△ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン10


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照明が上手のみに変わる。ゾネス、ライム、テル、ロー、シンドバッド。ドンという音で船が揺れる。

ロー 「ワープに入ったね。」写真

そこにルビーが戻って来る。

ルビー 「お客様をVIPルームにお閉じ込め致してまいりました。」
ゾネス 「ご苦労。」

パールも戻って来る。

パール 「追跡ワープも開始しました。座標は31光年先。思ったより近かったです。」
テル 「じゃ、本題ね。ご存知の通り、銀河連合は宇宙海賊の撲滅を目指してるけど、スライス海賊団に対しては別格の捜査をして来た。」
ゾネス 「知っている。スライスは元々銀河連合軍艦隊の艦隊長だった。」
ルビー 「でも突然裏切って主力戦艦を奪って逃げた。」
パール 「それがあのブラディー・スカルの原型でしょ。」
ライム 「連合と海賊の間じゃ有名な話よね。」
テル 「それだけじゃない。奴は他の海賊とは全くスケールが違う海賊なの。」
ルビー 「スケール?」
ロー 「奴らは奪ったコールド・スリープ・カプセルをあんた達の様に売り払ってはいないんだ。」
パール 「え?じゃどうしてるの?」
テル 「カプセルの中の人間は当然全員ジニアス。その天才達を回復させて兵隊にしている。」
ゾネス 「兵隊?」
ロー 「奴がこれまでに奪ったカプセルは2千近い。」
ライム 「まさかそのジニアス達を使って…」
テル 「そう、奴らはクーデターを起こす気よ。」
ライム 「クーデター?銀河を奪う気?」
ゾネス 「ほう、それがホントなら確かにスケールが違うな。でも証拠はあるのか?」
テル 「我々の仲間が何年もかけて集めた情報よ。」
ロー 「その仲間は一人も帰って来なかったけどね。」
テル 「でも…」
ロー 「何?」
テル 「いや、なんでもない。奴らが惑星を隠し持っているという話は?」
ゾネス 「ああ知ってる。どこにあるか知らないが、海賊の間では「宝島」って呼んでる幻の星だ。」
テル 「当然ね。その星は惑星ごとワープできるシステムがあるの。」
ライム 「惑星ワープシステム…」
ゾネス 「そりゃ見つかるわけないわ。」
ロー 「うちらは「ヒミツの星」って呼んでる。」
テル 「奴らはそこを本拠地として2千人の兵隊たちと共にクーデターの準備をしてる。」
ライム 「なるほど、その陰謀を阻止しようってのね?」
テル 「ええ。」
ゾネス 「そんな大きな仕事をこんな少人数で?」
ロー 「大きな動きはすぐにバレちゃうからね。」
ライム 「どうやって阻止する気?」
テル 「簡単よ。その星さえ見つければこれ一つで終了。」

テル、トランクを指さす。

ルビー 「まさかそれ、惑星破壊兵器じゃ…」

ルビー、パール、ライム、退く。

テル 「そこまで物騒なもんじゃないわ。」写真
ロー 「体を麻痺させるガスさ。これを惑星に撒いて身動き取れなくしたら、連合の部隊を呼んで全員保護するんだ。みんな貴重な人材だからね。」
テル 「ただし、スライスには抹殺命令が出ている。」
ゾネス 「その抹殺役をうちらが?」
テル 「その通り。」
ロー 「実際それが一番面倒だから、引き受けてくれると助かるよ。」
ゾネス 「なるほど。思った以上に面白い話だな。」
ライム 「でも、その「ヒミツの星」の場所は?」
シンドバッド 「大丈夫、今までのパターンから分析すると、99%の確率でワープの先に必ずあります。」
ライム 「凄いな賞金稼ぎ。情報屋の私でもそこまでは。」
シンドバッド 「それで食べてますので。」
テル 「後はジャスミンさんたちの救出だけど、いい手を考えたわ。」
ライム 「ほんと?」
テル 「ゾネス。色々必要な物があるの。船内を案内してくれる?」
ゾネス 「ルビー、ご案内を。」
ルビー 「アイアイ。来な。」

ルビーを先頭に全員ハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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