△ 「迷い子なカミサマ」エピローグ5


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下手明かり。下手から神道が出て来る。下手台からトワが出て来る。

トワ 「道浩(みちはる)さん。」写真
神道 「え?あ、神様、まだそんなかっこうを…」
トワ 「神様じゃないよ。私だよ。」
神道 「え?…トワ?本物の?!」
トワ 「うん。」
神道 「どうして?どうしてここに?…え?…まさか君も…死んだのか?」
トワ 「まだぴんぴんしてるよ。」
神道 「え?じゃ…」
トワ 「神様の計らいで、ほんのひと時だけ。」
神道 「神様の…」
トワ 「今、私は眠っていて、これはただの意識。」
神道 「意識?」
トワ 「本当は私はここにいないんだって。」
神道 「そうなのか…でも嬉しいよ。」
トワ 「私のせいで、道浩さんがすごく苦労したって。」
神道 「君のせいじゃないよ。僕が勝手に…」
トワ 「あきらは元気でした?」
神道 「ああ、小説家として結構頑張ってるよ。」
トワ 「良かった。それだけが気がかりで。」
神道 「あいつにも苦労かけてしまった。ひどい父親だった。」
トワ 「悔いのある人生だった?」
神道 「…いや、悔いはないよ。君と出会えて…あきらを世に残せた。」
トワ 「よかった。」
神道 「もう行くのか?」
トワ 「ええ、また会えるわ。」
神道 「あまり…早く来なくていいから。君も、悔いのない人生を。」
トワ 「うん。ありがとう。」

二人、微笑み暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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