△ 「おめめがポン!」第3回


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アーサー 「ん?あれ?」写真

良く見ると大事な物が一つ足りなくなっているではありませんか!

アーサー 「わあああ!!右のおめめが無くなってる〜!!」

なんと、落ちておでこを打った時に右のおめめが取れてしまったのです!
なぜか痛みは全くないのですが、アーサーはビックリしてそれどころではありません。

アーサー 「どうしよう!!ママやパパに怒られちゃう!!え?まさかこれがバチ?」

慌てて探しているとドアの近くにおめめが転がっているのが見えました。

アーサー 「あった!」

アーサーが手に取った瞬間、おめめはツルッと滑って勢い良く廊下を転げて行きました。

アーサー 「うわあ!待て〜!!」

突然納戸から飛び出して来たアーサーに廊下で様子をうかがっていたマーリンとランスはびっくり!ランスはキッチンの影に隠れ、マーリンはキッチンテーブルに飛び乗りましたがママが作っていたスノーボールクッキーをお皿ごと床に落としてしまいました。ガシャーン!

マーリン 「うわあ、やっちまったニャン!」
ランス 「こ、これはまずいワン!」

ランスは落ちて来たボールクッキーを咄嗟に口でくわえてお皿に戻そうとしましたが、そこにアーサーのおめめが転がり込んで来ました。

アーサー 「うわ!食べちゃだめ!」

アーサーの声にびっくりしたランスは、口にくわえていたものを飲み込んでしまいました。

ランス 「フンガッングッ…」
アーサー 「ああ!!バカ!!吐き出せ!!それは僕のおめめなんだ!!」
ランス 「え?おめめワン?」

ランスロットはアーサーの顔を見てびっくり!

ランス 「んげええええ!!アーサーのおめめが片方ない〜!!え?まさか今僕が飲み込んだのって…おえええええ!!!」

マーリンもアーサーのおめめがない事に気付きます。

マーリン 「うわ!こ、これは一大事だニャン!」

アーサーは近くに落ちていた新聞紙の剣でランスを叩き始めます。

アーサー 「吐き出せ!吐き出せ!」
ランス 「痛いワン!痛いワン!」
アーサー 「こんなんじゃだめだ!」

アーサーはパパの部屋に走っていきました。

マーリン 「アーサー、何する気だニャ?」

直ぐにパパのお部屋から飛び出して来たアーサーは、手にゴルフクラブを持っています。

ランス 「まさかワン…」
アーサー 「これで吐き出させてやる!」
マーリン 「ランス、逃げるニャン!!」

アーサーはランスにゴルフクラブをブンブン振り回します。

ランス 「死んじゃうワン!死んじゃうワン!」

ベランダへ逃げようと思ったマーリンが、サッシのレールにアーサーのおめめが引っかかっているのを発見しました。

マーリン 「あ!おめめはここニャ!ランスは食べてないニャ!」

マリーンの鳴き声でベランダ側に目を向けたアーサーはおめめを見つけ、ゴルフクラブを投げ捨てました。

アーサー 「良かったおめめあった…」
ランス 「良かった助かったワン…」

アーサーが取りに行こうとした瞬間、今度は足元にあったスーパーボールの箱につまずいてしまいます。

アーサー 「うわあ!」

箱から飛び出た沢山のスーパーボールは、勢い良くベランダのサッシに向けて転がって行きアーサーのおめめを巻き込んでベランダに転がり出てしまいました。

アーサー 「待って待って!」

アーサーはベランダに出たスーパーボールの中からおめめを探します。

アーサー 「どこだ?僕のおめめどこだ?」

フッとベランダの格子に目を移すと、格子の際におめめを発見。今にも外へ落ちそうに揺れていました。アーサーはそ〜っとおめめに手を伸ばします。後少しで手が届くところまで来た瞬間、突然ビュ〜ッと風が吹き、おめめはコロッと外に落ちて行きました。

アーサー 「あああ!!」写真

アーサーは思わず格子から身を乗り出しますが、すかさずランスがアーサーのズボンに噛みつき引き戻します。

ランス 「危ないワン!落ちるワン!」

その時、アーサーは下の階のベランダにおめめが落ちたのを見ました。

アーサー 「下の階だ!9階のベランダに落ちた!」

すぐに下の9階に行こうと思いましたが、アーサーはパパとママとの約束で玄関のドアから一人で出ては行けない事になっています。出たとしてもドアは自動ロックがかかり、カギが無いと入れません。もちろんアーサーはカギを持たされてはいません。

(作・イラスト:松本じんや)

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