△ 「インヴィジブル・ファイア」シーン18


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照明が変わると舞台下手に薄暗い気味の悪い空間(上手は暗い)。めぐみが出て来る。

めぐみ 「なんだここ?なんか頭が痛くなってきた…」写真

ボイスチェンジャーで変えた様な怪しい声が話しかけて来る。

怪しい声 「あなたは素晴らしい子。そして悲しい子。」
めぐみ 「誰?!」

ドン!という音と共に照明が揺れ、めぐみが催眠術にかかったような状態に。

めぐみ 「うっ…!」
怪しい声 「あなたは自分の能力で人を救いたいと思っている素晴らしい子。でもあなたの能力を悪用しようとする者が大勢いる。」
めぐみ 「私を悪用…」
怪しい声 「そしてあなたには、心の奥底でずっと抱えている悲しい疑問がある。」
めぐみ 「心の奥底…」
怪しい声 「そう。あなたの母親の…死について。」
めぐみ 「お母さんの…死…」
怪しい声 「大丈夫、ここにいれば危険も悩みもなくなり、みんなを救うこともできる。」
めぐみ 「怖い…怖い…誰か助けて…」

照明が上手のみに変わる。瀬名の元に上底、麻耶、御厨が戻って来る。

瀬名 「3人とも無事ですか?」
御厨 「うちらは大丈夫だ。」

愛が入って来る。

「みんな無事?」
上底 「ああ。石倉さんは?」
「メディカルルームに。」
麻耶 「結局姫の正体は…」
「父ではありませんでした。」
上底 「良かった…」
御厨 「しかし姫は別にいるって事だ。」
「…あれ?めぐみさんは?」
麻耶 「それが音信不通で…」
「え?そろそろタイムリミットじゃ?マードレの協力は?」
瀬名 「今探してもらっていますが…とにかくギリギリまで捜索は続けます!」

照明、下手のみに。地下排水溝。宇崎、曽田、大久保が出て来る。宇崎が何かを発見。

大久保 「九頭竜公園の真下に来ました。」写真
宇崎 「おい!ここじゃないか?」
曽田 「おお!凄い焦げ跡。」
宇崎 「これ、不法廃棄のゴミっぽいな。」
曽田 「誰かが排水溝に捨てて、ここまで流れて来たってことか?」
大久保 「以前多摩センターの方で同じようなケースがありましたね。」
宇崎 「見ろ、スプレー缶が爆発した後だ。」
曽田 「こっちは除光液のビンが溶けてる。」
大久保 「間違いなく。引火したんですね。」
宇崎 「(通信)宇崎です。九頭竜公園の真下の地下排水溝で火元と思われる物を発見しました。」
曽田 「宇崎、おかしくないか?これ、消火剤で消してあるぞ。」
宇崎 「消火剤?」
大久保 「我々の放水はここまで全く届いていませんよ。」
曽田 「じゃ、誰が消したんだ?」
宇崎 「こんなとこ簡単に人が入って来れないぞ。」
曽田 「周りを調べてみよう。」

3人、周りを調べながらハケる。照明が上手のみに変わるとまた別のネット内空間。角田が出て来る。
何かを発見する。

角田 「これか?にわかに作った様にみえるが…しかし、匂いは間違いない。やはりそういうことか。」写真

里子が追いつく。

里子 「石倉さんは救出しました。」
角田 「それはごくろうさん。」

里子も何かを発見。

里子 「え?ここにも結界の塊?…そうか、本物の姫はここにいるのね?」
角田 「どうかな?」
里子 「(通信)もう一つ結界の塊を発見!おそらく姫はここに…エミリさん?エミリさん?…」
角田 「通信不能の様だな。」
里子 「私一人で十分です。」

里子、玉砕刀を構える。そこにトモエが飛び込んで来る。

トモエ 「里子さんストップ!ストップ!」
里子 「トモエさん?」
トモエ 「すぐに戻らないとまずいよ!」
里子 「でもやっと姫の正体を…」
トモエ 「私色々調べてわかったよ!とにかく早く出ないと手遅れになるよ!」

照明、下手の奥、台上のみに。宇崎、曽田、大久保が出て来る。

曽田 「おい!ここに消火装置があるぞ!」
宇崎 「なに?」
曽田 「こんなもん排水溝に必要か?」
大久保 「あ、こっちにもあります!」
宇崎 「なんだこれは?」

照明、下手前のみ。めぐみがふらふらと出て来る。レッサーパンダではなく、元の姿に戻っている。

怪しい声 「あなたの力を悪用する人が近くに来ました。」
めぐみ 「違う…私じゃない…」
怪しい声 「あなたの力で…」
めぐみ 「私じゃない…私じゃない…私じゃない…」
怪しい声 「めぐみさん?どうしました?」
めぐみ 「お母さんを殺したのは私じゃない!!!」

めぐみが叫ぶとガラスが破裂したような音とともに照明が揺れ上手にも灯り。トモエが電気を食らう。

トモエ 「おおおおおーマイガーッ!!!!」

めぐみ走り去る。トモエ息を切らしている。里子もダメージをくらい、膝をついている。

里子 「ううっ…何今の?」
トモエ 「…里子大丈夫か?」
里子 「トモエさんこそ…」
トモエ 「とんでもない電撃を直でくらいましたよ!!私じゃなきゃ死んでたよこれ!」
角田 「電撃?」
トモエ 「なんとかはねのけたけどこの威力は…ん?はねのけた?…あ、まずいよこれ、来るよこれ…」
里子 「来る?」
トモエ 「今、私、思わず強烈なエネルギー使っちゃったから、多分反応しちゃうよ。」
里子 「反応って?」
トモエ 「サテライト。」
里子 「え?」写真

轟音、閃光、爆音、地響き。

トモエ、里子 「うわああああ!!!」

トモエ、里子、角田、飛ばされハケる。照明、下手の奥のみに。宇崎、曽田、大久保、下手台から裏に落ちかける。

宇崎、曽田、大久保 「うわあああああ!!!」
宇崎 「何が起こった?!」
曽田 「足元が崩れた!」
宇崎 「まずい!滑り落ちるぞ!」
曽田 「掴まる場所がない!」
大久保 「もうダメです!」

大久保、台裏にすべり落ちる。

大久保 「うああああ!!」
宇崎 「大久保!!」
曽田 「こっちもダメだ!」

曽田も滑り落ちる。

曽田 「うああああ!!」
宇崎 「曽田!ちきしょう!装備が重すぎる!…ダメか!」

宇崎も滑り落ちる。

宇崎 「うああああ!!」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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