△ 「おめめがポン!」第2回


トップページ > ページシアター > おめめがポン! > 第2回 【公演データ

<前一覧次>

ところが、アーサーはピタッと手を止めます。

アーサー 「今日は見逃してやる。」
マーリン 「ニャ?」
ランス 「ワン?」
アーサー 「ママが帰って来るまで時間がないからな。今のうちに本物の宝探しだ!」

アーサーは奥の部屋に走って行きました。

マーリン 「本物の宝探しって何ニャ?」
ランス 「嫌な予感がするワン。」

アーサーは廊下の一番奥にある納戸のドアをそっと開けました。

アーサー 「ここが秘密の洞窟か。よ〜し。」写真

そしてこっそりと納戸に入って行きました。

マーリン 「あ〜あ〜、納戸は絶対入るニャって言われてるのに…」
ランス 「また変な武器とか見つけてくるかもワン…」

納戸の中は電気をつけても薄暗く、たくさんのケースや箱が棚に積んであります。
アーサーは時々忍び込んでは、ケースや箱の中身を確認しているのですが、まだ棚の上の方に何があるのかは謎です。アーサーにはお目当ての宝物があります。それは前に一度だけ見た事がある、本物のピストルです。きっと棚の上の方にしまってあるに違いありません。
今日はママが帰って来るまでに、そのありかだけでも突き止めようとしているのです。
アーサーは棚の一番うえある黒いケースに目をつけました。

アーサー 「きっとあれが宝の箱だ。」

アーサーはちょっと重い梯子を棚まで運び、ゆっくり登って行きます。一歩一歩高くなる初めて見る景色になんだかワクワクして来ました。そして、いよいよ黒いケースに手が届く高さまで来ました。手を伸ばし、ケースを取ろうとしたのですがケースは重くて動きません。

アーサー 「小さいケースなのに重いって事はきっとあの宝物に違いないぞ!」

アーサーが力一杯引っ張るとケースは少し動きました。

アーサー 「よーし!後一息!」

もう一度引っ張ると、ケースは丁度フタが開けられるくらい手前まで滑り出て来ました。

アーサー 「やった!成功だ!」

ところが、ケースのフタを開けようとした時、なぜか急に右の目が痒くなって来ました。

アーサー 「ん?なんだ?」

目をこすっているうちに、なんと黒いケースがどんどん前へ滑り出てきました。
アーサーはすぐに気がつきおさえたのですが間に合わず、ケースは床にドシン!と落ち、アーサーもバランスを崩して梯子を滑る様に床まで落ちてしまいました。

アーサー 「うわあああ!」

ドシーン!アーサーは壁に少しおでこをぶつけましたが、上手く着地して怪我は無い様です。
アーサーはぶつけたおでこを確かめようと、丁度近くにあった古い鏡を覗きました。

アーサー 「いてて…たんこぶになってないかな?」

おでこは無事でしたが、鏡に映った自分の様子が何か変です。

(作・イラスト:松本じんや)

<前一覧次>


トップページ > ページシアター > おめめがポン! > 第2回 【公演データ