△ 「おめめがポン!」第5回


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下の9階では女の子が

女の子 「ウソじゃないの!今度は犬が飛んでたのよ!」

と大騒ぎです。アーサーは泣き出しました。もうママが帰って来そうな時間です。

アーサー 「どおしよう。やっぱりバチがあたったんだ…。おめめのことママに何て言ったらいいんだぁ〜」

涙はやっぱり左目からしか流れませんでした。マーリンもランスも何もしてあげられません。
っていうか彼らもヘトヘトです。そんな時、電話が鳴りました。ママからの電話でした。

ママ 「アーサー?ごめんね、今凄い渋滞であと30分くらいかかりそうなの。もしカメラマンさんが来たらおうちで待っててもらうように言ってくれる?」

アーサーは少しびっくりしましたが、OKの返事をして電話を切りました。

アーサー 「30分あれば拾って来れるかも。」写真

アーサーは上手く抜け出して帰って来る方法を思いつきました。玄関のドアに傘を挟んで開けておき、外に出るという作戦です。ただし、知っている人に見られないように隠れながら行く必要があります。
アーサーは万が一誰かに見られた時のために海賊ごっこ用の眼帯をかけて右目だけは隠しました。直ぐに作戦開始。アーサーは部屋を出る前にマーリンとランスに。

アーサー 「ごめんね2人とも。今度はボクだけで行って来るから。」

と声をかけてそ〜っと玄関を出て行きました。マーリンもランスも目を丸くしていました。

マーリン 「どうしたんだろうアーサー。今、ボクたちに生まれて初めて謝ったニャ?」
ランス 「雪でも振るんじゃないかワン。」写真

下りのエレベーターには誰も乗って来ないまま無事に1階に到着。管理室の前もこっそりすり抜け、外の庭に出て来ました。しかし困った事が。庭で顔見知りのお爺さんがゴルフの打ちっぱなしの練習をしているのです。しかもどうやらおめめは沢山転がったゴルフボールの中に落ちてしまった様なのです。アーサーは庭を見渡しているうちに、フッと前にやったいたずらを思い出しました。

アーサー 「いちかばちかやってみるか!」

アーサーは庭のはしっこに行き、地面にあるフタを開け、中のバルブをひねりました。
すると一斉に庭のスプリンクラーから水が吹き出しました。お爺さんはびっくり!

お爺さん 「ぶはっ!なんじゃこれは!誰かスプリンクラーを止めてくれ!」

おじいさんはたちまちびしょぬれになり、管理人室の方へ走って行きました。
アーサーは直ぐにバルブを閉め、急いでおめめを探しました。

アーサー 「あった!」

やっぱりおめめはゴルフボールの中に混じっていました。しかもさいわい無傷です。アーサーは急いでエレベーターに乗り込み、おめめを元に戻そうとしましたが、なぜか中々はまりません。

アーサー 「おかしいな、ぜんぜんはまらないよぉ。神様ごめんなさい!もう悪い事しませんからおめめを元に戻して下さい!」

(作・イラスト:松本じんや)

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