△ 「おめめがポン!」第7回


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その時、玄関のカギが開く音がしました。ガチャッ。

パパ 「ただいま〜」写真
アーサー 「パパだ!」

男は舌打ちをして、アーサーを抱えてピストルを頭に向けました。
パパはチェーンがかかったドアに戸惑っています。

パパ 「アーサー?チェーンを外してくれないか?アーサーいるんだろ?」

アーサーは口を手でふさがれて声がでません。男はアーサーを抱えたまま玄関に近づきます。

「チェーンを外して入って来た所で撃ち殺してやる。」

男は玄関のチェーンに手をのばし、アーサーがもうダメだと思ったその時、

「いてえええ〜!!」

なんと男の足首にランスが噛み付いています。

ランス 「ガルルルル〜」
「くそお!!離れろ!!この野郎!!」

更にマーリンが男の顔に張り付き爪でひっかきました!

マーリン 「ミャー!ミャー!」
「いてっ!!いてててっ!」

ドアの隙間からパパの声がします。

パパ 「おいどうした!アーサー!」

男はマーリンを掴んで放り投げ

マーリン 「ミャ〜!」

ランスを蹴り飛ばします。

ランス 「キャイン!」

廊下に滑り転げたランスに男が銃を向けます。

「このクソ犬!!」
アーサー 「止めろー!!」

アーサーは咄嗟に男の腕にしがみつきます。パーン!ピストルから弾が発射されました。

パパ 「アーサー??!」

弾はランスの足元の床に当たりました。アーサーは無我夢中で男の腕にかじりつきました

「いてえ!」写真

男の手からピストルが落っこちました。アーサーはすかさずピストルを蹴飛ばすと起き上がったランスが口でキャッチしリビングへ走って行きます。

「クッソお!待てコラ!」

男はアーサーを振り払い、ランスを追いかけて行きます。アーサーは倒れてしまいましたが、すぐに立ち上がって男を追いかけます。ベランダのサッシの前にいるランスを見つけた男は、ダッシュで襲いかかります。

「銃を返せクソ犬〜!!」

ところが、男は足元に散らばった沢山のスーパーボールに足を取られ、バランスを崩してそのままベランダに転げ出てしまいました。

「うわあっ!いってえ、クソッ!!何なんだこれは」

その隙にアーサーはサッシを閉じてカギを閉めました。男はサッシの窓をドンドン叩きます。

「おい!ここを開けろ!!おい!!」
アーサー 「パパ!今チェーンを外すよ!」写真

アーサーはフラフラになりながら玄関に向かいますが、急に目眩がして膝をついてしまいます。その勢いで、なんと、無事だった左のおめめが転げ落ちてしまいまいました。アーサー 「わあ!大変だ!おめめが両方とも取れちゃったあ!!」

パパ 「アーサー!!大丈夫か?!アーサー!!」

その頃、ベランダで興奮していた男が足元に何かを見つけます。アーサーが使った長いロープです。

「しめた!こいつがあれば!」

男は格子にロープを巻き付けました。

「俺にもまだまだ運が残ってたぜ。」写真

男はロープを外にたらし逃げて行きました。何も見えなくなってしまったアーサーはなんとか玄関まで辿り着き、手探りでドアのチェーンを外しました。直ぐにパパが入って来ました。パパに抱えられたアーサーはパパの声とパパの匂いをかいでホッとし、そのまま気を失ってしまいました。

(作・イラスト:松本じんや)

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