△ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン7


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照明下手のみに。ウエイターを先頭に、避難してきた乗客ジャスミン、アーモンド、
アンナ、ショーン、マルティネス、コメッツが集まって来る。

ウエイター 「皆さんこちらに!」写真
ジャスミン 「ここは?」
ウエイター 「乗客用のシェルターです。いざという時は救命ボートにもなります。」
アーモンド 「あれ?ライムさんがいない!」
ジャスミン 「他の乗客は?」
ウエイター 「ご心配なく。別のシェルターです。間もなく銀河連合軍も到着します。安全が確認できるまではここから動かないで下さい。では失礼。」

ウエイターがハケるとドアが閉まる音。

アーモンド 「ライムさん無事だといいけど…」

照明上手の奥のみに。テル、ローが入って来る。

テル 「あれ?これ奴の海賊船じゃなくない?」
ロー 「おかしいな?」
テル 「発信機は?」
ロー 「超長距離用だがら近過ぎると確認しづらいんだ。」

シンドバッドが入って来る。

シンドバッド 「私のセンサーも同じ反応です。」
ロー 「シンドバッド!お前どこにいたんだ?」

ジローが入って来る。

ジロー 「あれ?これブラッディー・スカルじゃないぞ。」

ライムが入って来る。

ライム 「ジャスミン!アーモンド!…しまったはぐれたか…。」

アハトが飛び込んで来てライムにぶつかる。

ライム・アハト 「うわっ!」
ライム 「痛いわね!」
アハト 「邪魔であるぞ!」

お互いの顔を見て。

ライム 「クソガキ!」
アハト 「クソババア!」

ヴァイスが入って来る。

ヴァイス 「王子!!」
ライム 「あ…」

ライム、後ろに下がる。

ヴァイス 「また失礼な事を!(ライムに)何卒ご容赦を。」
ライム 「いえいえ…」
ヴァイス 「王子!一人で勝手に行動しないで下さい!」
アハト 「緊急事態じゃ!しかたあるまい!」
ヴァイス 「また屁理屈を…。ん?ところでここは?」
ライム 「た、多分乗客用のシェルターかと…」
ジロー 「なんだシェルターか。じゃ出よう。」

ジローがハケようとするとドアが閉まる音。

ジロー 「あれ?ドアが開かない!!」
テル 「え?」

みんなドアの前に集まると、照明が上手の前のみに。ヘル・キティーのコックピット。
ゾネス達が笑いながら乗り込んで来る。パールが操縦。

ルビー 「間に合った!アハハハ!」
パール 「すぐに発進します!アハハハ!」

ドーンという音と共に船が揺れる。

ルビー 「スライス達の船が離れます!アハハハ!」写真
ゾネス 「追え!アハハハ!」
パール 「アイアイ!アハハハ!」

ヘル・キティー急発進。上手奥の一行も大きく揺れる。

奥の一行 「うわあ!」

照明、上手奥のみに。

ライム 「動き出した?」
テル 「これ、シェルターじゃないわよ。」
ロー 「小型宇宙船の貨物室だ!」
ジロー 「あ〜っ!このマーク…!」
シンドバッド 「ヘル・キティーだ…」
ヴァイス 「ヘル・キティーって、さっきの女海賊たちの船?!」
アハト 「ここ、海賊船の中なのかあ?!」
ヴァイス 「なんてことだ…」
ジロー 「本物だ〜っ!」

照明下手のみに。大きな音と共にシェルターが揺れる。みんな動揺。

コメッツ 「な、なんでしょう今の?!」
ジャスミン 「動いてる!」
アーモンド 「え?」
ジャスミン 「このシェルター動き出したわ!」
アーモンド 「え〜っ?!」
ショーン 「外の様子は?」
アーモンド 「ここに小窓がある!」

アーモンド小窓から外を見る。みんなも押し合って小窓に集まる。

アーモンド 「わあ!客船が離れて行く!」
コメッツ 「え〜っ?!」
マルティネス 「救命ボートとして客船から離れたのか?」
アーモンド 「あ〜っ!前に海賊船が!」
ジャスミン 「何ですって?」
アーモンド 「あれはスライスの海賊船だ!」
ジャスミン 「どうやら我々、さらわれた様ね。」
アーモンド 「さらわれた?!なんで?!」
ジャスミン 「あなたなら知ってるんじゃない?アンナさん。」
アーモンド 「え?何言ってんのジャスミン?」
マルティネス 「ジャスミン?ってまさか…」
コメッツ 「あの名探偵の?」
ジャスミン 「あなた、本物のアンナ・ファーガソンじゃないわよね?」
アーモンド 「え?」写真
ショーン 「ジャスミン様、一体何を…」

ジャスミン素早くショーンに銃を向けると、条件反射でショーンも銃を構える。

ジャスミン 「その身のこなし、元海兵隊ね。しかもその銃。火星圏内では使用不可の改造プラズマガン。執事の持てる銃じゃないわ。」
アーモンド 「なにそれ…」
ジャスミン 「あなた方、さっきの薬入りのパンも食べていないわよね?体が動けないはずなのに、海賊たちの剣を一瞬素早くかわした。」
アーモンド 「え…?」
ジャスミン 「ズバリ、あなた方も、海賊の仲間ね?」
アーモンド 「か、海賊?!」
コメッツ 「この娘さんが海賊?」
マルティネス 「なるほど、この者たちに漂うウソの臭いの正体はそれか。」
アーモンド 「そんな事ないよねアンナちゃん?!海賊だなんて…」
アンナ 「アーモンドさんごめんなさい。」
アーモンド 「…アンナちゃん?」
アンナ 「ジャスミンさんの言う通り。私の正体はスライス海賊団のメイ・ブラッド。」(※以降「メイ」)
ショーン 「同じくスライス海賊団のロジャー・ダルトン。おっしゃる通り元海兵隊だ。」(※以降「ロジャー」)
メイ 「本当にさすがですジャスミンさん。キャプテンが見込んだだけの事はあります。」
アーモンド 「そんな…嘘だ…」
ジャスミン 「ライムを離したのもわざとね?」
メイ 「ええ。」
ジャスミン 「いつもは銀河を駆け巡っているライム。まさかこのタイミングで戻って来ているとは予想外だった。」
ロジャー 「はい。ライムさんに関してはデータ不足でして。」
ジャスミン 「元諜報部員と聞いて焦ったわけね。」写真
ロジャー 「一緒にいらしては色々厄介かと。」
メイ 「見事な洞察力です。」
ジャスミン 「で、目的はなんなの?」
メイ 「それはあちらについてから。」
ロジャー 「それまで少々お休み下さい。」

ロジャー、手持ちのスイッチを押すとシュウという音がしてジャスミン、アーモンド、僧侶二人が
ゆっくりと倒れる。

ロジャー 「凄い効き目だ。さすがドクター・ピヨ。」
メイ 「皆さんごめんなさいね…」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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