△ 不等辺ワークショップ第5回 (2001/07/08)


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 な、なんと今回のワークショップは私「池田景」がつとめることになりました。ワークショップもなんとか軌道にのってきた時に「いいのだろうか?」という気持ちもありましたが、また他の人とは違ったワークショップをやってみたいとも思い無謀にも「リーダーをやりたい!!!」って手を上げてみました。でもあげたはいいもの不安で一杯…よってアシスタントを越後に頼み「リーダー」「アシスタント」の一心同体で右も左もわからない「手探り状態」で始める事になりました。さてさてどうなることやら…
普段はワークショップの打ち合わせも一回ぐらいで終わるところ今回は3回も念入りに打ち合わせ、といえばかっこいいけど実はなかなかメニューを組むのに四苦八苦。過去のワークショップに対抗してではないけれど、なにか「テーマ」があったほうがいいと思ったし、一回のワークショップ参加者のみんなに「なにかを作り上げたり」「つかんでもらえたら」いいなあって考えに考え抜いた結果…ジャーン!今回のテーマはズバリ「コミュニケーション」に決定!!!でございます。前置きが長いっすね。ではやっと当日に参ります。
「はたして池田にリーダーが務まるのか?!」と思いつつもあと1時間ではじまってしまう…越後との打ち合わせも「バタバタ」と。そうしているうちにチラホラ参加者も到着しはじめすでにこの状態で「大パニック!」でございました。しかもなんと会場の部屋のクーラーが故障してる!!!この暑いのに。もう「とほほ」であります。が、ここまできたら逃げられない「えーい!ままよ」って思って池田景のワークショップのはじまりでございます。


『私を呼んで』

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参加者の皆様に「好きな食べ物」を決めてもらい、ガムテープに書いてそれを服にはってもらう。これがこのワークショップ内でもニックネームとします。
今回の参加者は「チョコレート」「ビール大好き」「いりごま」「トムヤムクン」「カレーライス」「スパゲッティ」「やきいも」「からあげ」「えだまめ」「うな重」「ドラやき」「いよかん」「たまごごはん」「和菓子」でした。好物を聞いただけでなんか参加者の個性がでている感じですね。
「視線をなげて」「受け取る」という趣旨のゲームだったのですが、いざやってみると慣れるまで時間がかかりました。普段あまり気にせず「視線」というものを使っていますが意外と自分の思っている人に届いてなかったりするものなのですね。「目で殺す」なんて言葉もあるくらいだしこれからは自分も「眼力」を鍛えようと思いました。

『言葉とばし』

今度は言葉のキャッチボールのようなゲームです。「言葉」を持っている人が視線のあった人に「言葉」を投げかける。そして投げかかられた人は「言葉」をきちんと受け取ってまた誰かに「投げる」という感じです。ひとつの言葉を回している時は「楽勝ムード」でしたが、どんどん「言葉」を増やすというステップアップした状態では皆さんかなり「アップアップ」でしたね。はじめてなのにちょっと高度だったかなって反省します。

『くもサッカー』

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これは「某ワークショップ」で教わっためちゃくちゃ楽しいゲームです。あお向けになって手、足を4本ついた姿勢でサッカーをする。ルールは普通のサッカーと同じでボールに手が触れてはいけません。違うのはこの姿勢で移動をしていくこと!普段使わない筋肉をふんだんに使ってしかも頭も使わないとゴールできないこのゲーム。まさにエキサイティング!ですね。なかなか白熱して最後はなんと「ボールが割れる」というアクシデントで終了!いかに真剣に皆さんが「くもサッカー」をやっていたかがみていた私にも伝わりました。(みんな息が切れてたしね。)

『フラッシュウォーク』

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これは身体を意識してもらうというエクササイズです。基本は単純に「歩く」こいうことなのですが、そこにいろいろと「条件」をつけていきます。例えば「頭が天井から引っ張られる」「歩きながら笑う」などなど。また、「身体が光り始める」というお題は私もはじめてやった時にはまさに「ミラクル!!!」といった感じでした。「右手を意識して」などといわれてもピンとこなかったことが「右手が光っている」という意識の仕方をすることによってからだの一部分に集中できるんですから。普段なにげなく歩いていることもこういった「条件」をつけることでぜんぜん違った感覚を味わってもらえればありがたいです。でも「お題」を出している私が楽しくなっちゃってちょっと長かったですね。反省です。

