この冬はとても寒い日が続いていますが、その例に漏れず身に染みる寒さの大寒前日、1月19日。今年最初の不等辺ワークショップが開催されました。
今回のリーダーは不等辺ワークショップではお馴染みの林さん。アシスタントもやはりお馴染み、今回で越後さんを抜いてアシスタント回数最多となられる池田さんが務められました。
今回のレポートは初の試みということで、一般参加者として参加させていただいた私、丸岡がレポートさせていただきます。
ワークショップの雰囲気を少しでもお伝えできたらと思います。
今回より入口に掛けられることになった、ちょっと粋なのれんをくぐって会場に入ってびっくり。
今回も前回と同じメニューと聞いてはいたのですが、参加人数が前回を遙かに上回る18人!
果たしてどうなることかと半分期待、半分不安に思う中、ワークショップは幕を開けました。
ジャグリング、とは言っていますが、実際のメニューではボールをパス回しします。ボールによって投げるときに名前を言って投げる「ネームボール」。名前の頭の文字から連想された食べ物の名前を言って投げる「フードボール」。そしてアイコンタクトのみで何も言わずに投げる「サイレントボール」の3種類があります。
最初は「ネームボール」のみ。その後「フードボール」、「サイレントボール」とボールの数を増やしてゆきます。パス回しも最初は動かず立ったまま、そのうち部屋の中を歩き回りながらパスを回してゆきます。
今回は18人と大勢のため、胸に名前を貼っているので相手を確認できる「ネームボール」と「サイレントボール」はよく回るのですが、「フードボール」は顔とニックネームがどうしても全員分覚えられないせいか、とても敬遠されていました。
受け取ってしまった時には皆さん「しまった!」と渋い顔。早く渡してしまいたいのに、通りかかった相手のニックネームが思い出せず渡せないのでさらに渋い顔。
少人数ではなかなか目が合わせられない「サイレントボール」が難しいのですが、大人数になると「フードボール」が一番大変でした。
まず、「神様」を一人決めます。その人は喋れないが目を開けてみることが出来ます。ほかの人は「人間」となって目を瞑りさまよい歩き、「あなたは神様ですか?」と尋ねながら神様を捜し求めるという幸せ探しのメニュー。ワークショップではお馴染みとなったメニューの一つです。
盲目のまま彷徨い続ける「人間」は、やっていてとても不安だったりします。今回は人数が多く、ちょっと動けば人に当たるという状態。一度に3人も4人も同時に当たり、一斉に「あなたは神様ですか?」と問いかけてしまう滑稽な場面があちこちであったようです。私も「人間」だったので、見てはいないのですが…
「人間」は「神様」に触れることができると手を繋ぎ、自分も「神様」となって目を開けることができます。
「神様」の立場から見る「人間」は何とも滑稽で何とも哀れに見えるものです。もう少しで「神様」に手が届くのに、見えないが為にあらぬ方へと行ってしまいます。
2度目は「神様」が「ラスカル」になり、「人間」は「スターリング少年」に。そして「神様ですか?」は「ラスカル!?」と変えてやりました。
またちょっと雰囲気が違って、設定次第で意外と変わるものだなと思いました。
場所はお見合い会場という設定。お見合いする男女の組は向かい合って座り、お見合いをします。途中、お互いの後ろに立った天使(?)役の男女があらかじめ選んだ4枚の指示カードを出してきます。それを見たお見合い中の男女は、問答無用でその行動や言葉をやったり、言ったりしなけれなりません。時には意地悪な指示もでますが、それをいかにフォローしつつ、お見合いを続けるかというメニュー。
今回は男女の比率が男2対女1ということで、女性陣には2巡していただき、10組のお見合いを行いました。
お見合い→仲人→天使の順でそれぞれの組が行っていったのですが、お見合いも去ることながら、天使がカード選ぶ間の余興を務める仲人が強烈な個性を発揮。しかも「ここでお見合いをした組」が次の「仲人」をしているという暗黙の了解まで生まれてしまい、このメニューでは笑いが絶えませんでした。
皆さん、その見事な演技力と独特な個性(?)で素晴らしいお見合いを成功させていました。
お見合い役はいかに素早く違和感ないフォローを相手に入れられるか、天使はどのタイミングで持っているカードを使ってくるかという部分で頭をとても使うメニューでした。
壁にペンキを塗ってゆくパントマイムを行いながら、「あ」から「ん」まで50音順に会話を繋いでゆくというもの。
最初は車座になって会話繋ぎだけをやったあと、「ペンキ屋」に入るのですが、明らかに会話の質が変わってくるのがやっていてもハッキリ分かります。
今回印象に残ったのは、会話に参加していない人でもペンキ屋の演技をしていること。そのせいか、より「ペンキ屋」らしい会話になっていったように思いました。
そして今回も前回に引き続き、途中でアクシデントを起こすというイベントも設定されました。今回は「は」で蜂が入ってきました。
