△ 「よそびと診療所」シーン5


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ペック 「解けた。」
メック 「貴様、我々にこんな事をしてただで済むと…」写真
アテナ 「待ちな。あそこで止められてなかったら、我々全員こいつにやられていた。」
ペック 「そんな奴をまさか医者が倒すとは…」
ノノ 「倒したんじゃありません。治したんです。」
シド 「しかしどうしてです?こいつらは任務に失敗すると、必ず自爆して毒をまき散らすはずです。」
ノノ 「バル星人の刺客は、幼少の頃に体をそういう仕掛けにされてしまう。」
ノノ 「(臓器を見せ)これです。この臓器が埋め込まれ、殺し屋として洗脳をし、体を毒の爆弾に変えてしまう。」
ロッサ 「さっきのはこれを取り除く手術です。」
シド 「戦いながら手術を?」
ぺック 「踊ってる様にも見えたが。」
メック 「とにかく、これでこいつを連行できる。」

ペック、メック、エクセローズに近づく。

ノノ 「待って下さい。この子は私が預かります。」
メック 「は?」
ノノ 「この子はまだ完治していません。しばらくは治療が必要です。」
アテナ 「しばらくとは?」
ノノ 「そうですね、恐らく900年から1000年程。」
ペック 「冗談言うな。それじゃ取り調べ期限が過ぎちまう。」
メック 「バカバカしい。隊長連れて行きましょう。」
アテナ 「無理よ。法律上連行より治療が優先。」
メック 「いや、しかし…」
ぺック 「こいつをかばうのか?お前を殺しに来たやつだぞ。」
ノノ 「今はもう、私の患者です。」
エクセローズ 「うう…」

ノノとロッサ以外一歩下がって身構える。

ノノ 「エクセローズさ〜ん。わかりますか〜?」
エクセローズ 「う〜ん…ん?…ん?」

ノノ、黄色いリボンを取り出し

ノノ 「はいこれ、何色に見えますか?」
エクセローズ 「ん〜…しよ?…きいよ?」

ノノ、指を3本立てて

ノノ 「じゃ、これ何本に見えますか?」
エクセローズ 「ん〜…よんひょん?…さんびょん?」

ノノ、ロッサを指さし。

ノノ 「じゃ、この人は?」
エクセローズ 「ブス。」
ノノ 「視覚正常。」
ロッサ 「異常です異常。」
ノノ 「あなたは私の患者さん。しばらく治療が必要です。」
エクセローズ 「ちりょー?患者そん?」
ノノ 「そう、患者さん。」

エクセロ拍手をして喜ぶ。

エクセローズ 「患者そ〜ん!」
ペック 「キャラが崩壊している…」
メック 「これが手術の成果なのか?」
ノノ 「シドさん。しばらくこの星で治療をさせて下さい。」
シド 「え?じゃあ…」
ノノ 「はい。定住を決めたいと思います。」
ロッサ 「あっちゃ〜…」
エクセローズ 「こっちゃ〜…」
シド 「それはありがたい!」
ペック 「ちょっと待て。あんたがここに留まれば、こいつみたいな刺客が次々に集まる事になる。」
メック 「そうなればこの星の住人たちに危害が及ぶかもしれない。」
アテナ 「こいつを殺しに新たな刺客も必ず来る。それが奴らの掟だ。バル星人は…」
ノノ 「銀河一掟を重んずる種族。だからその掟を利用します。二人とも命を狙われない方法が一つだけあります。」
ペック・メック 「え?」
アテナ・シド・ロッサ 「…あ!」
ロッサ 「先生まさか…!」
ノノ 「シドさん。すぐに手続きを。」
シド 「本気ですか?」
ノノ 「もちろん。(エクセローズに)一緒に来てもらえますか?」
エクセローズ 「うん!一緒に行くにょ〜!」

ノノ、エクセローズ、シド、ロッサがハケて行く。去り際に

ロッサ 「先生!先生ちょっといくらなんでもそれは!あ〜っ、ホントにも〜っ!」

アテナ、3人が去るのを見ながら茫然としている。

ペック 「隊長、あの医者何をする気なんです?」
アテナ 「結婚だ。」
メック 「結婚か…」
ペック・メック 「結婚?!!」
アテナ 「バル星人は異星人と結婚すれば罰則が停止する。またバル星人と結婚した者は死の制裁を受けない。」
ぺック 「いや、それにしたって、自分を殺しに来た奴と結婚するか普通?!」
メック 「しかも超スピード婚。ありゃ確かに…」
ペック・メック 「問題児だ…」
アテナ 「ペック、メック、監視を強化するよ。」
ペック・メック 「ラジャ!」

ペック、メック、ノノ達を追うようにハケる。照明、中央サスにアテナ。

アテナ 「この星も騒がしくなりそうね…」写真

暗転と同時に音楽がかかり
オープニング
字幕「不等辺さんかく劇団 プロデュース公演2025」映像、宇宙。UFOが飛び交い、地球が現れる。
目の前に出て来たUFOがジグザク飛行で日本列島へ。タイトル「よそびと診療所」。タイトルが消え「1177年」の文字。カウントが上がって「2025年」に。暗転。不気味な声。

謎の声 「長かったろう。辛かったろう。だがもう大丈夫だ。すぐに開放してやる。思う存分恨みを晴らすがいい。ハハハハハ!!」

バックには大爆発の映像。爆音。ゆっくり暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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