△ 「おめめがポン!」第6回


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そこに一人男の人が乗り込んで来ました。アーサーは慌てておめめをかくしました。
男の人はサングラスをして黒い服に青いショルダーバックを持っています。取りあえず知らない人だったのでアーサーの正体はばれていないようです。エレベーターは10階に付き、玄関まで戻って来た所で、一緒にエレベーターを降りた男の人が声をかけて来ました。

「君、ここのおうちの人?」写真
アーサー 「はい、そうです。」
「おうちの人いる?」
アーサー 「今留守です。もうすぐ戻って来ます。」
「実はおうちの人の知り合いなんだけど…」
アーサー 「あ、もしかしてカメラマンさん?」
「そうそう、おうちの人に聞いてた?」
アーサー 「はい。あ、でも…」

アーサーはスノーボールクッキーが床に散乱しているのを思い出しました。

アーサー 「お菓子、まだできてなくて…」
「あ、いいよいいよ。全然時間あるから。」
アーサー 「じゃ、中でお待ち下さい。」

アーサーはお客様をおうちの中に入れましたが、おうちの中はお菓子や新聞紙やロープやらでものすごく散らかっています。おまけにマーリンもランスも、もの凄く警戒しています。

マーリン 「見た事ない人間ニャ。」
ランス 「誰ワン?この人誰ワン?」
アーサー 「あの、すみません、少しの間、ボクの部屋でお待ち下さい。」
「え?君の部屋で?あ、はいありがとう。」

アーサーはお客様を自分の部屋に入れ、急いで部屋を片付け始めました。
すると電話がなりました。またママからでした。

ママ 「アーサー、ごめんねもう少しかかりそう。でも先にパパがつくかも。」
アーサー 「え?パパが?」
ママ 「実はね、駅前で強盗があって渋滞しているんだけど、犯人の一人がうちの方に逃げているんですって。」
アーサー 「強盗?」
ママ 「お父さんが帰って来るまでいい子にしていてね。」
アーサー 「ママ、お客さんは」
ママ 「大丈夫、カメラマンさんも遅れてるって。」
アーサー 「え?でももう…」
ママ 「ジェニファーっていう女の人だから。」
アーサー 「お、女の人?」

そこで突然電話が切れました。いつの間にかアーサーの後ろにさっきの男の人が立っていて抜いた電話のコードを床に放り投げました。

アーサー 「おじさん…もしかして強盗」
「もうばれちまったか。いい子だからしばらく大人しくしてるんだぞ。」

男はピストルを出し、玄関のドアにチェーンをかけました。

マーリン 「大変だニャ!」
ランス 「これはまずいワン!」

アーサーは怖くてブルブル震え出しました。

アーサー 「もしかしたらこれもバチなのかな…?僕、殺されちゃうのかな」

(作・イラスト:松本じんや)

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