皆さん一斉に蜂に怯えたり振り払ったり。目は刺される、ももは刺されると大騒ぎ。
50音順の会話に加え、「たすけてー」、「大丈夫か!」などのガヤまで入って、臨場感溢れるものとなりました。
まず、「私の、世界遺産レポート」という紙が配られます。そこに自分が空想の中に「発見」した「世界遺産」の名前や細かい概要を書いてゆきます。
頭を捻ること約30分。それぞれが「発見」した「世界遺産」に向けての旅が始まります。
ツアコンは「発見」した人が担当。今回は一気に17カ所を回ります。一人あたりの時間は2分。タイムリミット10秒前になると、リーダー林さんの用意して下さった浜崎あゆみのカウントダウンコールが響き、「ハッピーニューイヤー!!」の叫びと共に次の世界遺産へ進むという嗜好です。
皆さんとても魅力的な世界遺産を発見していらっしゃいました。それぞれ説明したい位なのですが、そうなると余りに長くなるのでざっと紹介します。順不同ですが。
人の思い出を缶詰にする「思い出横丁工場」。遙か未来に昭和40年代の住宅を再現した「昭和後期復元住居」。いろいろな踊りを踊らされてしまう「踊りの殿堂」。日本のプロ野球はおろか、大リーグの公式戦まで行われているという南の島にある球場「珊瑚海球場」。ここを通過できたら幸せになれるという「神のETC」。全てが氷でできた「雪原の中の氷の城」。肌荒れ、肩こり、ストレスに効果在り、でも親父臭い「カフェオレの滝」。鬱蒼とした森の中にある真っ暗で不気味な「黒い古城」。かつて栄華を極めた文明のエネルギーの源、「おなら工場跡地」。騙される人は騙されてしまう「ホラ穴」。直径500mの大木の上にある「神様の住む家」。人の5つの感情が創り出される源、「感情の五泉」。スリル満点の洞窟、でもイベントは作り物「インディ洞窟」。見渡す限りの竹の中には三つ編み竹にかぐや姫の竹まである「竹林」。今は絶滅してしまったヤンキー最後のたまり場、「ザ・ヤンキー・スタジアム」。標高2000mの山頂に立つピラミッド型の「世界一高い場所にある灯台」。あのノーベル賞で有名になった●中さんも訪れた癒しの場所、「瞬間炭化林」。
ざっと紹介しただけでもこれだけのものですので、覚悟はしていましたがツアー終了後は皆様疲れ果てておりました。
でも、とても楽しいメニューとなりました。
約5時間、中身の濃かったワークショップもこれで終了。
意見交換では、いろんな意見やアイディアが活発に交わされていた。
それぞれのメニューについて、「設定を変えてみたらどうか」という意見が多かったように思えます。
そして恒例のMVPは、お見合いで素晴らしいものを見せていらした、ひじきさんが。アシスタント特別賞には、やはりお見合いで一際異色を放った、かきさんが選ばれました。
とても有意義で楽しい時間が過ごせたと思っています。個人的にいろいろ反省点もありますが、それを次回のワークショップや、また別の機会などの糧にしていけたらと思います。
皆様、お疲れさまでございました。そして、ありがとうございました。
最後に、今回のレポートに際し白羽の矢を立てていただいたリーダーの林さんと、林さんと一緒に下準備からワークショップを支え、いろいろアドバイスを頂いたアシスタントの池田さんに、厚く御礼申し上げます。
さてさて、今年一発目のワークショップです。前回と同じメニューをこなすという試みも二回目のメニューだし、「余裕だね」な〜んて思っていたら、あれよあれよと参加希望者が増え、「嬉しい誤算」なのですがそんな大人数でメニューがこなせるのかしら?と不安も混じった始まりでなんだかんだいってワークショップももうすぐ二年になるとの事…あっという間だった感じです。
今回は参加人数は多いし、ありがたい事に早いうちから「満員御礼!」そして「リピーター」の方々が増え、さらにリピーターの人々が友達を連れてきて下さるといった感じでリーダーの林共々喜んでおります。
思えばワークショップの最初の頃は「反省反省」で試行錯誤の連続でした。あ〜やっとここまで来たわ〜とちょっと郷愁に浸ってみたり…
しか〜しこれからも不等辺ワークショップは成長していきますから乞うご期待!今回から「打ち上げ」での寄せ書きが始まり、ワークショップ参加者にレポートを書いて頂く(丸岡さんありがと!)、そして次回は初めて外の方にワークショップリーダーをお願いします。
「ワークショップ」を通して人の輪が広がっていくのは凄く嬉しいことです。
「お芝居」って「作り手」「お客様」があってその場を共有しているっていう事で成り立っていると思います。だから私は「芝居」が好きだし。
これからの新しい発展するだろう?!不等辺ワークショップをよろしくお願いします。
いつもあたりまえになってしまいますが、参加して下さいましたみなさん。本当にありがとうございました。
打ち上げで「このメンバーで芝居が打てたら」って発言がでてくるくらい楽しいワークショップをありがとうございました。(池田)