんでもあります。どうぞよろしくお願いします。というか、ありがとうございました。
 さてワークショップの様子をお伝えします。きれいに晴れた日曜日です。いまが1年でいちばん寒い時期なんだそうですが、明るく楽しくやりたいものです。受け付け時間のBGMは平原綾香の「蘇州夜曲」。私のお気に入りです。「Jupiter」も好きですけどね。

 君がみ胸に抱かれて聞くは 夢の舟歌 鳥の歌♪
 水の蘇州の花散る春を 惜しむか柳がすすり泣く♪

 平原綾香の歌声を聞いていると、私はすぅーーっと気持ちが落ち着く感じがします。参加者のみなさんはいまかなり緊張しているだろうと思います。じつはリーダーも緊張していますし、アシスタントも緊張しています。本当です。まずは「蘇州夜曲」でリラックスしましょう。このワークショップは遊びの時間です。子供たちが広場で遊ぶみたいに、日曜の午後を演劇で遊びましょう。気楽に気楽に。みたいなお話をしてワークショップをはじめます。蘇州の花は散っても、この会場にはぱぁーーっと花を咲かせましょうよ。遊びエネルギーで。


『ジャグリング』〜『バースデイ』

写真  おなじゲームをおなじルールでやっても、毎回ビミョーに中身が変わるのが不思議。どうして変わるかというと、まぁリーダーの私自身が変化するからなんでしょうね。日毎に、夜毎に。興味のありかや考え方や趣味が変わるたび、それがワークショップにも影響します。そのとき読んでいる本とかね、影響大です。今回のジャグリングとバースデイはつぎの2点をことさら強調しました。

 1.きちんと相手の目を見ること。
 2.決めてから行動すること。

写真  結果としてこれは今回のテーマになりました。ワークショップ全体を通してのテーマ。いまの私がそれを大事だと思っているってことですね。「1」はまぁわかる。演劇では大事なことです。「2」はなによ。まるで人生訓みたいだ。いったん行動したらもう迷わないこと。ビジネス書の影響だろうか。堀江貴文とかの。

写真  フードボールの呼び名はハンバーグ、たくわん、なす、のっぺい汁、はまぐり、ようかん、なます、ひしもち、いよかん、うなぎ、みかん、おしるこに決まりました。

 今回はじめて試したアイデアが、ウォーク・イン・ゼリーです。ゼリーのなかを歩く。透明のゼリーが詰まったぷるんぷるんした空間。そのなかをかきわけかきわけ歩きながらジャグリングをします。意外に体力を使う。想像力も使う。ハンバーグやたくわんが入ったゼリーってどんなんや? ようかん・イン・ゼリーはおいしそう。実際にあるのかも。
 このアイデアはフットボール・アワーの漫才がヒントになりました。Special thanks to フット!

『ごみ問題』

写真  横浜の中華街を駅に向かって歩いていましたら。私のうしろを歩いている、お母さんとちっちゃな子供の会話が聞こえてきました。子供がお母さんになぞなぞを出している。無邪気な、他愛もないなぞなぞです。「…(私には聞き取れない)…、なぁんだ?」「お財布!」「当たり! じゃあ。4本なのに7本のくだもの、なぁんだ?」「バナナ!」「当たり! じゃあ。…(聞き取れない)…」と、こんな具合です。出題している方が子供です。どこかで覚えてきたなぞなぞをお母さんに「報告」しているんでしょうね。その様子に私はホクホクした気持ちになりました。な〜ぜでしょ〜うか?

写真  …わかる? そう。当たり! この「当たり!」っていうのがうれしいですよね。子供は無邪気に「当たり!」って言っている。それがいいな。 私も子供のころなぞなぞが好きでしたから、おなじような会話をたくさんしたんだと思います。いまだってするかもしれない。いや、する。でも「当たり!」とは最近の私は言わないもの。言われもしない。もうずいぶん言ったり言われたりした覚えがない。
 相手が正解だったとき「当たり!」って素直に言えます? 私は言われたらうれしいな。きっと素直に言われると素直にうれしい。あれってホメ言葉なんだなぁ。長い間、私が忘れていたホメ言葉だ。それを今日、横浜で採集。思わぬ拾いものです。

 お母さんが「お財布!」って答えるまえ。聞き取れなかったけど、子供がどんななぞなぞを出したのかしら。気になる。財布が答えのなぞなぞを作るのってむずかしいぞ。私のパズラーの血が騒ぐ。

『ボイ・トレ』〜『テキスト・リーディング』

写真 写真  山田詠美、沢木耕太郎と来て、今回は寺山修司です。戯曲「人力飛行機ソロモン」から、造語集会をしている人たちの「言葉壊し」のセリフの部分を。ぱっと見、奇怪な日本語です。写真にいちぶ写っていますか? なにこれ、といった反応もちらほら。それももっともです。
 このテキストを句読点で区切り、例によっていろいろなルールで群読します。輪になって、たとえばプロペラの羽根のようにぐるぐる回して読む。まさに人力飛行機です。これは案外むずかしかったですね。羽根が3枚あったはずが気づくと2枚になっていたりとか。ほかに部屋を歩き回りながらの群読など。リーディングのルールは毎回変わります。乞うご期待。

