「よそびと診療所」シーン４ 「よそびと診療所」シーン４トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > シーン４ 【公演データ】
照明全体灯り。先程のうす暗い林の道。シド、ノノ、ロッサが出て来る。
ノノ 「なんとか間に合いましたね。」
シド 「見事な治療でした。」
ロッサ 「みんな感激して拝んでましたよ。」
ノノ 「でも彼らの記憶は…」
シド 「もちろん消しますが全部は無理です。この星の人間の脳は、まだ完全消去の処置に耐えられない。」
ロッサ 「何かしら残るのね。」
ノノ、空を見上げる。
ノノ 「あ…月が…」
ロッサ 「え？…何か言ってます？」
ノノ 「ええ…お客さんです。厄介な方の。」
ロッサ 「やだもう、こんなとこまで…先生追っかけ多過ぎ。」
エクセローズが現れる。
エクセローズ 「やっと見つけたぜドクター・ノノ。」
ノノ 「えっ…？」
シド 「ドクター！この子って…」
ロッサ 「あら、お二人のお知り合い？」
エクセローズ 「あたしはバル星の刺客、エクセローズ。ここをてめえの墓場にしてやる。」
ノノ 「エクセローズ…」
ロッサ 「初診ですか？」
エクセローズ 「患者じゃねえ。」
ロッサ 「どこかお悪い所でも？」
エクセローズ 「患者じゃねえ。」
ロッサ 「保険証はお持ちですか？」
エクセローズ 「患者じゃねえっつってんだろ！！」
ロッサ 「ああ、申し訳ありません。生憎うちの先生、お口の悪さは治療できませんわよ。」
エクセローズ 「グダグダうるせえんだよブス！」
ロッサ 「ほほほ、ブスね、ほほほ、ぶっ殺すぞてめえ！！」
ノノ 「ロッサ。」
ロッサ 「あらごめんなさい。私としたことがはしたない。」
エクセローズ、武器を構え
エクセローズ 「死ねぇ！！」
銃声がしてエクセローズが弾を弾く。アテナ、ペック、メックが追いつく。
アテナ 「ドクター！今のうちに逃げなさい！」
エクセローズ 「しつけーんだよクソどもがぁ！」
エクセローズ、また３人相手に戦い出す。
シド 「ここは彼らにまかせましょう。」
シドがノノを促すが動かない。
シド 「ドクター？」
ノノ 「ロッサ、レストガン。」
ロッサ 「やっぱりやるんですね。」
ロッサ、ノノに銃の様なものを渡す。ノノ、エクセローズを撃つが素手で弾き返される。
エクセローズ 「フン。あたしにレストガンなんか効くと思ってんのか？」
ノノ 「やっぱりね。それじゃこうします。」
ノノ、今度はアテナ、ペック、メックを撃つ。３人動けなくなる。
アテナ 「何をする！！」
ペック 「くっそお！」
メック 「動けねえ！」
エクセローズ 「ほお、往生際がいいじゃねぇか。」
ペック 「無茶だ！相手はバル星人の殺し屋だぞ！」
メック 「しかもシルバークラスだ！死ぬ気か？！」
エクセローズ 「いいね。望み通りぶっ殺してやるよ。」
エクセローズ、丸腰のノノに攻撃を仕掛けるが、ことごとくかわされ、後ろから捕まえられる。
ノノ、エクセローズのおでこに手を当て
ノノ 「熱はありませんね。」
エクセローズ、ノノを突き放し、またかかって行く。
エクセローズ 「なめやがって！！」
今度は腕を掴まれ
ノノ 「脈拍も正常。」
また突き放す。
エクセローズ 「ぶっ殺す、ぶっ殺す、ぶっ殺す！！」
ノノ 「ロッサ。始めましょう。」
ロッサ 「(ため息)はいはい…」
シド 「何をするんです？」
ロッサ 「オペです。」
シド 「オペって？…まさか手術するんですか？！」
エクセローズ 「な、何言ってんだてめぇ？！」
ノノ 「心配いりません。すぐに終わります。オペレーション、スタート！」
タンゴの曲が流れ、オペが始まる。ノノとエクセローズは曲に合わせて戦っている様な、踊っている様な、手術を受けている様な…。曲が終わり、エクセローズが膝まづく。
ノノ 「終了。」
エクセローズ 「て…てめえ…何をした…。」
ノノ 「手術です。」
ロッサ 「(ケンシロウ風に)お前はもう…治っている。」
エクセローズ 「ふざけるな！（急に苦しみ出す。）うっ…ううう…苦しい…」
ノノ 「スミマセン、術後間もなくは少々苦しいです。」
エクセローズ 「あたしは…負けたのか…暗殺を…しくじったのか…」
ノノ 「はい。」
エクセローズ 「畜生…畜生…」
エクセロ、気を失う。
アテナ 「まずい！そいつから離れろ！自爆するぞ！」
ノノ 「大丈夫です。自爆はしません。」
ペック 「え？」
ノノ、エクセローズに手をかざし、変化がない事を見せる。
メック 「…本当だ。爆発しない。」
ノノ 「ロッサ、皆さんを。」
ロッサ 「はい先生。」
ロッサ、アテナ達を撃つと、体が動く様になる。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）