「インヴィジブル・ファイア」シーン１７ 「インヴィジブル・ファイア」シーン１７トップページ > ページシアター > インヴィジブル・ファイア > シーン１７ 【公演データ】
照明が変わり、ネット内の別空間。愛と玉砕刀（ぎょくさいとう）を持った里子が現れる。
里子 「どう？」
愛 「かすかに匂いますが、どうも方向がはっきりわからなくて…」
里子 「待って！…来たわ…」
里子が目を向けた方向から角田が現れる。
里子 「角田さん。」
角田 「二人のしつこさは一流だな。」
愛 「角田さんと父は何を企んでいるんですか？」
角田 「知りたかったら私を倒してみろ。」
里子 「角田さん…」
愛 「お願いです！教えて下さい！」
角田 「来ないのなら、追い払うまで。」
角田、里子に波動を放つ。里子が玉砕刀ではねのける。
里子 「いいんですね？行きますよ！」
里子、角田、攻撃と防御を繰り返す。愛も波動を放ち里子を援護する。
角田 「二人とも腕を上げたな。」
角田、逃げるように去る。
愛 「待って！角田さん！」
里子 「追いましょう！」
里子、愛、角田を追ってハケる。照明が変わると舞台上手端に瀬名。
瀬名 「マードレどう？」
マードレ 「まだわかりません。」
瀬名 「まずい。めぐみさんが動かないと時間が稼げない！」
照明、アニマル・ノアに。上底、麻耶、御厨が戻って来る。
上底 「フウ…戻って来れたぁ…」
瀬名 「３人ともアニノに戻って来たんですか？」
御厨 「逃げて来た。」
瀬名 「逃げて来た？」
麻耶 「消防隊に救助されたところまでは予定通りだったんだけど…」
上底 「途中で通信ができなくなって…」
御厨 「しかも突然３人同じ部屋みたいなところに入れられて…」
麻耶 「大音響で繰り返し声を聞かされて…」
瀬名 「声って？」
３人 「ペイペイペイペイペイペイペイペイ…」
上底 「もお耐えられなくて避難してきた。」
瀬名 「そんな…まさかこちらの作戦が読まれていた？」
麻耶 「めぐみちゃんは？」
瀬名 「それが音信不通状態で…」
上底 「え？！」
麻耶 「里子さんたちは？」
瀬名 「角田さんと交戦中です。しかし、せっかくバラバラにした消防士たちが集まれば不利になります！」
上底 「うちらも戻って戦った方が…」
瀬名 「いえ、時間的に危険です！」
御厨 「ちきしょう！どうすりゃいいんだ？！」
瀬名 「里子さん、愛さんたちに頑張ってもらうしかありません。皆さんはこちらに戻ってきて下さい。」
麻耶 「悔しいけどそうするしかないわね。」
上底 「わかった。戻ろう。」
３人ハケる。
瀬名 「おかしい…こんな事あるはずが…」
瀬名、何かに気づく。
瀬名 「…え？…これってまさか…」
瀬名がハケ、照明が変わると更に別のネット内空間。角田と、後から追ってきた愛と里子が対峙。
里子 「いくら角田さんでも、この結界破りの剣と愛ちゃんの波動を同時に食らったら不利ですよね？」
角田 「かもな。」
里子、愛、近くにあるものに気づき、目をやる。
里子 「ん？これは？…結界？」
愛 「ええ、しかもものすごく強い結界の塊です。」
角田、逃げるように去る。
里子 「待って！」
追おうとする里子を愛が止める。
愛 「里子さん！！」
里子 「なに？」
愛 「この塊から、父の匂いがします！」
里子 「え？」
愛 「父さん！父さん！」
里子 「愛ちゃんさがって！結界を斬るわよ！」
里子結界を斬りつける。
里子 「とりゃあああ！」
結界は斬れない。
里子 「こりゃ硬いわね。もういっちょ！！」
更にもう一撃。
愛 「ひびが入った！」
里子 「これでどうだ！！」
もう一撃。激しい音と共に結界が破れる。
里子 「破れた！」
眩しい光。光が収まると石倉がフラフラと出て来て膝まづく。疲労している様子。
愛 「父さん！」
愛が駆け寄ろうとするが
里子 「待って！」
里子、石倉と距離をおいて話す。
里子 「石倉さん。本物の石倉さんですよね？」
石倉 「ああ…本物だ…」
愛 「父さん。父さんが首謀者なの？」
石倉 「違う…騙されたんだ…」
里子 「騙された？誰に？」
石倉、気を失いかける。倒れる寸前で愛に支えられる。
愛 「父さん！」
里子 「愛ちゃん、お父さんを連れて行ける？」
愛 「行けます！」
里子 「私は角田さんを追います！」
里子と愛、お互い見合ってうなづき、別方向に去る。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）
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