△ 「インヴィジブル・ファイア」シーン19


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照明、上手のみに。作戦室。瀬名、上底、麻耶、御厨、愛が慌てながら出て来る。

麻耶 「今の何?」写真
御厨 「地震か?」
上底 「いや、爆弾落とされた感じだったぞ!」
館内放送 「エリア担当各位。至急、先程の衝撃による被害報告をお願いします。」
加藤(声) 「こちら東エリア。壁面数か所が破損。電気系統も数か所やられてます!」
館内放送 「了解です。すぐにエンジニアをまわします。」
加藤(声) 「宜しくです!」
麻耶 「今の衝撃じゃまだ被害ありそうね。」
「まさか我々の作戦と関係あるんじゃ…」

トモエが少しふらつきながら入って来る。

トモエ 「そのまさかのまさかですよ。」
上底 「トモエ!どうした?」
トモエ 「不覚にもやられたね。」
上底 「え?お前がやられた?」
「里子さんは?」
トモエ 「なんとか連れて帰ってきたけど、負傷して今メディカルルームにいるよ。」
御厨 「今の衝撃の原因、わかるのか?」
トモエ 「あれはサテライト攻撃ですわ。」
「え?衛星レーザー兵器が撃ってきたの?」
上底 「なんだって?!」
トモエ 「とてつもない電撃を受けたので、防御にエネルギー使い過ぎたら、警戒の数値超えちゃたみたいよ。」
上底 「電撃?!」写真
麻耶 「え?じゃあこの上のビルが破壊されたってこと?!」
トモエ 「それはダイジョブ。こんな事もあろうかとオトリの装置を置いてきたよ。」
「オトリの装置?」
トモエ 「レーザーは私だと思ってそこに落ちたはずよ。」
上底 「それどこ?」
トモエ 「近くの九頭竜公園って所です。公園に誰もいなかった事を祈るよ。」
麻耶 「心配ね。」
御厨 「また攻撃されるのか?」
トモエ 「これからペンタゴンに行って、攻撃が間違ってる事伝えるね。」
御厨 「ペンタゴンに?」
上底 「そうか、テレポーテーション使えるもんな。」
トモエ 「でもその前に、みんなに伝える事あります。」
上底 「なに?」
トモエ 「私、姫の正体わかっちゃったです。」
トモエ以外 「え?!」
御厨 「誰なんだ?」
トモエ 「私の口から言っても宜しいですか?エミリさん。」
「え?」
瀬名 「…いえ、私から話します。」
麻耶 「え?エミリさんも知ってるの?」
瀬名 「先程確信しました。石倉さんを閉じ込めていた結界のデータの中に、それを作った者の形跡が、わずかに残っていました。…姫の正体は…マードレです…」
瀬名とトモエ以外 「えっ?!!」
御厨 「どういうことだ?!」
瀬名 「私も含め、みんなマードレにずっと騙されてたんです。」
「それじゃネットの消防隊も…」
瀬名 「マードレの作った計画です。」
麻耶 「どうしてこんな事を?」
瀬名 「それが、マードレと連絡が取れなくなってしまって…」
上底 「どの作戦も全てマードレの手のひらの上だったって事か…」
御厨 「サルにまでなったのに…」
麻耶 「めぐみちゃんはどうなるの?」
瀬名 「探査はしていますが…もしかしたら…マードレの目的はめぐみさんだったのかも…」
麻耶 「え?」
瀬名 「何らかの理由でめぐみさんを利用しようとして意識をさらったのかもしれません。」
トモエ 「そうか!わかったよ!姫が入っていると思っていた結界の塊の中にいたのはめぐみちゃんだ!」
麻耶 「まさかめぐみちゃんの力を使って…」
御厨 「ネット征服を?」
上底 「スーパーAIがネット征服…」
トモエ 「それって私よりヤバイよヤバイよ…」
「あ!父が意識を取り戻した様です!」
上底 「わかるんだ。」
「様子を見てきます!」

愛、ハケる。

麻耶 「石倉さんに話を聞ければ…」
上底 「もう少し状況がはっきりするかも。」
トモエ 「じゃ、私はちょっくらペンタゴンに。」

暗転。電気がビリビリいう音のあと、ビュン!という風の音。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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