△ 「おめめがポン!」第8回


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それから何時間経ったのでしょう。アーサーは意識を取り戻し、目をあけました。辺りは暗くなっていましたが、そこはアーサーのお部屋のベットの上でした。

アーサー 「あれ?…見える…目が見える…もしかしたら…あれは夢だったのかな」

足元で寝ていたマーリンとランスが気がついて鳴き声をあげます。

マーリン 「ミャ〜!ミャ〜!」
ランス 「ウォン!ウォン!」

鳴き声を聞いたパパとママが部屋に入って来ました。

パパ 「目が覚めたかアーサー!」写真
ママ 「アーサー!」
アーサー 「パパ、ママ…」

パパとママはアーサーを抱きしめました。

パパ 「良く頑張ったなアーサー」
ママ 「ごめんねアーサー、ママのせいで…」

ママは泣きそうです。

アーサー 「ママごめんなさい。スノーボールクッキー、台無しにしちゃって…」
ママ 「いいのよ。お菓子なんていつでも作れるんだから。」
アーサー 「それに一人で外に出ちゃって…あ、そう言えばあの強盗の人って…」
パパ 「大丈夫。逮捕したよ。うちのベランダからロープで逃げようとした様だが、2つ下の階のベランダで、ワニに足を噛みつかれて動けなくなってたんだ。アーサー達の活躍のおかげさ。」
アーサー 「良かった…。それともう一つごめんなさい。」
パパ 「ん?」
アーサー 「ボク、約束を破って納戸に入ったんだ。宝箱を探すために。」
パパ 「宝箱?」
アーサー 「それを取ろうとしてケースと一緒に梯子から落ちちゃって…」
パパ 「ああ、それであのケースが棚から落ちてたのか。」
アーサー 「ごめんなさい。どうしてもピストルが見たくって…」
パパ 「ピストル?…ははははは!お前あの中にピストルが入ってると思ったのか?そんなものこのうちにしまっていないよ。あれはデータさ。」
アーサー 「データ?」
パパ 「ああ、お前が生まれるときから3歳までの写真や動画のデータだ。編集する前にどこかにしまい込んで行方が分からなくなっていたが、お前のお陰で発見できたよ。」
アーサー 「なんだ、そうだったのか…」
パパ 「でも、確かにあのデータはパパとママの宝物さ。お前は本当に宝箱を見つけたんだよ。」
ママ 「アーサー。正直に謝ってくれてありがとう。」
アーサー 「うん。」

(作・イラスト:松本じんや)

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