△ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン3


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明転すると、中央の椅子にジャスミンと依頼人のアンナ・ファーガソンが向かい合って座っている。
ジャスミンの後ろにはモバイルデータをいじるライム。アンナの後ろには執事のショーン。

ジャスミン 「なるほど。」
ショーン 「いかがでしょう?」
ジャスミン 「ざっくりとした内容はわかりましたが、まだお話しして頂けないと言う事が多いですね。」
アンナ 「申し訳ありません。現地でしかお話できない事ばかりで…」写真

アーモンドが入って来る。

アーモンド 「遅くなりました!」
ジャスミン 「ちょっと、まだ30分経ってないわよ。」
アーモンド 「大丈夫です!もう普通に…(フラつく)おお…」

アーモンド、よろけると咄嗟にアンナが立って支える。ショーンも素早く。

アンナ 「大丈夫ですか?」
アーモンド 「すいません…」

アーモンド、アンナを見て一目惚れ。

アーモンド 「あ…あ、大丈夫です!」
ジャスミン 「失礼しました。助手のアーモンドです。」
アーモンド 「あ、アーモンドです!」
ジャスミン 「こちらが依頼人のアンナ・ファーガソンさん。」
アンナ 「初めまして。宜しくお願い致します。」

アンナ、握手を求める。アーモンド、喜んで握手。

アーモンド 「よよ、宜しくです!」

アーモンド、アンナに見とれて握手を放さない。ショーンが咳払い。

アーモンド 「あ、すみません…」

アーモンド、手を放す。すかさずショーンが握手。アンナ再び座る。

ショーン 「ファーガソン家の執事、ショーン・クレイグと申します。」
アーモンド 「ひつじのショーン?」
ショーン 「執事のショーンです。宜しく、ピーナッツさん。」
アーモンド 「アーモンドです。」
ショーン 「これは失礼。」
ライム 「失礼。」

ライムに引っ張られて下がる。

アンナ 「で、今回の依頼、引き受けて頂けますでしょうか?」
アーモンド 「引き受けます!」
ライム 「こら!あんたまだ何も聞いてないでしょ!」
アーモンド 「え?条件悪いの?」
ライム 「情報が少ないの。」
アーモンド 「情報?」
ジャスミン 「アンナさんは火星の大富豪ファーガソン家のお嬢様。実は当主であるお父様が具合を悪くされてるそうなんだけど…」
アンナ 「父は毒を盛られているんです!犯人を捜して欲しいんです!」
アーモンド 「それはひどい!引き受けます!」
ライム 「こら!」
ショーン 「私も屋敷内の誰かの仕業だと見ているのですが、周りは財産を狙っていそうなものだらけでして。」
アーモンド 「凄い!コテコテの推理ドラマのシチュエーションだ!名探偵の腕の見せ所じゃないジャスミン!」
ジャスミン 「でも情報はそれだけ。」
アーモンド 「え?」
ジャスミン 「後は現地まで教えてもらえないそうよ。」
アーモンド 「なんで?」
ショーン 「お嬢様の安全のためです。」
ライム 「しかしいくら何でも…」
アンナ 「情報の代わりに好条件ではいかがでしょう?」
ジャスミン 「好条件?」写真
アンナ 「代金を10倍お支払いします。」

ジャスミン・ライム・アーモンド驚愕。

ジャスミン 「じゅ…」
3人 「10倍?!!」
ジャスミン 「ご、ご冗談を…」
ライム 「逆にマユツバですよ。」
アンナ 「ショーン。」
ショーン 「はい。」

ショーン、モバイルをいじる。

アンナ 「とりあえず前金も10倍お支払いします。」
ジャスミン 「うそ…」
ショーン 「終わりました。」
アンナ 「口座をお確かめ下さい。」
ライム 「え?」

ライム、モバイルで確認

ライム 「十万、百万…一千万クレジット…入ってます…」
ジャスミン 「マジで?」
ライム 「(モバイルを見せながら)マジで…」

ジャスミン、確認し。

ジャスミン 「お引き受けします。」
アンナ 「ありがとうございます!」
アーモンド 「ジャスミン現金。」
ショーン 「火星までの費用も全てこちらがお持ち致します。」
アンナ 「早速クイーン・ダイアナ号のチケットを手配しますわ。」
ライム 「クイーン・ダイアナって、あの豪華宇宙客船の?!」
アーモンド 「うそお!一度乗ってみたかったんだ!」
アンナ 「明日からのご都合は?」
3人 「つけます。」
アンナ 「ショーン。」
ショーン 「はい。」

ショーン、モバイルをいじる。

アンナ 「皆さんは、私のお友達って事で通して下さい。」
アーモンド 「いいですね!お友達!」
ショーン 「チケット、おさえました。」
アーモンド 「ひつじさん仕事早っ!」
ショーン 「執事です。」
アンナ 「詳細な設定は明日の船で。」
ショーン 「集合場所や時間は追ってご連絡致します。」
ジャスミン 「わかりました。」
アンナ 「それでは何卒宜しくお願い致します。」

アンナ、アーモンドの手を取り。

アンナ 「宜しくね、ピーナッツさん。」
アーモンド 「ピーナッツでいいです…」

アンナ、ショーン、ハケる。アーモンド、ぽ〜っとしている。

ジャスミン 「アーモンド。」
アーモンド 「はい…」
ジャスミン・ライム 「分かりやす過ぎ。」
アーモンド 「はい…」

音楽がかかり暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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