『算数の鬼』

写真 写真  休憩をはさんでこれは余興。ルールは簡単。だけど説明するのがむずかしい。ペアでやる鬼ごっこなのです。どっちが鬼になるかは唐突に決まります。リーダー(私です)が簡単な算数の問題を唐突に出します。その答えが偶数か奇数か。これがコイントスの役割を果たします。逃げる側は、鬼のフードネームを5回言えたらセーフ。リーダーが算数の問題を出すまでは、全員でジャグリングをしながらスタンバイ。アタマもカラダも使いますね〜。たいへんたいへん。

 見ていておもしろかったのが、ウチのある劇団員の行動です。もうハナッから算数はあきらめている。算数の得意そうなほかの参加者の動きをじっと目で追って、その人の行動に自分を合わせる。これはかしこい。動物とか昆虫にありそうですよね。すごく弱い動物が身を守るための知恵。動物行動学。コンラート・ローレンツの「ソロモンの指環」みたいだ(寺山修司と「ソロモン」つながり!)。自然界を観察しているようでした。
 でもなぁ。かしこいとも思うけど、でもどうなのよ。「そんなの解けないもん」とかって、いい大人が逆ギレするほどの難問かなぁ。「45÷9」が。

『ペンキ屋』〜『ドミノ』

写真  今回は3部屋を塗りました。先に曲が聞こえて、そのイメージを共有しつつペンキを塗る。1曲目はおなじみ、さだまさしの「北の国から」。2曲目がメンデルスゾーンの「結婚行進曲」。3曲目はキャンディーズの「微笑がえし」でした。
写真  「あ〜あ、悩んでることがあるんだよね…」「いつから悩んでるの?」「牛のことでしょ!」ではじまる会話はとってもパワフル。ブルドーザーのように力強い滑り出しです。
 そうそう。今回は、ネガティブなことはなるべく言わない、相手のセリフになるべく乗っかる、という2点を強調したのでした。「牛でしょ!」と言われちゃったら牛なのです。曲のイメージにもとってもマッチ。3部屋ともライブ感覚にあふれた、チャーミングな部屋になりました。

 ワークショップの締めはドミノ。パタパタパタとドミノを倒していって、また起こす。これをやらないと終わった気がしないんですよね〜。前回からはじめたことだけど、すでに恒例。しきたり。今回も無事にドミノで締めました。以上。終了!

写真  ご参加ご協力くださったみなさん。ありがとうございました。お疲れさまでした。いやぁ、すごい遊びエネルギーだ。遊びエネルギッシュ。花は咲いたかな? この広い野原いっぱいに。というかこの会場いっぱいに。
写真  次回は2月27日に予定しています。3月以降も毎月月末にワークショップを企画したいと思っています。ぜひまた遊びにいらしてください。お知り合いの方をご紹介くださるのも本当にうれしいです。初めての方もぜひ。遠慮なく気兼ねなく。楽しく遊びましょう。2005年もよろしくお願いします。

 次回はいつもとは会場が異なります。お間違えのないようにお気を付けください。ちょっと毛色のちがった会場です。ワークショップの内容にも影響があるかな。ないかな。楽しみ楽しみ。気が早いですが、受け付け時間のBGMはいまから決めています。書いちゃいますね。チューリップの「サボテンの花」です。財津和夫。ドラマで「ひとつ屋根の下」ってありましたよね? その主題歌。次回の会場も、ひとつ屋根の下って感じなんですね。私が思うに。ちがうかな。ま、2月の会場にもぱぁーーっと花を咲かせましょう。ではまた!


《アンケートより》

写真 ☆「ペンキ屋」はとてもよかった。子供の学校でもやってみたいです。言葉のトレーニングになりますね。
★ありがとうございます。ぜひぜひどうぞどうぞ。子供たちがやっているペンキ屋、私も見てみたいです。

☆女性のパワーを感じました。
★感じた感じた。私も感じた。特に「ごみ問題」で感じたなぁ。

☆40〜50代の男性がやって来られる場作りが成功したらすごいことだ。
★本当だ。どうして来ないんだろうねぇ。チラシにも「歓迎します」って書いているのに。まぁ、女性より男性のほうが及び腰になるジャンルって、あるけどね。よし。私が改革しようじゃないか。


写真 今回は「子育ても一段落して、新しい世界を!」というかたや、普段はデスクワークのかたなど、いろんな背景の皆さんとご一緒できたのが、とても面白かったです。
(事前に秘密特訓をされてきたお二人!素晴らしかったです。。)
頭をからっぽにして、ただ遊ぶって、普段の生活ではなかなかないですよね。
全員が真剣に鬼ごっこを楽しんでいる姿に、とても嬉しくなりました。
そして私も、かなり楽しみました。どうも有難うございました。
最後に、当日言えませんでしたが、「ペンキ屋」での結婚話、なんだかリアルで最高でした!!(田中)

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