『大なり小なり』

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チームワークと表現力が試されるゲームです。番号の書いたカードを引いてもらい、番号の大きさによって感情の「大きさ」を表現してもらうというものです。椅子に座っている相手に「お題」の「感情表現」をしてもらう。もちろん椅子に座った人も見ている人も何番の感情表現かは知りません。最後に何番かを当ててもらいます。「この人が好き」「この人が嫌い」などというお題のなかでのヒットは「この人がくさい」でした。皆さんなかなかいい味だした演技でしたね。

『一枚の写真』

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このエクササイズはある意味「お芝居」的なものではないかと私は思います。ルールはいたって単純明快、風景写真を見てもらい、その写真を表現してもらうというものです。人が山や海になれっていうのは所詮無理です。でもお芝居ってある意味「想像力」で成り立っているもの。というわけでギャラリーの皆さんがお題の「写真」に見えてしまえばこっちのもの。どう表現するかは役者さんの自由です。今回は二つのチームだったため、あえて「海の写真」と「建物の写真」にしてみました。できあがった作品をみんなでコメントしながら作りなおしていく作業が楽しかったです。

『活源運動』

使った筋肉をクールダウンさせるエクササイズです。この運動をしてあげると筋肉の回復を助けて筋肉痛になりにくくなるようです。身体の力を「ダラーン」と抜いてしまうのでリラックスでき眠くなってしまいます。よって一日の終わりに布団に入る前にやるとぐっすり眠れるのでオススメです。


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なんだかんだであっという間にエンディングです。いつものようにMVPの発表をして記念撮影。なにがなんだかわからないまま終わってしまった感じです。途中「上手く伝えること」ができなかったり、私自身がてんぱってしまったりで参加者の皆様には大変ご迷惑をかけました。でも最後までお付き合いしていただけて本当に嬉しかったです。私はお芝居とは「人に伝える」ことだと思っています。普段、舞台に上がっていると「セリフを話す」ことで「伝えている」と信じていますやっていますが、今回ワークショップのリーダーを経験してみて「自分の思っていることを人に伝える」のがいかに難しいかをあらためて実感しました。写真何度も何度もメニューを練りなおしたり、どのように話せば相手を納得させられるかを考えたりしました。でもこういうことって「芝居作り」の基本なのではないかと改めて思いました。今回のワークショップに参加してくださった皆様にちょっとでも、芝居の「楽しさ」や「コミュニケーション」のヒントをみつけてもらえたらいいなあなんて思います。今回アシスタントを引き受けてくれた越後さんには迷惑のかけっぱなしでした。あなたがいなければ今回のワークショップは開催されなかったといっても過言ではありません。参加してくれた皆様、本当にありがとうございました。これに懲りずまた不等辺のワークショップに参加してください。私もまたもっともっと勉強して、再びリーダーをやりたいと思います。そのときはもっと堂々としたリーダーになりたいです。
それにしても、打ち上げのビールは美味しかったです!!!「仕事のあとのビール」って感じかしら?「公演の後のお酒」を飲んでる感じにも近かったなあ。いろいろあったけど楽しい一日でした。

今回のワークショップのテーマは『他者とのコミュニケーション』でした。誰かの視線を受けて誰かに視線を投げる、という簡単そうな事が意外にも難しかったですね。
終演後の打ち上げでは皆さんとても美味しそうにビールを飲んでいらっっしゃいました。ビール好きな人がビールを飲んでいる姿というのはとてもいいものですね。ビールが苦手な私はこんな時、人生の何分の一かを損しているような気になりますよ。次回のワークショップは9月です。きっとまだまだ暑いでしょう。美味しいビールを飲みに位の気持ちで多くの人に参加して頂けたらうれしいです。(越後かずえ)

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